『カイオムの未来を創る』融合とコミュニケーションを図るための、ブレないオフィスづくり
株式会社カイオム・バイオサイエンス清田氏に、オフィスに対する想いと従業員のみなさまの変化、ヴィスとの出会いから仕事を進める中で感じたことなどをお伺いしました。
Q.デザイナーズオフィスにして、実現したかったことは何でしょうか?
清田氏(以下、敬称略):各部署を飛び越えた、コミュニケーションを図れる環境にしたいと思っていました。本社機能と研究機能が分かれていることでコミュニケーションが図りづらいことが経営課題でした。離れているがゆえに、経営層の意思が一部しか伝わらず、見えない溝のようなものを感じた時期もありましたので。今回同じ場所に集まるシナジーを考え、コミュニケーションの活性化を図るため、フリーアドレスを取り入れることにしました。
この前思わず写真を撮ってもらったのですが、管理と研究と営業の人間がひとつのところに座っている光景がありました。僕からするとあらためてすごくビックリする光景だったのですが、同時にとても嬉しいことでした。これが当たり前になるのが、ひとつのゴールになると思います。第一歩が踏み切れたので、ひとまず良かったです。
T.K(担当PM):フリーアドレスの要望はよくいただくので、我々もご提案はしますが、結局管理部門としては固定席が良いなど、いろんな意見に潰されてダメになることが多くあります。ですので、最初のモデルレイアウトは、フリーアドレスの中にも、島型のレイアウトも部分的に落としこんだ控えめなものをお持ちしました。
清田:そうでしたね。島型のプランを出してこられた時点で、「あぁ、これはヴィスさん、だめかな。」って思いました(笑)そしたら、2日後くらいに新しいプランが出てきまして。プラン修正がとにかく早かったですね。あれがなければ、今はありませんでした。コンペには、ヴィスさんは5番手くらいの遅いタイミングで入ってこられたので、それはもう大逆転でした。
デザインを見て、ハートが揺さぶられるような感覚は久しぶりでした。今回は提案いただいた内容を随所に取り入れることができましたが、仮にやらなかったとしても、この人にしかできないデザインやアイディアを見たいという気持ちがあったので、想定を超えるデザインを提案されたときには衝撃を受けました。
Q.オフィスで一番気に入っているところはどこですか?
清田:入口に入ってすぐのところです。ソファーがあって、隣にガラスの壁の会議室があり、全部開けるとひとつの空間になる場所です。
T.K:・・・高かったですよね、移動式のガラススクリーン。ショールームで見ていいなと思っていましたが、フリーアドレスの提案と一緒で、提案しても予算などの理由で、なかなか採用してもらえないことが多く、簡易なものを提案するようになってきていたところでしたので、今回導入することができて本当に良かったです。
清田:普通に議論させると、絶対コストやスケジュールといった合理的な話になってしまいますよね。でも合理的ではなく、何を一番大切にするのかという軸からブレないようにしたいと思っていました。ですので、こだわる部分、大切な部分、必要な部分だと感じ、導入に踏み切りました。
今回の統合移転のひとつのテーマは「融合」でした。会議室の名前にも「融合1」と「融合2」の名前をつけてもらいました。ガラススクリーンを全て解放すると、会議室とソファースペースがドンと広がって、まさに空間が融合するようになっています。
最初にお話ししたときに、ご説明した大事なキーワードをしっかりと掴まえていただいて、それを形にする努力をしてくださったのではないかなと思っています。そうじゃないと、ああいう発想は出てこないですからね。だからとても満足しています。
Q.今のオフィスになって、一番印象的なことは何ですか?
清田:新しいオフィスを見たときの従業員の人たちの表情が、とても印象的でした。意中の人に告白されたとき、子どもが生まれたときなど、心から嬉しさが込み上げてくるときに見せるような笑顔をしているように見えました。それを見たときに、あぁ、これはやって良かったなと。
また、来客していただく方々が、大概ビックリされます。特にこういう研究開発を行っている企業は、カラフルで先進的なオフィスは少ないですからね。中途採用でも、普通の企業で勤められていた方が受けるインパクトは違うみたいです。扉を開けて見てもらうだけで、他と違いを実感していただけるというのがすごくいいですね。
社員は、働く環境としては今まで不遇の時代があったので、こんなところで仕事をしていいのかという思いもあるかもしれません。でも、会社が成長していく中では、やっぱりあるべき姿なんですよ、これが。経営陣もそれを伝えたかった。この姿に見合うように、みんなでレベルアップしていきたいですね。
Q.ヴィスを知ったきっかけは何だったのでしょうか?
清田:知り合いのオフィスを見学してみたら、白木をモチーフにしたデザインが結構斬新で、自分のイメージにフィットしていました。それがT.KさんとT.Sさん(担当クリエーター)がやったオフィスだったんですね。そこで、すぐにヴィスさんを紹介してもらいました。最初に連絡してから決まるまで、1.5ヶ月くらいかかりましたよね。
T.K:待ちましたね。最初の提案はヴィスのオフィスでさせていただいて、褒めてはいただいていたものの、後発でやっていたので、どうかなぁーっていうのが正直なところでした。いい提案をできたと、すがすがしい気持ちはありましたが。
T.K(担当PM):正直一回、ないものとして考えました。
清田:いやぁ、自分の中ではヴィスさんのデザインで決まりかけていたのですが。プロジェクトメンバーからもアンケートを取って、他社も検討していたので、お返事まで少し時間がかかってしまいました(笑)
Q.ヴィスのプレゼンテーション、PM、クリエーター、はいかがでしたか?
清田:イメージを上手く伝える努力を最初から力技でしていただけたのは、ヴィスさんだけでした。写真とかイメージCGパースを、最初から描いてきてくれたんですよね。あれは他の会社さんでは、やっていませんでした。早い段階からこういうプレゼンテーションをやって貰えたことが、すごくポイントが高かったです。
T.Sさんは、結構頑固なこだわりがあるんですね(笑)
T.S(担当クリエーター):えっ、そんな印象が(汗)
清田:図面を見ながら、「高いし、あれだし・・・。」と私が言うと、PMのお二人が「ここはT.Sのこだわりでこうなってるんです!」って説明されて、そういう話をされると「そうなのかなぁ、それならやりましょうか。。。」となるんですよね。
T.S:うわぁ、いないところでそんな会話が。
T.K:清田さんからは、「信頼しているのでお任せします。」と、結構お任せいただいたイメージがありますね。
清田:モニターの大きさや収納などの細かな要望はありましたが、基本的に、デザインの部分に関しては、ほとんどご提案の通りだったと思います。
T.K:T.Sはヨーロッパに行ったりして、新しいスタイルをすごく勉強しているので、それをデザインにちゃんと取り込んで提案できたことが、本当に良かったなぁと思います。
清田:あとは役割分担ができていて、適材適所のいいチームだと思いました。T.Kさんは、落としどころが必要な打ち合わせで、どういう風にしたら落とせるか、というのをちゃんとできる方。こういう方が周りにいてもらえると、安心しておまかせできる会社だなって思います。T.Kさんは、無理難題を言われて、どう考えてもできないことでも、まずは「分かりました、検討してみます。」と受け止めることができる方ですね。
T.K:返事は0.2秒、「できない」は言わない、そう教えらえてきましたので(笑)
清田:それは一貫してヴィスさんにあるところですね。できない能書きを言うのは誰でもできることですが、自分で一回受け止めて、最大限に検討してくれて、その結果を説明したのちに、どうされますかと言ってくれる話し方をするので、とても良かったです。
Q.最後に、これからデザイナーズオフィスを取り入れる会社さんに、メッセージをお願いします。
オフィスを作るにあたって、「何を大切にしたいか」という軸をしっかり持つことが大事だと思います。スペースや予算、いろいろ尺度があるので、決定するのは難しいと思いますが、最初に決めたコンセプトから、ブレないことが大事だと思います。
今回のコンセプトは『カイオムの未来を創る』でした。それにはコミュニケーションや考えるスペースがさまざまな環境で提供されていることが大事でした。形、色合い、場所をどのように設定すれば、コミュニケーションが図れ、発想が豊かになり、未来を創っていけるのかを考えながら決めていきました。
4-8年と長い時間を過ごしたときに、会社のあるべき姿を思い描いて、ブレない軸を持ってオフィスを作られた方が良いかと思います。それによって、社員の士気が上がり、会社も上昇していけると思います。
取材後記:
オフィスを案内していただきながら、エントランスの電話台の右側に、コーポ―レートカラーとは違う色合いを見つけました。これは、カイオム様が手掛ける抗体医薬品の研究開発に関連して、塩基配列を模したものでした。オフィスづくりに於いて、コンセプトからブレない確固たるこだわりと、遊びゴコロを感じるさりげないアイディアが散りばめられており、清田氏の、会社と従業員のみなさまへの温かい想いを感じるオフィスになっていました。
アイディアやデザイン、スピード以外に、ヴィスメンバーの連携が取れていることについて、評価をいただけたことは、とても嬉しいことです。お客様とヴィスメンバーが、一つの方向を定めて、一緒に考え協力できたことで、カタチになったオフィスなのではないかと思います。
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