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フレキシブルオフィスとは「柔軟な契約形態が特徴のオフィスの総称」
フレキシブルオフィスは、一般的な賃貸オフィスとは契約形態が異なります。一般的な賃貸オフィスでは、数年単位での利用を想定しており、契約手続きや利用開始までの準備に数ヶ月から1年程度かかるでしょう。
これに対し、フレキシブルオフィスは、短期間の利用を想定しているのが特徴です。契約手続きや準備にはほとんど時間がかからず、空きがあればすぐにでも入居できます。フリーランスが一人で利用することも、企業が数百人程度の大人数で利用することも可能です。
契約形態が柔軟であるため、幅広いニーズに対応できます。
フレキシブルと呼ばれる3つのオフィス
フレキシブルオフィスは主に次の3種類に分けることができます。それぞれの形態のフレキシブルオフィスについて紹介します。
シェアオフィス
シェアオフィスとは、複数の企業がシェアして利用するオフィスのことです。広い大きな空間の中で、異なる企業の社員が仕事をします。同じシェアオフィスを利用する企業同士は、特に取引先や提携先のような関係はありません。仕事自体はそれぞれ別々に行います。
シェアオフィスで使用するスペースに関しては、契約時に決めておく仕組みです。スペースの広さで賃料が決まります。給湯室などは契約スペースとは関係なく、共同で利用可能です。
また、コピー機などの設備もあらかじめ準備されているものを共同で使用します。敷金や礼金なども通常の賃貸オフィスより安いため、費用が抑えられます。
コワーキングオフィス
コワーキングオフィスは、複数の企業やフリーランスなどが共同で利用できる仕事場のことです。仕事をするのに必要な設備は整えられているため、利用者側で用意する必要はありません。
シェアオフィスとよく似ていますが、使用するスペースが決まっていないのがコワーキングオフィスの大きな特徴です。基本的に自由席になっており、空いている席を使用することになります。複数人で利用できるフリースペースなどを設けているコワーキングオフィスも多いです。
また、シェアオフィスと同様に短期間の利用を想定しています。毎月料金を支払って利用するほかに、1日のみ利用することも可能です。
レンタルオフィス
レンタルオフィスは、シェアオフィスやコワーキングオフィスと違って専用の個室を利用できるのが特徴です。広い個室もあれば狭い個室もあり、料金にも幅があります。
デスクやチェアなどの設備は最初から用意されており、内装工事などは必要ありません。Wi-Fiなどのインターネット環境も整えられており、電話も利用できます。通常の賃貸オフィスに近い環境の仕事場をリーズナブルな料金で手軽に利用できるのが魅力です。
テレワーク導入企業の増加で注目を集めている
政府では働き方改革を推し進めており、テレワークの導入を推奨しています。その影響で最近では、フレキシブルオフィスを利用する企業が多いです。コロナ禍も相まって、以前よりも存在感が高まっています。
ザイマックス総研の調査によると、2010年までは、東京23区内のフレキシブルオフィスの拠点数は、わずか40件でした。2010年代前半は年々微増にとどまりますが、2015年以降は年々急激に増加しています。
2015年が115件なのに対して、2016年は162件と約1.4倍に伸びました。その後も増加幅が広がっていき、2021年には882件に達しています。
出典:「フレキシブルオフィス市場調査2022」(ザイマックス総研の研究調査)
契約の柔軟性だけではない!フレキシブルオフィスの魅力
フレキシブルオフィスの魅力は契約の柔軟性だけではありません。ほかにも多くの魅力があります。ここでは、フレキシブルオフィスの魅力を紹介していきます。
オフィス賃貸にかかる費用を抑えられる
フレキシブルオフィスなら、通常の賃貸オフィスを借りる場合と比べて、賃料も敷金も安いのが魅力です。また、賃貸オフィスと違って、内装工事を行う必要はありません。初期費用や月々の賃料も抑えられます。
取り急ぎ作業できる場所が欲しいときに便利でしょう。コストを抑えて必要最低限のワークスペースを確保できます。
また、本社から少し離れた場所にもうひとつ拠点を設けたいときにも便利です。賃貸オフィスと比べると費用を抑えることができます。
オフィスに必要な設備が整っている
フレキシブルオフィスでは、デスクやチェア、プリンターなど業務を行うのに必要な設備はひととおり揃っています。そのため、新たに備品を購入したりリースしたりする必要はありません。
契約手続きから実際に入居するまで時間がかからず、業務をスムーズに進められます。
全国各地に拠点を設けられる
フレキシブルオフィスは低コストで月単位での契約が可能なことから、全国各地に拠点を設けることも比較的簡単にできます。
たとえば、首都圏に本社があって地方へ出張することが多い企業などにとって便利でしょう。地方にフレキシブルオフィスで拠点を設けておけば、支店として運用できます。
テレワークを導入する際にも便利です。同じ首都圏でも拠点を増やせば、各社員が自宅から近いオフィスで仕事ができます。用事があるときだけ本社まで行くようにすれば、通勤の負担も減るでしょう。
コミュニケーションの機会を創出できる
フレキシブルオフィスの中でも、シェアオフィスやコワーキングオフィスでは、ほかの利用者と同じ空間で仕事ができます。さまざまな職種の人が仕事をしている様子を目にすることになるでしょう。
また、フレキシブルオフィスでは休憩室を設けているところも多いです。休憩中にほかの利用者と雑談などをする機会も持てるかもしれません。
普段関わることがない人と交流することで刺激を受けられるのも、フレキシブルオフィスを利用するメリットのひとつです。異なる業界の人と話してみることで、新たなアイデアが生まれるきっかけになることもあるかもしれません。
地域を問わず優秀な人材の雇用につながる
拠点が首都圏にひとつだけだと、地方在住の優秀な人材を雇用することができません。
その点、フレキシブルオフィスで地方に拠点を設ければ、居住地を問わない採用活動が可能になります。地方の優秀な人材を雇用できるようになり、人材難の解消にもつながるでしょう。
また、さまざまな理由でオフィスへの通勤が困難な社員の離職を防止することにもつながります。たとえば、家事や育児をしながら遠距離の通勤をするのは困難だということで離職を考える人は多いです。
そのような状況で、社員の自宅から比較的近い位置にフレキシブルオフィスで拠点を設ければ、離職防止につながります。
フレキシブルオフィスの具体的な活用方法
それでは、フレキシブルオフィスを有効活用する方法を紹介していきます。
BCPの観点からオフィスの分散化
BCPとは事業継続計画のことで、大きな自然災害やテロなどの際に、事業への影響を最小限に抑えるための計画のことを指します。
災害やテロのときを想定した対策を行っていないと、外部環境の変化により倒産してしまう企業も少なくありません。
その点、フレキシブルオフィスを利用して本社とは別に拠点を設けることで、災害やテロ発生のリスク対策になります。多少の影響は免れないとしても、中核業務だけは平常時と極力差のない状態で事業を継続できるでしょう。
新規顧客開拓のための拠点
店舗を運営している企業なら、新規出店の際に市場調査を行うための拠点として、フレキシブルオフィスが役立ちます。市場調査はあくまで一時的に行うものであるため、月単位で利用できるフレキシブルオフィスは最適でしょう。
地方でビジネス展開をするための営業所として利用することもできます。地方に営業所があれば、本社と往復する回数も減らせるため移動時間の削減や業務効率化が見込めるでしょう。
フレキシブルオフィス利用時はセキュリティリスクへの考慮が必要
フレキシブルオフィスは基本的に共有スペースを利用するサービスです。社外の人も利用するため、書類やPCの管理には十分に注意しましょう。導入前に社員へのセキュリティ教育を実施するのが望ましいです。不安な場合には、個室タイプのレンタルオフィスを利用するのも良いでしょう。
まとめ
フレキシブルオフィスは、柔軟な契約形態で空きがあればすぐに入居できるオフィスです。備品などがひととおり揃っており、内装工事も必要ありません。比較的簡単に地方に拠点を設けることができて、BCPを行う上でも有用です。
また、ほかの利用者とスペースを共有するタイプのものが多く、他業種の人とコミュニケーションを取る機会を持てます。ただし、セキュリティには十分注意した上で利用するようにしましょう。
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