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企業の生産性や業績アップには、職場環境の向上が欠かせません。しかし、職場環境を向上させるメリットをきちんと理解しておらず、実施する必要性が分からないケースもあるのではないでしょうか。
効果的に職場環境を向上させるためには、改善策・改善計画を立てるメリットを理解したうえで適切な手順に沿って実施することが重要です。本記事では、企業の生産性向上を図るために職場環境の向上に取り組みたいという担当者に向けて、そのメリットや改善する際の手順を詳しく解説します。
職場環境を向上させるメリットとは?改善する時の手順も解説
従業員のモチベーションや集中力を向上させて生産性を高めるためには、従業員を取り巻く職場環境を改善することが不可欠です。そして、効果的に職場環境改善に取り組むためには、そのメリットを理解しておく必要があります。
職場環境を向上するメリットには、以下があげられます。
・従業員のストレスを軽減できる
・社内の人間関係が良好になる
・従業員の離職率が低下する
・個人・組織全体の生産性が向上する
・企業のイメージが良くなる
・優秀な人材確保につながる
一つずつ解説します。
従業員のストレスを軽減できる
職場環境の改善を図ることで、従業員の仕事上のストレス軽減が期待できます。ストレスがかかる状況で仕事をすると、パフォーマンスや生産性の低下を招き、ミスが増える可能性があります。さらに、従業員のメンタルヘルス不調により、欠勤の増加や休職につながるおそれもあるでしょう。
従業員のストレス軽減に取り組むことは、各々の満足度向上に寄与します。さらに、ストレスの少ない環境を構築することで、従業員は仕事に集中でき、パフォーマンスや業績アップも期待できます。
そのため、従業員のストレスの要因となり得る要素については、できる限り早急に対応する必要があります。
社内の人間関係が良好になる
職場環境の改善により、職場の人間関係が良好になる効果もあります。社内の人間関係の悪化は、離職につながりかねない重要な問題です。
誰でも自分の意見を安心して発言できる心理的安全性が確保された職場環境であれば、円滑な社内コミュニケーションや意見交換が可能です。部署を超えたコミュニケーションができることで情報共有が円滑になり、仕事の質や生産性の向上につながったり、新しいアイデアやイノベーションが生まれやすくなったりします。
加えて、社内コミュニケーションが活発化すれば、従業員の相互理解が深まり、さらに良好な人間関係を生みやすくなる好循環も生まれるでしょう。
従業員の離職率が低下する
職場環境の改善により従業員の心身が良好な状態を維持できれば、働きやすく、キャリア形成にも役立つ職場が実現します。そして、従業員のエンゲージメントや満足度を高められることで、離職率の低下につながることが期待できます。
特に、育児や介護と仕事を両立しやすい環境を構築するなど制度面の改善を図ることで、働きやすいと感じる従業員は多くいるでしょう。「この会社で長く働き、貢献したい」という思いから自社に対する愛着が深まり、会社の定着率が改善されます。
従業員の離職率低下は、会社の人手不足が課題とされている昨今において、重要なメリットといえます。
個人・組織全体の生産性が向上する
企業へのエンゲージメントや帰属意識が高まると、従業員がそれぞれのパフォーマンスを発揮しやすくなります。また、社内コミュニケーションや人間関係が良好になれば、チーム間の協力関係が強化され、プロジェクトの推進にも役立ちます。組織力が強化されることで、個人や組織全体の生産性向上が見込める点も、職場環境の向上に取り組むメリットです。
そのほか、物理的環境を整えることも生産性の向上に役立ちます。職場内の湿度や温度、騒音などの環境を改善したり、動線を考えてデスクや機器などの配置を見直したりオフィス環境を整えることで、従業員の仕事に対する集中力やモチベーションアップ、生産性の向上につながります。
企業のイメージが良くなる
職場環境を改善することで、企業に対する評判が良くなるメリットもあります。働きやすい環境を維持すれば離職率の低下が見込め、そうした企業に対する求職者からの評判は高くなるでしょう。また、精力的に仕事に取り組む従業員が多い企業であれば、顧客へのサービスの質も向上します。
快適な労働環境を実現することは、社内からの評価だけでなく、顧客や取引先、株主といったステークホルダーからの信頼を獲得しやすくなります。
職場環境改善に関する情報は、公式サイトやSNSなどのツールを活用して拡散することが可能です。自社の良い情報を効果的に発信していくことで、求職者や顧客などの目に止まりやすくなり、さらなるイメージアップにつながるでしょう。
優秀な人材確保につながる
企業にとって、業績の向上や生産性アップのために優秀な人材の獲得は不可欠です。働きやすい環境を構築し、企業のイメージが良くなることで、求職者数が増える可能性があります。結果として、優秀な人材が集まりやすくなり、新規人材の確保につながるでしょう。
職場環境の良さは、従業員一人ひとりの満足度アップにも効果的です。例えば、育児や介護との両立がしやすい、人間関係が良好であるといった個々の満足度の高さが、企業の高い評判につながります。良い評判が社外に伝わることで、採用希望者の増加につながる可能性も考えられます。
職場環境を向上させる時の手順
職場環境を改善させる効果を理解したところで、きちんとした効果を発揮するためには、具体的な手順をおさえておく必要があります。
職場環境を向上させる際の流れや手順は以下のとおりです。
1.職場内の問題を特定して優先順位を付ける
2.改善策・改善計画を策定・実行する
3.PDCAを回して改善を続ける
一つずつ詳しく見ていきましょう。
1.職場内の問題を特定して優先順位を付ける
職場環境を向上させるためには、現状把握が不可欠です。チームミーティングや面談、アンケート、ストレスチェックなどを実施して現場で起きている問題や課題を洗い出し、分析する必要があります。分析した結果、問題が複数ある場合は、取り組むべき優先順位をつけると効果的です。
チームミーティングや部下との面談などで課題を出していく中で、さまざまな意見に対して批判しないことが重要です。職場環境について、自由な意見を出しやすい環境を構築してください。また、アンケートを実施する際は、部署や年齢、性別などを記載してもらうと、集計しやすくなります。問題を抱えている層の傾向を把握でき、解決につながりやすくなるでしょう。
ヴィスが提供するココエルでは、働く人の幸せを実現するために、社員の心身の健康状況やエンゲージメントを把握することが可能です。組織全体を可視化して現状把握・分析・課題を特定することで、組織の健全化を実現します。
2.改善策・改善計画を策定・実行する
職場内の問題を特定したら、改善策を検討し、実行に移します。このとき、他社での改善策を参考にして、自社で取り入れられそうな方法を選定するとよいでしょう。また、改善計画を立てる際は、継続できる計画を立てることがポイントです。
例えば、従業員同士の連絡がスムーズにできていない場合は、定期的なミーティングの実施や、チャットツールなどのコミュニケーションツールの導入を検討できます。また、通勤時間が長いことがストレスにつながる従業員が多い場合は、テレワーク制度の導入や見直しも検討できるでしょう。
精力的に改善に取り組んでいてもすぐに効果が出なければ、従業員のモチベーションが低下する恐れもあります。改善策を検討する時は、改善内容によって即効性のないケースもあることを周知しておきましょう。改善計画は、組織全体で目的を共有したうえで、長期的な視点に立って継続的に取り組むことが重要です。
3.PDCAを回して改善を続ける
改善策と改善計画を策定して実行したら、PDCAサイクルを回して効果や残った課題のブラッシュアップをします。
一度の取り組みによって、問題がすべて解決するとは限りません。改善策を講じたはずが、以前より状況が悪化している可能性もあり、改善方法によっては不利益が生じるケースもあります。そして、職場環境の改善は、従業員に不公平感を生み出してはいけません。改善した箇所については、中長期的な視点を持って分析と検証を重ねることが重要です。
例えば、通勤時間が長いことがストレスにつながる従業員が多い場合にテレワークを導入した事例では、導入後のパフォーマンスがどの程度向上したのかを検証する必要があります。効果が出ていなければ、再度、改善を図ることが大切です。
まとめ
本記事では、職場環境を向上するメリットや改善するときの手順について解説しました。職場環境を向上することは、従業員のストレス軽減や人間関係の改善、離職率低下などのさまざまなメリットがあります。従業員が抱える問題を一つずつ丁寧に洗い出し、改善策や改善計画を打ち出していくことで、問題解決への糸口が見えてくるでしょう。
職場環境の向上には、オフィスの再構築も不可欠です。ヴィスは、空間づくりにおける知見を用いて、オフィスづくりにとどまらず、企業のニーズに合わせて「はたらく」を包括的に考慮したワークデザインを提供しています。ワークデザイン、オフィスデザイン、オフィス移転・改装・設計についてのお悩みは、お気軽にお問い合わせください。