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2017.8.30

CULTURE

オフィス原状回復(事務所原状回復)気になるコストやスケジュールは?

オフィス移転をするときに、現在のオフィスや事務所はどうしますか?引越しをした後のことを想像したことはありますか?もちろん、引越し作業が済んだら今のオフィスや事務所は賃貸契約を終了し、ビルオーナーに明け渡しますよね。マンションなどの賃貸住宅と同じです。

けれども、住宅と大きく違ってくるのが「原状回復」です。オフィス移転の際には新しいオフィスの物件を決めたり、ブランディングやコミュニケーションを考えながらオフィスの内装をデザインを決めたり、引越しの準備をしたり、やらなければいけないことはたくさんあるのですが、それに加えていま居るオフィス・事務所の「原状回復」も忘れてはいけません。


『原状回復』とは

「原状回復」は「ゲンプク」などとも言われますが、簡単にいうと「借りたときの状態に戻す」ということです。入居する際に、会議室を作るために行なった間仕切り工事や、エントランスをオシャレにするために力を入れた造作工事、ときにはオフィス内にキッチンを作るために行なった給排水工事など、これら全てをもとの状態に戻す必要があります。
具体的には以下のような作業があります。もちろん物件や賃貸契約によって違いはありますが、オフィス物件においては100%テナント負担による完全原状回復が基本ですので、「新しく設置したものは撤去する」「移動したものは元に戻す」「使用したものは綺麗にする(新しくする)」ということが求められます。


 ■テナント内の間仕切りの撤去(ドアやガラスなども含む)
 ■床のタイルカーペットの貼り替え
 ■壁のクロス(壁紙)の張替、もしくは塗装
 ■天井ボードの回復、補修、交換
 ■造作物の撤去
 ■照明(配線も含む)の撤去、回復、清掃、管球の交換
 ■床下配線の撤去
 ■配電盤の変更の回復
 ■窓、ブラインドの回復、清掃
 ■残留物の廃棄
 
 など...

この中で賃貸住宅と大きく違うのは、壁のクロスや床のタイルカーペット、照明の管球などは、経年劣化や通常消耗の場合も基本的には全てテナントの負担で新しいものに変える必要があります。ひどい汚れが無くても、故意による破損などではなくても、入居者側に原状回復の義務があると考えておきましょう。(ビルの設備などの故障や清掃などは、ビル負担になる場合も多いので契約書をよく確認してください)


解約期日と原状回復のスケジュール

賃貸住宅を解約する場合は、解約日までに引越しをして明け渡せばよい事がほとんどですが、オフィス移転の場合はそうではありません。オフィス物件の原状回復工事は、契約期間内に終了させなければならず、解約日までに工事が終了できなかった場合(手直しなども含め)には日割りで家賃が発生する場合もあります。ですので、契約期間に併せて余裕を持ったオフィス移転の日程を設定する必要があります。

それでは原状回復工事はどれくらいかかるのでしょうか。
これは、入居時の内装工事と同じく、規模や撤去する内装の作り込みによって変動します。目安としては、100坪程度のオフィスを原状回復する場合に、工事期間として1ヶ月程度必要と考えましょう。
また、あまり作りこみをしていない場合でも、入居時の工事よりも時間がかかると想定しておくほうが良いです。照明器具やブラインドの清掃、床の全面貼替えなど、思いのほか期間を要する作業があるからです。

引越し日は遅くても、解約日の1ヶ月以上前。規模が大きければ、さらに期間を空けれるような移転スケジュールを設定しましょう。

忘れてはいけない原状回復のコスト

オフィス移転のコストを考える際には、この「原状回復」の費用も念頭に置いておかなければなりません。「移転先の物件の契約金」や、「新しいオフィスの内装費用」に目が行きがちですが、原状回復にもそれなりの金額がかかるので、保証金の返還とともに全体の予算を考えるときには必ず把握しておきましょう。

原状回復の費用も、その規模や内装の程度、またビルのグレードなどによって大きく異なります。小規模のオフィスで坪単価3万から5万、100坪以上のオフィスで5万から10万円程度が目安と言われていますが、設備の種類によって大きく異なってくるので気をつけてください。

基本的には、原状回復工事はビルの管理会社が指定する業者で行います。電気工事や設備工事などが関わるので、そのビルに詳しい業者が工事をすることが望ましいからです。

もちろん、ビル管理会社からは適正な見積りが出てくるとは思いますが、原状回復の見積りは内装の知識がないと分からないところもたくさんあります。時には、必要でない作業が含まれていたり、必要以上に工事期間が長く設定されたりして費用がかさんでいる場合もあります。

原状回復はまさにコストです。そんなコストをできる限り削減したいのであれば、一度、内装工事の知識が豊富なプロにアドバイスをもらうと良いでしょう。ヴィスでもお客様の原状回復のコスト削減の実績があります。

また、入居時に原状回復の費用がどれくらいかかるのか、想定の見積りをビル管理会社にもらっておくこともお勧めします。もちろん入居期間中に業者が変わったり市況が変わったりするので、全く同じ金額になるわけではありませんが、いざ移転をしようと思ったときの予算立てにはとても役立つはずです。

原状回復と『居抜き募集』

「居抜き」という言葉をご存知でしょうか?店舗物件を探すときには、しばしば聞かれる言葉です。
「居抜き」とは、退去するテナントが使用していた内装や什器などを、そのまま次の入居者が使用することを言います。飲食店や美容室などでは良くあることで、キッチンや給排水設備の原状回復をすることなく退去者は退去ができ、入居者は設備が整った状態のところに入居ができるので内装工事の費用を大幅に削減し、またオープンの準備にも時間がかかりません。

オフィス物件でもこのようなメリットを活かして、居抜きのオフィスが募集されていることがあります。せっかく内装にこだわり、作り込みをしたオフィスですので、高いお金をかけて壊してしまうのはもったいないですよね。

そんなときに、その内装のままオフィスを使ってくれる企業を募集し、細かい条件などをクリアすることができれば、そのまま新しい企業がそのオフィスを使用できることになります。退去をする側はお金をかけて原状回復工事をする必要がなく、入居をする側はお金をかけてオフィスづくりをする必要がないため、互いに大きなメリットとなります。

もしオフィス移転の際に、原状回復のコストやスケジュールを考える場合には、この「居抜き募集」という案も考えてみましょう。

ただし、この「居抜き」の募集に関してはビルの管理会社やオーナーの理解がないと実現しません。通常の物件契約の場合は、原状回復が必須だからです。
また「居抜き」で入居をする場合には、最終退去時の原状回復の責任の範囲や、現状設備の劣化や消耗などはどちらに責任があるのかなど、明確にしておかなければいけないことも多く、ビルのオーナーは「居抜き」を許可しない場合も多くあります。
メリットがあるぶんリスクもありますので、注意が必要です。


大きなコストだからこそ、はやめに検討を

オフィスの原状回復について、内容、スケジュール、コスト、そして居抜き募集についてご説明をしました。オフィスの移転を考えるときは、新しいオフィスのことで頭がいっぱいになってしまうのですが、その他にも時間とコストを取られることがあるということを覚えておかなければなりません。

原状回復工事も余裕を持って対応すれば、より安く、よりスピーディーに進めることができますので、移転チェックリストをみて予め用意しておきましょう。



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