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働きやすい職場環境は、空間のレイアウトや設備だけでなく、良好な人間関係や適正な業務量、勤務時間、公平な人事評価などの要素が相まって、総合的に作られるものです。ただ、「職場環境を改善するために何から始めればいいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
本記事では、働きやすい職場環境に共通する特徴を解説するとともに、快適な環境を実現した企業事例を紹介します。オフィス環境を整備し、従業員の満足度やエンゲージメントの向上など目的達成に向けてぜひお役立てください。
働きやすい職場環境づくりとは？
職場環境には、オフィスの空間や設備、労働条件、人間関係、業務量のバランスなど、さまざまな要素が含まれます。働きやすい職場環境づくりとは、単に設備を整えるだけではなく、従業員一人ひとりがパフォーマンスを発揮でき、心身ともに健康的に働ける環境を構築することを意味します。
企業が働きやすい職場環境を作ることで、次のようなメリットが期待できます。
・生産性の向上：集中して働けるため、業務効率が上がる
・従業員のモチベーションアップ：正当な評価や柔軟な働き方によって意欲が高まる
・離職率の低下：社員が長く、安心して働きやすいため定着率が向上する
・企業イメージの向上：優秀な人材の採用に有利になる
働きやすい職場環境の8つの特徴
働きやすいと感じる職場環境の主な特徴として、以下の8つが挙げられます。
・立場に関わらず社内コミュニケーションがスムーズに行える
・福利厚生が充実している
・適切な業務・業務量が各人に任されている
・公正かつ透明性のある人事評価制度が構築されている
・マニュアルや教育体制が整っている
・働き方を柔軟に選べる
・適正なオフィス環境が整っている
・リラックスできるスペースがある
職場環境の改善を考えている企業様は参考にしてください。
立場に関わらず社内コミュニケーションがスムーズに行える
上司・部下などの立場や部門を問わず、誰でも気兼ねなく意見をやり取りできる職場には、自然と安心感が生まれます。社内のコミュニケーションが活発な職場は、心理的安全性が高まりやすく、良好な人間関係を構築することが可能です。
チームで協力して仕事を進めやすくなるため、組織全体のパフォーマンスや業績の向上が期待できます。また、柔軟な対応によるミスやトラブルの防止、新しいアイデア創出にもつながります。
福利厚生が充実している
福利厚生が充実している職場は、働く人に安心感をもたらします。近年は、安定性の判断材料として福利厚生の充実度で就職先を決める学生が増加しており、各種制度の導入と整備に力を入れる企業も多く見られます。
特に住宅手当や通勤・ガソリン補助、資格取得支援といった法定外福利厚生が整っていると、経済的な不安が軽減されるため、エンゲージメントや定着率の向上につながります。また、スポーツ施設や娯楽施設の割引制度なども人気です。有給休暇や長期休暇の取りやすさも、長く働き続けたいと感じられる環境を作るために重要です。
適切な業務・業務量が各人に任されている
個人の能力やキャパシティに応じて、適切な業務が任されている職場では、仕事に対する満足感が高まるものです。
業務過多やチーム内での業務量の偏りがあると、仕事がスムーズに進まなくなる上、従業員のモチベーション低下やストレスによる心身の不調などを招く可能性があります。反対に、管理職の目が行き届いている職場では、一人ひとりの努力や成果がしっかりと評価されるため、個人がパフォーマンスを発揮しやすくなります。
公正かつ透明性のある人事評価制度が構築されている
働きやすい職場には、公正で透明性のある人事評価制度が不可欠です。明確な評価基準に基づき、個々の成果や努力が正当に評価され、待遇や報酬に反映される仕組みが整っていると、従業員がモチベーションを維持しやすくなります。また、自分が適正に評価されていると感じられれば、企業へのエンゲージメントの向上にも寄与します。
人事制度の基準やルールを明確化し、評価者が一貫性のある評価を実施する体制を確立することが重要です。
マニュアルや教育体制が整っている
働きやすい職場では、教育体制が確立され、従業員が前向きに仕事に取り組める環境が構築されています。人材育成のマニュアルや研修制度により、人材を大切にする企業であることを明確に提示できるため、従業員の意欲向上につながります。
また、業務の属人化を防ぎ、誰でも一定の品質で仕事ができるようになる環境が整備されることで離職率の低下も期待できます。さらに、従業員のキャリア形成やスキルアップを支援できる点もメリットです。
働き方を柔軟に選べる
多様な働き方が認められている職場は、個人のライフステージや価値観などに応じて、働く時間や場所を柔軟に選択できます。
リモートワークやフレックスタイム制、時短勤務などの制度が整備されていれば、プライベートと仕事の両立がしやすくなります。子育てや家事、介護などがあっても仕事を続けられるため、キャリア形成を継続でき、将来への不安が軽減されるでしょう。また、自分らしい働き方が実現でき、従業員の満足度や定着率の向上にもつながります。
適正なオフィス環境が整っている
適切なオフィス環境は、従業員の健康と生産性を支える大切な基盤であり、働きやすい職場にとって欠かせない要素です。室内の温度や湿度を適度に調整するとともに、目に優しい照明、清潔な空気、作業スペースの整備などにより、従業員の集中力アップや疲労軽減につながります。
また、デスクや椅子などのオフィス家具、通信環境などのインフラに加えて、リモートワークで必要なツールやセキュリティ体制を完備することも重要です。
リラックスできるスペースがある
働きやすい職場づくりでは、業務の合間に心身を休められるリフレッシュスペースの設置も大切です。静かに過ごせるソファ席やカフェ風の空間、気軽に会話ができるラウンジなど、気分転換のためのスペースを作ることで、オンオフの切り替えがスムーズになります。
その結果、集中力の向上や新しいアイデアの創出といった効果が期待できます。また、ストレスが軽減され、離職率の低下にもつながるでしょう。多様な働き方や業務ニーズに対応できるオフィスレイアウトを実現するためにも、リフレッシュルームの設置が有用です。
リフレッシュルーム設置のメリットや導入ポイントなど詳しくは下記記事をご覧ください。
関連記事：オフィスにリフレッシュルームを作るメリット5つ！導入のポイントは？
働きやすい職場環境づくりに成功した企業事例
最後は、働きやすい職場環境づくりに取り組む企業の事例を紹介します。実際にどのような工夫や制度が効果を上げているのかを知り、職場環境の改善にお役立てください。
株式会社ミラタップ
株式会社ミラタップでは、従業員数の増加に伴うオフィス移転で、ワンフロア化による一体感とコミュニケーションの向上を図りました。新オフィスでは「はたらくも楽しく、美しく。」をコンセプトとし、暮らしの間取りを取り入れた空間を設計。
自社製品を各所に配置することで、従業員のブランド理解とエンゲージメントの向上を促しています。また、ミニマルなデザインや行動指針を記載したサインなどにより、働きやすさとブランディング強化を両立する空間を実現しました。
エムケイ株式会社 京都八幡オフィス
MKタクシーで有名なエムケイ株式会社の京都八幡オフィスでは、コールセンターの移転を機に「愛」と「まごころ」をテーマにした居心地の良い職場づくりを実施。自然光と優しい色使いの内装で明るさと温かみを演出し、居心地の良い空間を構築しました。
また、木素材を使ったリフレッシュエリアや仮眠室、静かに過ごせる休憩スペースなど多彩なスペースを設け、メリハリをつけやすい快適な職場環境に仕上がっています。執務エリアは全座席を見渡せるレイアウトで、コミュニケーションの活性化を促しています。
JFE商事株式会社
JFE商事株式会社の大阪支社では、グループ全体の連携と機能の最大化を目的とし、回遊性のあるオフィスを設計しました。ヴィスが提供する『WORK DESIGN PLATFORM』の分析データに基づき、最適な座席配置を実施。
グループ会社間の間仕切りを撤廃し、コミュニケーションスペースを多めに確保することで、会社や個人の垣根を超えた偶発的なつながりや交流を促進しています。また、ガラス張りのエントランスや円をモチーフにしたデザインなどにより、透明性とグループの一体感をアピールしている点も特徴です。
株式会社ミルボン ゆめが丘工場
ミルボンのゆめが丘工場では、併設された食堂を多目的に活用できるカフェテリアへと刷新しました。『Harmony』をテーマにした新スペースには、工場やオフィスの勤務者、来訪者が心地よく過ごせるよう、1人用のベンチ席やハイテーブル、電源や可動式モニターを設置。
自然と調和する柔らかなカラーや曲線的な床デザインによって、空間に動きを加えています。さらに、異なる素材による緩やかなゾーニングにより、働く人と訪れる人双方にとって快適な環境づくりを実現しています。
まとめ
働きやすい職場環境には、オフィス空間の快適性に加えて、人間関係や評価制度、福利厚生の充実、柔軟な働き方の実現など多くの要素が関係しています。働く人が心地よく過ごせるオフィス環境を実現することで、組織全体のパフォーマンスが向上し、結果的に企業の成長にもつながります。
今回紹介した企業の成功事例も参考に、自社の課題や目指す方向性に合った職場環境の整備・改善を検討してみましょう。
ヴィスは、空間づくりにおける知見を用いて、オフィスづくりにとどまらず、企業のニーズに合わせて「はたらく」を包括的に考慮したワークデザインを提供しています。ワークデザイン、オフィスデザイン、オフィス移転・改装・設計についてのお悩みは、お気軽にお問い合わせください。