職場環境が悪い会社の特徴とは?働きやすい職場を作るための改善策も解説

本記事では、職場環境が悪い原因や企業への影響、職場環境を改善する方法について解説します。職場環境を改善することで、従業員がモチベーションを維持して快適に働けるようになり、生産性の向上や企業成長が期待できます。

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職場環境が悪いと、従業員が本来持っているはずの能力を発揮できず、ストレスが増えて生産性の低下や人材の流出につながるリスクがあります。職場環境が悪化する原因は多岐にわたるため、適切な改善策に取り組む必要がありますが、方法や進め方がわからず悩んでいる企業担当者の方もいるでしょう。

本記事では、職場環境が悪い原因や企業に与えうる影響、職場環境を改善するための対策法について詳しく解説します。従業員が働きやすい職場づくりにぜひお役立てください。

職場環境とは?

職場環境とは、従業員が仕事をする環境を取り巻く要素の総称です。物理要素・心理要素・業務要素の3つがあり、具体的には以下のような要素が含まれます。

・物理的要素:レイアウト・動線・照明・湿度・温度などの設備や衛生面
・心理的要素:上司や同僚との関係、職場の雰囲気、社内文化
・業務的要素:賃金・労働時間・福利厚生などの労働条件や仕事量、勤務時間、プレッシャー

良好な職場環境を構築するためには、これらの要素を考慮し、適切に対策を講じることが重要です。

職場環境の悪い会社の特徴

悪い職場環境によくある特徴として、以下の項目が挙げられます。いずれか1つでも当てはまる場合、従業員が職場環境にストレスを抱えている可能性があるため、注意が必要です。

・業務量が多すぎる・高すぎる目標が設定されている
・コミュニケーションエラーが頻発している
・個人プレイが横行している
・失敗やミスが許されない
・オフィスが整理整頓されていない

各項目について詳しく説明します。

業務量が多すぎる・高すぎる目標が設定されている

業務量が多すぎる、厳しいノルマが課されるような職場では、雰囲気が悪くなります。過剰な業務量をこなさなければならない場合、残業や休日出勤が常態化することで十分に休む時間を確保できなくなり、心身の不調を招く可能性があります。

また、明らかに勤務時間中に達成できないノルマが課せられていると、ストレスや過労からモチベーションや生産性が低下します。愚痴の言い合いや人間関係のこじれにつながるリスクもあるケースもあるでしょう。

ハラスメントやいじめが発生している

ハラスメントやいじめなどが発生しても、放置されているような場合、職場環境は悪化します。性的なからかいや不必要な身体の接触などの言動により、不利益を受けるセクハラや、地位や人間関係の優位性を利用して精神的・身体的苦痛を与えるパワハラは、深刻な社会問題となっています。

また、直接的な暴力だけでなく、陰口や暴言のような行為も含まれます。被害を受けている本人だけでなく、周囲の社員も恐怖や不安を感じやすいため、単に職場の雰囲気が悪くなるだけでなく、働く人にとって精神的に劣悪な環境にあるといえます。

コミュニケーションエラーが頻発している

コミュニケーションエラーとは、仕事が忙しすぎる、コミュニケーションの習慣がないなどの理由で起こりやすいエラーのことです。情報伝達が疎かになり、間違った伝え方や誤った解釈があると、コミュニケーションエラーが頻発し、発信側と受信側双方がストレスを感じます。

また、コミュニケーション不足によりチームでの連携が阻害され、ミスの増加や業務効率の低下につながる場合もあります。人間関係が希薄になり、孤立感を抱える人もいるでしょう。

個人プレイが横行している

個人プレイは、業務の属人化を進める原因となります。特定の従業員に業務や責任が集中する属人化の状態が続くと、個人の負担が大きくなるため心身の疲労が蓄積し、体調不良のリスクが高まります

また、協調性が乏しく、一人で作業する傾向の強い人は、チーム内でコミュニケーションを取りながら連携する意識が乏しい傾向があります。そのため、プロジェクトがスムーズに進まなくなり、業務効率の低下や人間関係の悪化など職場環境全体に悪影響を及ぼすでしょう。

失敗やミスが許されない

失敗やミスが許されないような職場環境では、誰でも働きにくいと感じるものです。小さなミスをすると猛烈な批判を受けたり評価に影響したりすれば、不安や恐怖を感じ、本来のパフォーマンスを発揮できないことは容易に想像できるでしょう。

また、自分の意見や気持ちを伝えることを躊躇するようになるため、コミュニケーション不足を招く可能性もあります。チャレンジする意欲を失い、原因を分析して次に生かすといった行動も取れなくなり、成長まで止まってしまうでしょう。

オフィスが整理整頓されていない

オフィスが片付いていないと、従業員のモチベーションや生産性が下がります。資料や備品が放置されている、デスクや作業スペースの掃除が行き届いていないといった状況では、注意力が散漫になったり必要な書類が紛失したりと快適に働くことはできません。

環境と犯罪との関係性を表した「割れ窓理論」は、職場環境にも適用されると言われており、片付いていない場所が1つでもあれば、その状態が習慣化され、いずれ社内全体に悪い状態が広がります。そもそも整理整頓がされていないオフィスでは、作業効率が下がり生産性の低下につながります。

職場環境の問題が企業に与える悪影響

職場の雰囲気が悪いと、企業にとっても大きなデメリットがあります。職場環境の問題によって起こり得る悪影響として、主に以下の項目が挙げられます。

・従業員のメンタルヘルス不調
・休職者・離職者の増加
・生産性の低下
・企業イメージの低下
・損害賠償リスクの発生

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

従業員のメンタルヘルス不調

職場環境が悪いと、そこで働く従業員がメンタルヘルス不調に陥る可能性があります。職場に対して不満や不安、恐怖を抱えている状態が続けば、心身の疲れが取れない、寝不足で朝起きられない、感情が不安定になるなどさまざまな不調を引き起こします。

また、うつ病や自律神経失調症などの症状につながる恐れもあるでしょう。イライラや不安、焦燥感が増幅して、判断力や思考力、モチベーションが低下する場合もあります。

休職者・離職者の増加

過大な業務量やハラスメント、コミュニケーションエラーといったストレス要因が多い職場環境では、休職者や離職者が増えます。雰囲気の悪い職場では、離職率が上昇し、人手不足が加速します。

また、残っている従業員の業務負担が増加し、職場環境がさらに悪化、求職者や離職者がより一層増加する、という負のサイクルに陥ってしまうでしょう。

生産性の低下

ハラスメントやいじめが頻発し、失敗やミスが許されない環境では、心理的安全性が下がってしまいます。心理的安全性とは、チーム内で安心して発言や提案ができる状態です。

心理的安全性が低い職場では、生産性が下がることがGoogleの調査「プロジェクトアリストテレス」で判明しています。従業員が不安や恐怖を抱えながら働くような職場環境を放置しているとパフォーマンスも下がり、企業の成長を阻害することになるでしょう。

企業イメージの低下

休職者や離職者が多く、退職者からの評価が低い企業は、社会的信用を損なう可能性があります。離職者の口コミや担当者の交代などにより、職場環境に何かしらの問題があると思われやすく、企業イメージがダウンすることが考えられます。

求職者からのイメージが悪くなれば、採用活動に悪影響を及ぼすでしょう。また、企業そのもののイメージは、取引先や顧客からの評価にも直結するため、業績悪化にもつながります。

損害賠償リスクの発生

ハラスメントやいじめを放置した場合、企業は損害賠償請求を受けるリスクがあります。職場でハラスメントを受けた被害者は、企業に対して加害者の使用者責任や安全配慮義務違反などによる賠償責任を問うことができる場合もあります。

問題を解消しなければ法的責任を問われるだけでなく、企業イメージにも深刻な影響を与えるでしょう。

職場環境を改善する方法

職場環境の悪化を避け、改善するためにはどのような対策が有効なのでしょうか。ここでは、職場環境の改善策として、以下の方法を紹介します。

・社内コミュニケーションを活性化する
・業務負担・働き方を改善する
・評価基準を見直す
・オフィス空間を再構築する

各項目について詳しくみていきましょう。

社内コミュニケーションを活性化する

円滑なコミュニケーションは、チームの連携を高め、心理的安全性の確保に直結します。また、社員のモチベーションがアップし、離職率の低下や生産性の向上にも寄与します。

社内のコミュニケーションを積極的に取る仕組みを整えましょう。具体的には、コミュニケーションツールの導入や社内イベントの実施などが挙げられます。また、オフィス内の動線を変更することで、普段関わることのない部署の従業員とも関わりができ、新しいアイデアやイノベーションが生まれる可能性もあります。

業務負担・働き方を改善する

従業員の業務量や働き方を見直すことも重要です。勤務時間内に無理なく完了できるタスク量を確認し、過剰な仕事を抱えている人やチームがあれば、作業手順の再調整や人員の再配置を行いましょう。

また、長時間労働の対策として、ノー残業デイの設定や繁忙期の人員配置の見直しも有用です。AIシステムやITツールを導入することで、業務の自動化や効率化が促され、業務プロセスの改善にもつながります。

評価基準を見直す

従業員の能力を最大限に活かしつつ、組織としての成果を最大化するためには、チームプレイを優先する評価基準を設定し、社内体制を整える必要があります。

個人の成果を重視しすぎる人事評価システムでは、個人プレイを促進してしまい、属人化やチームワークの損失を招く可能性があります。個人の成果には限界がありますが、チームで連携すればより大きな成果が期待できます。評価基準や目標設定の仕方を見直し、チームで同じ目標に向かって協力し合える体制を築くことが大切です。

オフィス空間を再構築する

オフィスの空気の質や照明、音の大きさ、動線などの環境要素が良くないと、従業員が快適に過ごせないため、快適さが下がってしまいます。そのため、空調の整備やオフィス家具の性能、配置の見直しなどを行い、従業員が働きやすい環境づくりに取り組むことが大切です。

また、休憩スペースやリフレッシュスペースを配置すればメリハリが生まれ、集中力の向上やコミュニケーションの活性化につながります。併せて、社内美化のルール構築や取り組みを徹底することで、快適な職場環境を維持できるでしょう。

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まとめ

職場環境は、物理的な要素だけでなく、人間関係や労働条件など複数の要素で構成されています。職場環境が悪いと、従業員のメンタルヘルスやモチベーションの低下、離職率の上昇、企業イメージの低下などさまざまなリスクがあるため、適切な対策を講じる必要があります。

今回紹介した職場環境の改善アイデアを参考に、職場環境を見直し、従業員が気持ちよく働けるオフィス空間の構築に取り組みましょう

ヴィスは、空間づくりにおける知見を用いて、オフィスづくりにとどまらず、企業のニーズに合わせて「はたらく」を包括的に考慮したワークデザインを提供しています。ワークデザイン、オフィスデザイン、オフィス移転・改装・設計についてのお悩みは、お気軽にお問い合わせください。

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