職場環境改善アイデア15選!改善の取り組みに成功した事例も紹介

職場環境を改善することで、社員が快適な環境で業務に集中でき、生産性向上につながります。本記事では、職場環境改善に必要なアイデアと企業の成功事例を紹介します。自社に最適な方法で職場環境改善に取り組みましょう。

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職場環境の改善により、社員が快適に過ごせる環境を提供でき、生産性向上が期待できます。しかし、実際にどのようにして取り組めばよいのかわからないケースも多いはずです。

本記事では、職場環境改善の豊富なアイデアと企業の成功事例を紹介します。やみくもに職場環境改善に取り組むと、思うような効果が出ない可能性があります。自社の事業内容や社風、目指す企業としてのあり方に合わせて、効果的な方法で取り組むことが大切です。本記事で解説する内容を踏まえて、自社に最適な方法によって働きやすい環境を構築しましょう。

職場環境を構成する要素

職場環境の改善を図るためには、まず職場環境がどういった要素で成立しているのか知ることが重要です。

職場環境は、以下の要素で構成されています。

・物理的な要素
・心理的な要素
・業務的な要素

1つずつ確認しましょう。

物理的な要素

職場環境の要素として挙げられるのが、照明やレイアウト、導線、湿度・温度といった物理的な要素です。これらの要素は職場環境の基礎となり、整備することで社員が快適な環境で業務に取り組めるようになるため、業務の生産性向上が期待されます。

例えば、人間工学を考慮したオフィス用の家具や設備を取り入れることで社員の疲労軽減につながるでしょう。また、リフレッシュスペースを設ければ、リラックスして仕事に取り組めることから、創造性が高まります。

心理的な要素

上司や同僚との人間関係など、心理的な要素も職場環境を左右する要素です。社内のコミュニケーションを活性化させることでチームワークの改善が期待されます。また、意見を言いやすい雰囲気を作れば、業務の効率化が見込めるでしょう。

一方、心理的な要素が整っていないと、多くの弊害が生じます。とくにハラスメントが横行しているケースでは、社員のメンタルヘルスの不調や離職につながる可能性があります。生産性の低下を招き、納期の遅延や業務品質の劣化といったパフォーマンス低下につながりかねません。

業務的な要素

業務的な要素とは、仕事量や勤務時間、仕事へのプレッシャーといった業務に関する要素です。その他、賃金・労働時間・福利厚生といった労働条件面も含まれます。当たり前ではありますが、長時間労働にも関わらず賃金が低い職場は快適とはいえません。

ワークライフバランスを取れる環境であれば、社員の業務負荷を軽減でき、業務効率が向上します。

関連記事:職場環境が悪い会社の特徴とは?働きやすい職場を作るための改善策も解説

職場環境改善アイデア15選

職場環境の改善により、業務効率の向上や離職率の低下などプラスの効果が期待されます。ただし、実際に良い結果を出すためには、オフィス空間の整備や人間関係の構築、仕事への負荷軽減、労働条件の改善など、具体的にどのようなことを進めればよいのか知ることが重要です。

ここからは、職場環境の改善を図るためのアイデアを紹介します。

・オフィスレイアウトの変更
・空調・照明の調整
・音環境の整備
・休憩スペースの拡充
・社内清掃ルールの徹底
・健康増進サポートの実施
・コミュニケーションツールの導入
・社内イベントの開催
・ハラスメント防止研修の実施
・社内相談窓口の設置
・業務量平準化の推進
・業務効率改善ツールの導入
・フレキシブルな働き方の採用
・勤務時間・タスクの見える化
・評価制度と報酬制度の見直し

自社で導入できそうなアイデアを見つけましょう。

オフィスレイアウトの変更

デスクのレイアウトや導線を見直すことで、職場環境の改善が見込まれます。

業務内容やシーンに応じて適切にレイアウトを整備することが重要です。集中して業務に取り組みたい場合に活用できる集中ブースやオープンミーティングに利用できるエリアなど、用途に応じたスペースを確保すれば、メリハリを持って仕事に取り組めます。また、電源やケーブル類は見えない設計にすることで、見た目がスッキリとするだけでなく、つまづいたり引っかかったりして転倒するリスクを低減させ、安全性向上に適したレイアウトが実現するでしょう。

さらに目的地までの経路を整えたり、通路に幅を持たせたりするなど、導線を考慮してレイアウトを設定することも重要です。各設備までアクセスしやすく、目的地までストレスなく移動できることを意識しましょう。

空調・照明の調整

空調や照明を見直すことで、快適な環境を実現することが可能です。事務所衛生基準規則によると、温度と湿度に関して以下のように適正基準が定められています。

・温度18~28℃
・湿度40~70%

生産性を重視する場合は、室温は22~24℃を目安とするのがおすすめです。

また、業務効率を重要視した場合のオフィス照明の最適な色温度は4,000~5,000Kとされており、エリアや用途によって変わります。色温度とは、光の色相を示す基準です。色温度が低いと黄色やオレンジといった暖かみのある色味となり、高いと青みがかった色味となり冷たさを感じます。社内の雰囲気や業務の目的などに沿って、適切に調整することが重要です。

ニオイについても問題になりやすいため、定期的な換気や空気清浄機の設置を行いましょう。

音環境の整備

オフィス空間の音環境も職場環境改善のために考慮すべきポイントです。

仕事中はパソコンのタイピング音やオフィス設備の稼働音、人の話声など周囲の音が響いていると、人によってはフラストレーションが溜まり、作業効率が低下する原因となります。一方、静かすぎても小さな音が響いてしまい、落ち着かない人は多いものです。息抜きのために同僚と雑談をしようとしても、周囲が静かすぎると話しづらくなり、社員同士の交流も減るでしょう。

BGMや空間音響など適度な音を取り入れることで、職場環境が改善します。さらに、WEB会議や通話するためのブースを設置することも効果的です。エリアごとに適した音響デザインを検討しましょう。

休憩スペースの拡充

社員の心身をリフレッシュさせるために、休憩スペースを完備することも職場環境の改善に欠かせません。業務効率性を向上させるためには、心身がリラックスできる時間を設けることが大切です。また、社員同士のコミュニケーションが促進され、新しいアイデアを生み出すきっかけになります。

休憩スペースを設ける場合は、業務スペースとの区別が重要です。業務と休憩とのメリハリをつけられるため、仕事に集中して取り組めるようになります。

その他、緑や石など自然を感じさせるバイオフィリックデザインを施すことで、ストレス緩和効果が期待できます。カフェスペースを設けて、休憩だけでなくミーティングや作業を行う場所として活用することも業務効率化に効果的です。

社内清掃ルールの徹底

衛生的で整理整頓されたオフィス空間は、社員の仕事に対するモチベーションアップや生産性向上に不可欠です。「整理」「整頓」「清潔」「清掃」といった4Sを心がければ、ものを探す手間や時間を軽減でき、効率的に業務を進められます。

また、社内清掃を徹底することで、社員が働きやすくなる他、社外からのイメージも高まるでしょう。訪問者が立ち入るのは、おもにオフィスのエントランスや応接室、会議、トイレなどです。常に清掃された明るい雰囲気を印象づけるためにも、毎朝全社員で5分間清掃する時間を設けるなど、簡単なもので良いので社内清掃ルールを設定・徹底しましょう。

健康増進サポートの実施

企業が社員の健康管理を経営的な視点から積極的に行う「健康経営」は、生産性向上につながるとして注目されています。心身ともに健康な状態で仕事に取り組むことは、生産性向上に役立つでしょう。

健康な社員が増えることで、社内が活性化し、積極的な姿勢で仕事に取り組めるようになります。また、健康経営を進めることで健康経営優良法人に認められれば、企業のブランドイメージ向上にも役立つでしょう。

健康増進サポートには、具体的には以下が挙げられます。

・卒煙支援や社内ジムの設置
・栄養やカロリーを考えた食事提供する社食の設置
・医療職による面談
・社外相談窓口の紹介 など

コミュニケーションツールの導入

社内の情報共有に不可欠な社内コミュニケーションツールを導入することで、チームワークや生産性の向上、コミュニケーションの活性化が期待されます。

例えば、チャットツールやWeb会議ツールを活用すれば、場所を問わず気軽にコミュニケーションを取ることができます。社内SNSを用いれば、社内報と比較して意見を発信・反応しやすい環境を構築できます。

社内イベントの開催

社内イベントを年に数回といった頻度で開催して社員の交流の輪を広げれば、社内のコミュニケーション活性化が見込めます。仕事以外の場面でのコミュニケーションを促進すれば、職場の雰囲気が明るくなるでしょう。仕事においても意見を言いやすくなり、団結力が高まります。生産性や業務効率の向上も期待できるでしょう。

具体的には、ランチ交流会や忘年会、バーベキューなどの季節イベント、懇親会などの実施が挙げられます。

ハラスメント防止研修の実施

職場環境の改善には、ハラスメントが横行しないように研修を実施してきちんと防止していくことが必要です。ハラスメントが発生すると、離職率の増加や生産性低下といった多くの悪影響を及ぼします。企業には法的責任が生じることもあり、イメージダウンにつながるリスクもあります。

まずは、ハラスメントの定義を確認し、誰もが当事者となり得るリスクを含んでいることを理解する必要があります。職場の人権意識を高め、意識的に防止していく姿勢が重要です。

ハラスメント発生時の対応や被害者へのフォロー、加害者への処分をルール化するなど、研修以外の対策にも取り組みましょう。

社内相談窓口の設置

業務効率改善や生産性向上には、職場の人間関係が大きく影響します。ハラスメントやいじめなど人間関係の不和をなくしていくために、相談できる窓口の設置やカウンセリングサービスの提供が効果的です。

また、相談対応者の研修を実施することも欠かせません。相談された際の対応マニュアルを作成し、事案に応じて適切に対応していくことが大切です。ハラスメントにより負の連鎖が生じないよう、一つひとつの事案を形骸化させない努力が求められます。

業務量平準化の推進

特定の社員にだけ業務が偏ってしまうと、ミスや判断遅延といったトラブルを招きやすくなります。属人化してしまうリスクも考えられるため、業務量平準化を進めることも重要です。

平準化を推進して全社員の労力や負荷をバランスよく分散させられれば、社員の不満やストレス緩和につながります。さらに、残業時間軽減や生産性の向上、トラブルの防止などさまざまなメリットが期待できるでしょう。

業務の平準化を効果的に推進するためには、業務のマニュアル化や専門的な知識の教育、個人の役割の明確化などが必要です。

業務効率改善ツールの導入

職場環境改善には業務の効率化が欠かせません。そこで、業務内容に即した業務効率改善ツールの導入でIT化を進めることが効果的です。

業務効率改善ツールには主に以下があります。

・RPA
・タスク管理ツール
・ペーパーレス化ツール
・クラウドストレージ
・業務ソフト など

RPAとは、人が日常的にパソコンで行っているルーチンワークを自動化するものです。事前に処理手順を登録しておくことで、人が作業をするのと同じように実行できます。そのほか、複数の人でタスクを共有できるタスク管理ツールや、紙の使用量を軽減して効率化を図るペーパーレス化ツール、オンラインサーバ上でデータを管理できるクラウドストレージなどの導入も効果的です。業務ソフトを活用すれば、会計や給与計算といった基幹業務における負荷も軽減できるでしょう。

ただし、導入時は、セキュリティ対策や研修の実施が欠かせません。マニュアルを整備して、トラブルを防止する対策が必要です。

フレキシブルな働き方の採用

職場環境の改善には、社員が働きやすい環境を構築する必要があります。企業は結婚や出産、育児、介護などといったライフスタイルの変化に応じた柔軟な働き方をサポートすることが大切です。

具体的には、以下のような対応が考えられます。

・テレワークの導入
・フレックスタイム制の導入
・時差出勤制度の導入
・副業兼業の容認
・利用しやすい休暇制度の導入 など

多様な働き方が実現すれば、社員のモチベーション向上、生産性向上、離職率低下などのメリットがあります。

勤務時間・タスクの見える化

業務内容や勤務時間を可視化することで、長時間労働や過重労働の防止につなげられます。

パソコンの操作時間を記録したり、退勤管理システムを導入したりすることで、社員の業務時間を見える化することが可能です。労働時間や残業時間を開示して、会社全体で目標と結果を共有しながら業務時間削減に取り組む方法もあります。

また、社員の業務内容とスケジュールを可視化すれば、無駄な業務フローを早期発見でき、業務改善につなげられます。

ITツールを上手に活用して、社員の勤務時間や業務内容を客観的に管理することが大切です。

評価制度と報酬制度の見直し

適正な評価制度と見合った報酬制度を整備することで、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上が見込めるでしょう。

評価基準が不明瞭で評価者の主観に依存してしまうと、社員の不満やストレスにつながります。納得感のある評価基準に加え、公平に報酬が行き渡るような透明性のある制度構築が必要不可欠です。

また、適正な評価制度と報酬制度を構築するだけでなく、適切なタイミングでのフィードバック面談も欠かせません。評価理由を丁寧に説明して、社員の納得度を高めることが大切です。

職場環境改善に成功した企業事例

職場環境を改善するには、自社の方針や業務内容などさまざまな要素を考慮して適切に実施することが大切です。最後は、職場環境を改善した企業の事例を紹介します。

株式会社クレディセゾン

株式会社クレディセゾンでは、生産性向上の機能を高めるため従来のオフィスデザインのイメージを一新。集中して作業に取り組めるスペースやリフレッシュスペースを設け、ゾーンごとに使い分けられる設計が特徴です。

社員全員が、よりよい職場環境構築のために良い点と悪い点を考え、柔軟にアップデートしていきたいという想いが込められています。働きやすい職場環境が構築され、多様なワークスタイルがみられるようになりました。生産性と満足度の向上を実現しています。

参考:株式会社クレディセゾンの事例

株式会社富士薬品

株式会社富士薬品では、多様なバックグラウンドを持つ人が能力を発揮できる職場づくりに注力しています。例えば、フレックスタイム制・リモートワークの導入や時間有休の導入、定期的な社員調査の実施などを行っています。

さらに、育児や介護をしている社員の労働時間を削減するなど、日常生活と仕事の両立も支援しています。IITツールの活用も積極的で、コミュニケーションツールや業務管理ツール、RPAを導入しているので、多様な働き方への対応が可能です。

まとめ

本記事では、職場環境改善を効果的に実施するためのアイデアと、成功している企業事例を紹介しました。職場環境が改善されると、生産性向上や社員のモチベーションアップ、離職防止、企業イメージの向上といったさまざまな効果につながります。

そうした効果を実感するためには、オフィスレイアウトの変更や社内コミュニケーションの促進など多様なアイデアの中から、自社に最適な方法を選択することが不可欠です。実際に成功している企業事例も参考にしながら、社員にとっての働きやすい環境を構築してみてください。

ヴィスは、空間づくりにおける知見を用いて、オフィスづくりにとどまらず、企業のニーズに合わせて「はたらく」を包括的に考慮したワークデザインを提供しています。ワークデザイン、オフィスデザイン、オフィス移転・改装・設計についてのお悩みは、お気軽にお問い合わせください。

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