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2019.5.27

CULTURE

空間と作品の融合 デヴィッド・リンチ「精神的辺境の帝国」展のご紹介

表参道GYREがオープン12年目を迎え、
アートスペース「EYE OF GYRE」が「GYRE GALLERY」にリニューアル。
オープニングレセプションとして開催中の「デヴィッド・リンチ 精神的辺境の帝国」を見に行ってきました。


本題の前にGYREについて少々。
住所は渋谷区神宮前5-10-1。
キャットストリートの入口(出口?)にある大型商業ビルです。

ここの建築設計を手掛けたのがオランダ、ロッテルダムを拠点とする建築家集団、MVRDVです。
MVRDVの手掛けた建築まとめサイトはこちら

奇抜な建築を手掛けるのが特徴で、個人的には「実現不可能な建築を提案する建築家集団」として
意味不明だけど面白い、という認識でした。

有名になる前のプレゼンテーションをまとめた本を過去に持っていまして、
建築として成立してない計画ばかりだけど、シンプルにヴィジュアル的にカッコ良かったのを憶えています。



さて、本題。
展覧会はGYREの4階で開催中。
タイトル、「デヴィッド・リンチ 精神的辺境の帝国」展。
もう名前からヤバそうです…。


入口。ガラス+フレームレスのガラスドア。
境界を極力感じさせす、中が見えるデザインです。

作品。
ペインティング、ドローイング、工業地帯の写真、映像など、本展のタイトルに相応しい内容です。

明るくPOPな雰囲気とは正反対。ダークで退廃的、グロテスク少々。
見方によっては小さじ一杯分コミカル。こーいう雰囲気、個人的に好きです。



レセプションカウンターの端に置かれていた小屋の模型。

それをそのまま会場最奥部に1/1スケールで設営し、
映像作品用の上映スペースにしていました。

空間と作品のバランスなどなど。作品よりも見ていた時間は長いかも。

ギャラリースペース特有の無機質な材質・色な空間に作品が展示された一般的な構成でしたが、
中途半端な位置に丸柱があったり、
通路の両端の幅を変えていたり、人をくぐらせる作りなど

歩いていく先の空間がこうなっているだろうという予想を
ぼやかせる仕掛けが面白いと思いました。

久々の展覧会の空気感は楽しかったです。
デヴィッド・リンチというと映画監督として有名ですが、
最近はアーティスト(画家)としての評価が高いとのこと。

個人的に内容にも満足だったので、来て良かったと思っています。
デヴィッド・リンチの映画は見たことないんですけどね。



今回のデヴィッド・リンチや北野武さんもそうですが、
世に出た時の仕事とは違う分野でも才能を開花させる人が
今後どんどん増えるのではないでしょうか。

1つの分野や職種に捉われず、今までの知識や経験に様々な視点・動きを組み合わせ
新しいなにかを生み出す、ということが誰でもできるような社会になりつつあります。

働き方改革=労働時間の短縮という単純な式に当てはめるだけでなく
好きなこと・興味のあることと仕事の境界線を曖昧にしてどっちも楽しむ、という考え方が
今後広まっていくのではないか、と思いました。

おしまい。