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セットアップオフィスとは
セットアップオフィスとは、すでに内装工事が完了しているオフィスのことです。セットアップとは「組み立てる」ことを指し、空き室の内装をオフィス向けに整えてから貸し出すスタイルが増えています。
一般的なオフィスの場合、入居するには事前に内装工事を行わなくてはなりません。内装工事を行うには、内装工事の依頼先を選定し、費用の見積もりや工事内容の相談を始める必要があり、工事完了までに2~3ヶ月はかかります。
そのため、急ぎでオフィスを移転したいときでも、数ヶ月は待たなくてはなりません。しかし、セットアップオフィスであれば、すでに内装工事まで終わっているため入居までの期間が最小限で済み、スピーディーにオフィスを移転できます。
内装工事が完了している物件として居抜き物件がありますが、セットアップオフィスと居抜き物件は異なります。居抜き物件では、過去の入居者が整えた内装・設備をそのまま使用します。対して、セットアップオフィスでは、物件オーナーが内装工事を行うのが一般的です。
セットアップオフィスによっては、内装だけでなくオフィス家具などもそろえられていて、入居後すぐに業務を開始できることもあります。
セットアップオフィスのメリット
ここではセットアップオフィスの利用により得られる具体的なメリットを紹介します。
内装工事にかかる手間・時間を削減できる
セットアップオフィスのメリットは、何といっても内装工事の手間がかからないことでしょう。一般的なオフィスでは、入居前に数ヶ月かけて内装工事会社の選定や見積もり、打ち合わせなどを行う必要があります。
一方、セットアップオフィスなら内装工事にかかわる手間と時間を丸ごと削減できます。
すぐに入居できる
セットアップオフィスは内装工事が不要なため、移転完了までの時間を短縮できます。急遽、オフィス移転が必要になったときでもすぐに入居ができ、ネット環境を整備するだけで業務を開始できます。
原状回復費用がかからない
セットアップオフィスを退去するときは、内装を元に戻す必要がありません。原状回復費用や原状回復工事期間に支払う賃料を削減できるため、クリーニングや移転費用だけで済みます。入居時だけでなく、退去時もスムーズな点が特徴です。
オフィス移転の負担を削減できる
セットアップオフィスは入居後すぐに稼働できるため移転時の負担を減らせます。内装のデザイン・レイアウト、オフィス家具などを一から決める手間がかかりません。内装工事に関わる人員や時間を割くことなく、機能的なオフィスが手に入るのはセットアップオフィスの利点です。
社員のモチベーション向上につながる
内装工事済みのセットアップオフィスのなかにはデザイナーズオフィス物件もあります。魅力的なデザインのオフィス環境は社員のモチベーション向上に寄与するでしょう。
採用力の強化につながる
デザイン性の高いセットアップオフィスは、採用ブランディングに役立ちます。求職者に雰囲気の良さや働きやすさを感じてもらいやすくなるでしょう。求職者が「ここで働きたい」と感じられるような良い印象を与えられれば、入社意欲が増すことも期待できます。優秀な人材を確保する面においても、デザイン性の高いセットアップオフィスの利用は効果的です。
セットアップオフィスのデメリット
セットアップオフィスには多くのメリットがある反面、デメリットもあります。メリットとデメリットを比較して、自社に適しているか確認することが大切です。
自由に内装を決められない
セットアップオフィスのデメリットは、自由に内装を決められないことです。「機密性が高い部署専用の個室を作りたい」「来客が多いので、立派な応接室を用意したい」など、企業によってオフィスに求めるものは異なります。一般的なオフィスであれば、こうした希望を踏まえて内装をつくることができます。
しかし、セットアップオフィスの場合は完成された内装をそのまま使う必要があるため、希望に合わせて変更することができません。
賃料が比較的高い
また、セットアップオフィスは賃料に内装工事費が上乗せされるため、一般的なオフィスよりも賃料が高い傾向にあります。内装工事費がかからないことは短期的に見るとメリットではありますが、長期的な利用を考えるとデメリットとなるでしょう。
大規模な物件は少ない
セットアップオフィスに対するニーズは中小規模の物件に集まっており、大規模物件の物件数は少ない傾向にあります。事業拡大や人員増加などにより、広いスペースが欲しい企業だと、希望に合う物件を見つけるのが難しいかもしれません。
セットアップオフィスが向いているのは?
セットアップオフィスにはメリットとデメリットの両方があり、入居に向いていない企業もあります。ここではセットアップオフィスの利用が向いている企業の特徴を紹介します。
入居を急いでいる企業
セットアップオフィスが向いているのは、移転を急いでいて内装工事に時間をかけられない企業です。
通常、オフィスの移転はしっかり計画を立てて、余裕をもって行わなければなりません。
しかし、「急な売上アップで、急いでメンバーを増やす必要がある」「現在入居しているオフィスビルの解体が決まった」などで、急な移転を迫られるケースがあります。このようなときには、内装工事完了を待たずに入居できるセットアップオフィスが便利でしょう。
近いうちにオフィス移転する可能性が高い企業
セットアップオフィスは入居時、退去時の負担が少なく、短期間で移転可能な物件です。数年後に移転する可能性があり、今後社員数が大幅に増える見込みがあるスタートアップ企業や、事業拡大に積極的に取り組むベンチャー企業に向いています。
また、新拠点を探している大手企業にもおすすめです。例えば、東京に本社をもつ大手企業が大阪に新拠点を設立するケースがあげられます。スタートアップ企業やベンチャー企業と同様に、人員の増加が見込まれる場合の選択肢としておすすめです。
初期費用を抑えながら信用度の高いオフィスを確保したい企業
セットアップオフィスは入居時の内装費用がかからないため、初期費用を抑えながらグレードの高いオフィスを確保したい企業に向いています。とくに、費用を抑えて素早く移転したいベンチャー企業にはメリットが大きいでしょう。
セットアップオフィスの企業事例3選
ここでは、企業向けに内装工事が完了しているセットアップオフィスの事例を3つ紹介します。
事例1.ビル全体で統一感のあるデザインに
渋谷東プロパティ社のセットアップオフィスです。築40年を経過したビルのリニューアルにあわせたもので、外観とオフィス空間の内装に同色や同素材を使用。ブロンズの色味やデザインテイストを統一して、機能的で洗練された雰囲気を演出しています。
3階と9階で家具や証明をカスタムでき、入居する企業が自社らしさに合わせて空間をレイアウトしやすいように配慮されています。また、オフィス内にドライパントリーや打合せブース、WEBミーティングブース、窓向きカウンターを設け、入居する企業の多様な働き方の実現をサポートしています。
オフィスビル全体で統一感のあるデザイン。多様な働き方ができるセットアップオフィス
事例2.企業規模に応じたコンセプトデザインに
ひとつめは、秋葉原プロパティー社のセットアップオフィスです。セットアップオフィスには、内装を自由に変更できないというデメリットがありますが、こちらのセットアップオフィスは入居企業が自由にレイアウトを組めるよう、余白を残してあります。
また、柱部分のマテリアルのブリックタイルや、個別ブースの6色の特殊塗装など、洗練されたデザイン性が感じられる空間に仕上げました。
さらに、外部ファサードやリフレッシュエリアの緑化など、内装以外のデザインもご提案しています。
入居テナントの成長に合わせコンセプトデザインされたセットアップオフィス
事例3.伝統とテクノロジーを感じさせるイノベーションハブ
平和不動産株式会社様が所有する物件を、セットアップオフィスとして生まれ変わらせた事例です。三菱UFJフィナンシャルグループ様のラボオフィスとして使用されています。
伝統×テクノロジーをコンセプトに、質の高いテイストを残しつつ、タブレットで照明の色温度・照度をコントロールできるようにするなど機能性の高さにもこだわっているのが特徴。
フロアごとにテーマが異なるイノベーションハブを意識した空間に仕上げており、B1Fは多目的スペース、2Fはコワーキングスペース、3Fはプロジェクトスペースとして使用できます。
金融発祥の地に誕生。フィンテックを加速させるソーシャルラボオフィス
セットアップオフィスへの入居をお考えなら
ヴィスが提供する「The Place(ザ プレイス)」は、新しい働き方に合わせたデザインをワンストップで設計した、シェアオフィス・オフィスを含むワークプレイスです。
シェアオフィスとしてはもちろん、内装デザイン・内装工事を完了させたセットアップオフィスとしての契約も可能です。
自社オフィスとなる空間のほかにコワーキングスペースや屋上などの共用スペースがあり、自由な使い方を実現できます。自社に最適な働き方を見つけるパイロットオフィスにもぴったり。
また、立地の良い場所で契約面積よりもゆとりあるオフィス環境を手に入れられるため、マーケティングの拠点としても効果的です。
The Placeは、大阪メトロ心斎橋駅・四ツ橋駅のふたつの駅から徒歩3分の立地にあります。入居・内覧希望の方はお気軽にお問い合わせください。
まとめ
内装工事が完了した状態で貸し出されるセットアップオフィスは、急ぎでオフィスを移転する必要があるときに便利です。便利な場所におしゃれで機能的なオフィスを構えたい、スタートアップ企業にも向いています。
ただし、一般的なオフィスとは違って自由に内装を変更できなかったり、賃料が高めであったりといったデメリットもあるので、今後の事業展開と照らし合わせたうえで利用を検討しましょう。