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2017.4.27

CULTURE

企業理念の具現化と社内コミュニケーション向上を目指して

今回は、ヴィス大阪オフィスでご担当をした伸栄商事株式会社様にインタビューさせていただきました。伸栄商事様は、化粧品の企画開発、製造、また生協を主たるパートナーとして販売をされている、新大阪を本社とする企業様です。ヴィスとの出会いから、オフィスの全面改装に至った理由とは?社員の幸せを第一に願う三谷千里社長が想うオフィスづくりとそれを実行された経営企画室の小林氏のお話をお伺いしました。

ヴィス大阪が移転して間もない2014年春。オフィス見学会に来てくださったのがきっかけでした。

■ヴィスとの出会いは?

小林氏:
私が、ヴィスさんのHPからお問い合わせをしたのが始まりですね。千里社長が社長に就任をして間もないころで、オフィスの雰囲気を変えたいと考えていらっしゃいました。そこで、僕がインターネットで探していたときにヴィスさんを見つけたんです。

H.N(ヴィスPM):
実は、ヴィスの大阪オフィスが以前の西大橋から梅田に移転をして間もないころだったんですよ。会社として、新しいオフィスを見てもらいたいということで「オフィス見学会」という取組を始めたところで、ちょうどその見学会の申し込みフォームからご連絡を頂いたんです。大阪オフィスの見学会に来ていただいた、記念すべき第1号のお客様なんですよ。

三谷千里社長(千里社長):
そうだったんですね。知りませんでした。
そのときオフィスに伺って、ヴィスさんのクレドや社内冊子みたいなものを頂いたんです。そしてそのときにご説明をいただいた、「はたらく人々を幸せに。」という言葉にとても共感したのを覚えています。

小林氏:
そうでしたね。一番最初にオフィスに伺ったときに、「いらっしゃいませ」というH.Nさんが一生懸命に書いてくれたであろうカードが置いてあったんです。それを千里社長がご覧になって、「すごいね。来てくれる人のためにココまで心遣いをしてくれるなんて」って話をしていたんです。それでヴィスさんのお話を聞いていく中で、クレドやDNABOOKを頂いて拝見すると、そのひとつひとつに我々が共感をしたんですよ。こういうのっていいなって。
でも確か、あのDNABOOKって社外の人には渡しちゃダメだったんですよね?

H.N:
そうですね。あの後、社長に怒られました。笑
でも、代わりに伸栄商事様の社史を頂きましたよね。DNABOOKよりもっと立派なやつ。笑

そもそも当初のお話では、オフィスのワークスペースの改装の話ではなかったんですよね。オフィスの隣の150坪くらいの区画が空いたから、既にお借りになっていて家賃も発生していたけれども、結局何も使えていない状況で。その空間を、リフレッシュスペースとかにしたいというお話から始まったんだと思います。
でも、僕としては、「伸栄商事さんが本当にやりたいことは何なんだろう?」と考えていました。
クレドやフィロソフィー(企業理念)に共感を頂いていたので、リフレッシュスペースを作ることが重要なのではなくて、社員さんたちのモチベーションや今後の採用活動などへの考え方が強いんだと感じられたんです。

小林氏:
そうでしたね。最初は、新しく借りたその空間だけの話をしていたんですよ。
拡張したスペースをリフレッシュにして社員のコミュニケーションができる場所を作りたかったんですが、どこをどうすればいいのだろうと悩んでいました。

そんなときにヴィスさんと何度かお話をして、H.Nさんや設計担当のOさん(弊社クリエイター)に「コミュニケーションはこの場(増床エリア)だけの話ではないですよ」と言われて。それで、増床エリアだけではなくて執務室の部分でワークスタイルも含めて見直したほうがいいなという話になったんです。

H.N:
設計のOが、「増床エリアにデザインを取り入れてコミュニケーションスペースを作っても、上手くいかない。きっと社員さんはみんなそのスペースに行かなくなりますよ。」って言ったんですよね。

そこで、増床エリアに自然と足が向くような仕掛けを作ったり、ワークスペース内で偶発的にコミュニケーションが生まれるようにしたほうがいいんじゃないかとなって、全面改装という計画になったんです。




「はたらく人々 を幸せに。」にご共感を頂けた事。そしてPMがパートナーになれたこと。

■ヴィスを選んだ理由は?

千里社長:
私たちの考えをお話して、それを具現化していただけたのがヴィスさんでした。あとはやはり企業理念の「はたらく人々を幸せに。」に共感できる部分というのは大きなところでした。弊社でもはたらく社員の皆さんに生き生きと輝いてほしいという考えがありますので、私ははたらく環境から変えていきたいと思っていました。

弊社も理念やコーポレートカラーなどができた次の年で、そういったとことを踏まえてご提案いただけたことがとても良かったですね。
やはりかっこいいデザインだけではダメだと思うんです。金額も多額に発生するものですし、理念や考え方に共感して一緒に作り上げて行けるパートナーでないとダメだと思います。

H.N:
私たちヴィスとしても、千里社長の愛が詰まっているオフィスを作りたかったんですよ。

千里社長:
あら、いい表現ですね。
なので、私たちもずいぶん家具選びとか色の選定とかはかなり注文が多かったと思います。それをH.Nさんは嫌がらずにやってくださいました。ありがとうございます。
H.Nさんは、着工間際になっての要望も「どうにかしましょう」といってくれて、ずいぶん無理難題を叶えてくれました。

H.N:
お客様が要望されていることがあるなら、それを叶えるためにできる方法から探すのが僕のポリシーなので。僕も伸栄商事さんっていうお客様が大好きだったので、このプロジェクトをなんとしてでも成功させないといけないという想いがありました。


小林氏:そうですね。最終的には私たちの本当に叶えたいことを全部叶えてくれる。「ココを改装したい」とかじゃなくて、その本心の部分「じゃあなんでココを変えるの?」っていうところから始まり、「会社にこんな課題があるんです」っていうことを拾い出してくれて、それに対して提案をくれる。そういうところじゃないですかね?

千里社長:
あとはもう本当に、H.Nさんのお人柄ですね。笑

H.N:
ありがとうございます。




細かいところにまで徹底的にこだわる。それがオフィスに愛着を持つということ。

■オフィスへのこだわりは?

小林氏:
いろんな提案がありましたが、最終的には全部、家具から何から千里社長と僕が実物を見て決めているんですよ。H.Nさんや、Y.Aさんと一緒にショールームなどに行って、実物を見て座ったりして決めているんです。だから、どこにこだわったというより、全部ですね。

Y.A(ヴィスPM):
そうですね。いろんなところに行きましたね。一緒に座らせていただいて、写真もたくさん撮って。笑
カーペットも何種類もご提案をしたんですが、結局は千里社長がショールームに実際に行って見つけてきたカーペットを使ったんです。通常、オフィスやOAフロアには使用しないような素材だったので、私も初めて見るもので新鮮でした。

千里社長:
そうでしたね。タイル1枚にしても、ドアノブひとつにしてもこだわっています。しっくりこないものには納得がいかないので。
やはり、ずっと使い続けるものなので、しっかりと目で確かめたい。このテーブルの天板の「白」をとっても、これは目が痛くなるとか、ちょっと黄色っぽいとかありますよね?だから、実際に行って見てみたり、サンプルを取り寄せたりして決めていきました。
なので、こだわっただけあって愛着が増し、大事にしていますよ。

Y.A:
西陣織も初めてみた素材で斬新でした。私たちもわざわざ京都の織元にまで見学に行きましたから。笑

千里社長:
西陣織を今回オリジナルで織ってもらい、社長室の壁に使用しました。日本らしさを表現したくて取り入れていただきました。
もとは西陣織の老舗帯メーカーで呉服問屋の若手後継者が、海外に日本文化を発信させるため、帯の幅ではなく壁面に使える布を開発されたと聞いたのです。クリスチャンディオールやシャネル、リッツカールトンなどがそのファブリックで飾られているのを見て、とても素敵だなと思いました。それを取り入れて日本らしさを表現し、日本文化の発展に少しでも貢献ができればと思ったんです。

H.N:
本当に、ここにしかない空間が出来上がりましたよね。ただ正直、西陣織の扱いについては、使い方も納期も初めてでいろいろ怖かったですけどね。笑

Y.A:
1日に4mしか織れないものなので、納期に間に合わせるためになかなか苦労しました。笑  
でもそのかいあって、本当に素敵なものが出来上がって感動しました。



社外調整に奔走したPMと、社内の声を調整した担当者様

■オフィスづくりで苦労した事はなんですか?

H.N:
ちなみに僕は工期ですよ。笑  移転ではなく改装なので、エリアごとに工程を考えて、お盆の限られた時間の中で完成させなければならない。それはなかなかの試練でしたね。
工事前の段取り中も、工事期間中も正直ずっとひやひやしていました。改装では、実際に工事が始まって、解体作業をしてみないとわからないところも多くて。解体してもしそこに配線なんかがあれば、図面通り、工程通りには進行しなくなるわけですから。正直かなりリスクもあったんですが、立ち会ってくださった小林さんと、協力会社の皆さんのおかげで何とか乗り切りました。

千里社長:
そんなリスクがあったんですね。でも、H.Nさんは不可能を可能にするって感じでしたので、心配はしていませんでした。NOとは言わないみたいな。工期もタイトな中、ぎりぎりまでいっぱい要望をお伝えしたんですけど、叶えてくれました。

小林氏:
私が苦労したのは、人の調整ですね。もちろん各部署にきちんと説明はしたんですが、一番面倒だったのはストック部分ですね。それぞれの部署が、「これだけの収納スペースがほしい」とか要望をいろいろ出してくるんですよ。それをどう調整するか。そこの交渉が難しかったですね。私、ファイルメーターとかを計算して説得しましたからね。笑

千里社長:
やはり新しく何かを変えることは、とてもエネルギーが要ることです。社内には、このままで変えたくないという意見も結構多くありました。でも変えた結果、部署だけではないコミュニケーションが生まれたり、やはり変えてよかったという声が多いと思います。




圧倒的に増えたコミュニケーションと、無限大の可能性

■オフィス改装後の社員の皆様の反応は?

(インタビュー後にオフィスを案内していただいたときの様子)

小林氏:
みんながみんな働きやすくなっているかどうかは、もちろんわかりませんが、やはりコミュニケーションは第三者から見ても増えていますね。
今までは、島ごとにもくもくと仕事をして、何か話があるときは別の会議室とかにわざわざ入って話をする。今は作業をしながら「ちょっとこれ見て」とか簡単なコミュニケーションがその場で取れるようになりました。そのあたりはすごくいいですね。
あと、部署間の打合せなども、わざわざ会議室に移動するというよりワークスペース内に点在している打合せエリアを使ってするようになりましたね。

千里社長:
そういえば設計のOさんが最初のご提案のときに、窓際の一番良いエリアを上長席にしておくのはもったいないから、社員が使える打合せエリアにしようって提案してくださったんですよね。その窓際の打合せエリアは、毎日良く使われています。

H.N:
その光景をはじめて見た時は、僕もとても嬉しかったです。

小林氏:
昔ながらの島ごとに上長席があるスタイルだったので、もちろんレイアウト変更時のデスクの並び方とかには結構気を遣いました。合わせてストックの配置のこともありましたし、さらには今回の改装のコンセプトで、オフィスの真ん中に通路を通すっていうのがあったので、それに応じたレイアウトが大変だったんです。
先ほどにもあったように、何かを変えようとするときって、社員は絶対反対するじゃないですか。

そのときも何度もヴィスさんに来て頂いて、設計のOさんを中心に、「こういうコンセプトでいきます」「こういう効果があります」っていうプレゼンを各所属長とかを集めて直接説明して頂きました。

H.N:
当時の上長席の方はたぶんすごく抵抗があったと思うんですよ。でも僕たちも、伸栄商事さんの今後の方向性のことを考えて、ワークスペースのなかでも示してあげたいって言う気持ちがあって、しつこく説明をさせてもらいました。

千里社長:
そしてやはり増床部分につくったコミュニケーションスペースは、すごく活用されていますね。朝礼だけではなく、社内セミナーでプロジェクターを使ったり、外部の講師の方に来ていただいたり、社内のプレゼンにも使いますし、商品企画の新商品提案会とかも。思いのほか、たくさん椅子も置けますし、大人数で使えて無限大ですね。

H.N:
リフレッシュスペース兼セミナースペースとして作ったスペースなので、使い方によっていろいろなシチュエーションに対応できるんですよ。まさにコミュニケーションスペースだと思っています。

小林氏:
このスペースができたからこそ、いろいろイベントができるようになりましたね。

千里社長:
そうそう。会議室みたいに壁で囲われた空間だけではなく、こういうオープンなスペースでご提案を頂いたのはかなり画期的でしたね。そのうえで、「和室を作りたい」や「プロジェクターを設置したい」など、いろいろ要望を叶えていただいたのでよかったです。和室の壁を取りはずしできるのは本当にフレキシブルですね。いろいろな要望に答えていただいただけでなく、知恵を絞っていただけるところが、ヴィスさんのすごいところかなと思っています。 



■千里社長にとってオフィスとは?

千里社長:
人生の大半を過ごす場所として、社員の皆さんに毎日来ていただいているわけですよね。私は環境というものはとても大事だと思うので、その働く空間、働きやすい職場づくりは私の役割だと思っています。
そして、そこで働いている人が幸せで輝いていることを望んでいます。働き方というのは今いろいろ言われていますが、こちらが社員のためにできることは環境づくりなのではないかと思っているのでオフィスは大事にしたいですね。
「幸せにはたらく」というよりかは、「人生を幸せにしてほしい」という想いがあります。

今回のオフィスは、想っていることがカタチになったオフィスですね。理念と考えとが目に見えてオフィスというカタチになったのは本当に良かったです。来てくださるお客様にもきっと、こんなオフィスで働きたいと思ってもらえると思います。

そしてそれから、随所に愛があふれるオフィスになったと思っています。


H.N:
たしかに愛はたくさん詰まってますね。僕もこのプロジェクトに関われて本当に良かったと思っています。
ありがとうございました。





編集後記

終始笑顔でインタビューに応えていただきました。

千里社長の会社と社員の皆様を想う気持ちと、小林様のそれをなんとしても実現しようとする気持ちをとても感じることができたからこそ、ヴィスの担当PMも不可能を可能にしてプロジェクトを進行することができたのでしょう。

企業理念が具現化し、社内コミュニケーションが増えたオフィス。
それははたらく空間と人々の強い想いが生み出した相乗効果なのだと感じました。