自社敷地内に、半導体をはじめとする電子部品・デバイス向け部材の需要拡大に対応するため、新たな開発棟が建設されました。これにともない、既存フロアから一部の部署が新棟へと移転。その動きを機に、スペース効率の見直しを目的とした改装プロジェクトが始動しました。今回は、既存の壁を残し、従来使用していた什器を転用。運用面でも移転前と同様に固定席を維持するなど、大幅なレイアウト変更をともなわない条件のもとでの改装でした。限られた条件のなかで、いかにポジティブな変化を生み出せるかが重要なテーマとなりました。

コンセプトは、小さな出来事でも時間の経過とともに大きな影響を及ぼす可能性があるという意味の言葉である『butterfly effect』。既存壁や什器を活かしたレイアウトやちょっとした工夫が大きな効果をもたらし、全体へ広がることを目指しました。デザインは、太陽ホールディングス様の当事業所に共通する「和モダン」のなかに要望にあった「遊び心、心地よさ、明るい雰囲気」という要素を落とし込みました。効率や規則性はもたせたまま、オフィスにちょっとした遊び心を取り入れるために固定席である働きやすさはそのままに、打ち合わせなどでコミュニケーションが取れる場所を各所に配置。使われていなかったリフレッシュグッズを整理整頓し、スペース全体を有効活用できるよう工夫しています。また、既存の柱にはあえて存在感を与えるデザインを施し、その柱の周りに人が集まる仕掛けをつくることでマグネットポイントが目立つようにデザインしました。また、リフレッシュスペースやコミュニケーションスポットには大きさや色の異なる円を多様にあしらうことで、ワークスペースとは違った動きのある空間となっています。

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