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2017.8.17

CULTURE

事務所(オフィス)移転のお知らせを出そう ―案内文の文例をご紹介―

オフィス移転の際には、物件やオフィスデザイン、レイアウトを決めるだけではなく、その他にも決めなければならないこと、やらなければならないことがたくさんあります。
オフィスに関わることだけでなく、官公庁への届出や名刺の刷り直しなど、重要なタスクも含まれています。
今回はその中でも「事務所(オフィス)移転のお知らせ」についてご紹介します。



そもそも「事務所(オフィス)移転のお知らせ」とは?

「移転案内状」や「事務所(オフィス)移転挨拶」などとも言われますが、企業がオフィスを移転する際に、住所や電話番号が変わったことを取引先にお知らせするためのビジネス文書のひとつです。
オフィスを移転すると、取引先にも取引先台帳の変更や基幹システムの更新などを行ってもらう必要が出てくるので、必ずお知らせするようにしましょう。


移転案内はいつ送るの?

事務所(オフィス)移転のお知らせの適切な時期ですが、オフィスの移転日の1ヶ月前から2週間前までに相手の手元に届くようにしましょう。前述のとおり、取引先では基幹システムの更新や送付物の住所録などを変更しなければなりません。「請求書等の重要な書類が届かない!」などといったことがないように早めの準備をすることが必要です。

また、作成自体にも時間がかかることを忘れてはいけません。原案の作成、送付先リストの作成に2週間、入稿から印刷作業に2週間で、発送までにおおよそ1ヶ月程度の作成期間が必要です。
この作成期間もふまえて、スケジュールを組みましょう。


【関連コラム】
>移転計画立案のポイント
>オフィス移転のスケジュールー基礎から徹底解説ー

移転案内は誰に送るの?

取引先各社に送ります。
販売先であるお客様はもちろん、仕入先の協力会社や、普段お世話になっている会社にも送ります。もちろん、顧問先の弁護士や会計士なども同様です。
送り忘れのないように、予めリストを作成しましょう。


移転案内はどうやって送るの?

ハガキや二つ折りカードが入った封書など、“書面”で送るようにしましょう。
オフィスを移転することや新住所に関しては、もちろん企業のホームページやメールでお知らせすれば良いのですが、冒頭でも述べたとおり移転案内というのはビジネス文書のひとつでもありますので、改まった形式で送ることが望まれます。お世話になっている取引先に、日頃の感謝もこめて丁寧な印象を与える挨拶状にするとよいでしょう。
取引先に複数の担当者がいたり、お知らせの送付が移転日に差し迫ってしまったりした場合には、メールでの挨拶も伴せて行うのがベストです。


移転案内の内容は?

繰り返しになりますが、事務所(オフィス)移転のお知らせはビジネス文書です。丁寧な文面で、簡潔にわかりやすくする必要があります。
内容は大きく3つで構成されています。

 (1)時候のあいさつ文(冒頭文)
 (2)移転の事実と所信表明
 (3)移転の詳細

これらを簡潔にわかりやすく書くようにしましょう。

それでは移転案内の例文を見てみましょう。



    <事務所(オフィス)移転のお知らせ>

    拝啓 立秋の候 貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます。
    平素は格別のお引立てを賜り 厚く御礼申し上げます
    さて このたび サービス業務をより一層充実するために事務所を下記の通り
    移転をすることになりました
    これを機に さらに皆様方のご愛顧を得られますよう 専心努力いたす所存でございますので
    今後ともなお一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます
    まずは略儀ながら書中にて移転のお知らせのみ申し上げます
                                              敬 具
                                         平成○○年○月○日

                      記
     移 転 先 〒105-0021
             東京都港区東新橋2-○○-○
             △×○※□▽汐留ビル8F
     新電話番号 03-○○○○-○○○○
     FAX番号 03-○○○○-○○○○
     業務開始日 平成○○年9月1日(月)
                                        ○○○○○株式会社
                                    代表取締役社長 ○ ○ ○ ○




上記の例文が、基本となる移転案内ですね。

(1)時候のあいさつ、(2)移転の事実と所信表明、(3)移転の詳細、
の大きく3つで構成され、丁寧でありながらもシンプルでわかりやすい文面です。

以下では、3つの内容について詳しく説明します。


(1) 時候のあいさつと日頃のお礼について

時候のあいさつとは、丁寧な手紙の文頭に添える礼儀文です。手紙を送る季節、月によってそれぞれ特有の言葉がありますので、気をつけましょう。事務所(オフィス)移転のお知らせを送る際には、「拝啓」から始まり、季節にあった時候のあいさつ文を添えて、最後は「敬具」で終わるようにしましょう。
また時候のあいさつ文に続いて、「平素は格別のお引立てを賜り心より厚くお礼申し上げます。」など、日頃の取引についてのお礼をひとこと加えると丁寧です。

(2) 移転の事実と所信表明について

あいさつやお礼の文から一転、移転の事実は簡潔に伝えます。後ろに続く移転の詳細内容を指して、オフィスが移転する事を伝えましょう。
結びの文は企業の今後の所信表明を踏まえて、良い取引の継続ができるようなお願いの文にすると、文章が完結します。ここで企業の方針や企業らしさをアピールするのも良いでしょう。以下が例文です。

■これを機にさらに業務の充実を図り 皆様のご期待に添えますよう 一層の努力を重ねてまいる所存です
 今後とも倍旧のご支援 ご愛顧を賜りますよう 宜しくお願い申し上げます。

■これを機に社員一同気持ちを新たにし 皆様のご信頼にお応えできるよう倍旧の努力をしてまいる所存
 でございます
 今後とも一層のお引き立てを賜りますよう お願い申し上げます

■新オフィスはスペースも拡大し 皆様のご来訪にも十分対応できるものと存じております
 これを機に 社員一同皆様のご便宜を図るため より一層の努力をいたす所存でございますので 今後とも
 倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます

(3) 移転の詳細について

移転の詳細については、文章ではなく「記」を用いて箇条書きでわかりやすく明記します。余計な情報や文章は省き、必要な情報のみで構成してください。地図などを入れるとよりわかりやすくなりますね。

■移転日
■移転先住所
■電話番号(変わらない場合もあるのでその旨を明記)
■移転先の地図




事務所(オフィス)移転のお知らせにも、手を抜かないで

移転案内も、企業のブランディングを表現するツールにもなります。たとえば、オフィスのデザインに合わせたハガキのデザインにするとどうでしょう。移転をお知らせするとともに、新しいオフィスの雰囲気をお届けすることもできます。また、コーポレートカラーを少しあしらうだけで、日々受け取る郵便物のなかでオリジナリティを発揮し、目に止まりやすくなります。

オフィス移転のタスクの中でも細かい作業を伴い、また移転を目前にバタバタとする時期にこなさなければならないタスクの、「事務所(オフィス)移転のお知らせ」。取引先やお客様とも関わる部分でもあるので、スケジュールや送付先リストをきっちり作り、余裕を持って進めましょう。