ワークスタイル変革(働き方改革)に必要な4つの取り組み

近年、ワークスタイル変革(働き方改革)により「仕事のやり方」が見直され、多様な働き方に対応している企業が増えています。 しかし、ワークスタイル変革に必要性を感じていても、どのように始めたら良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。今回は、ワークスタイル変革に必要な4つの取り組みについて紹介します。

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柔軟な働き方を実現させる「ワークスタイル変革」

ワークスタイル変革は、仕事のやり方を変革させることです。

ワークスタイル変革が求められるようになった理由には、2018年の働き方改革関連法の成立があげられます。この政策が成立した背景は、以下の4つです。

・少子高齢化による労働人口不足

・グローバル化の進行による、柔軟な働き方の促進

・多様な人材を積極的に登用するダイバーシティの推進

・優秀な人材の確保

ワークスタイル変革により従来の働き方を見直し、社員が柔軟な働き方を実現することで、社員の活躍や会社の成長につながります。

ワークスタイル変革に必要な4つの取り組み

ワークスタイル変革には、具体的にどのような施策が必要なのか紹介します。主な4つの施策について見ていきましょう。

就業形態の多様化

生産性を向上させるためには、働く場所や時間、環境整備なども必要です。働きやすい環境を整えることで、業務の効率化も図れます。具体的な施策は以下のとおりです。

テレワーク

コロナ禍でテレワークに移行した企業は多いです。テレワークを取り入れると、働く場所の制約をなくすことができます。

在宅勤務をはじめ、モバイルワークやサテライトオフィスもテレワークの一種です。モバイルワークは自宅だけでなく、移動中や外出先のカフェなどで、PCやタブレットを使って業務を  行います。

サテライトオフィスは、職場から遠くて通勤時間がかかる社員のために、職場以外に設置する小規模オフィスです。通勤時間の削減のほかに、自宅の仕事環境が整っていない社員向けにも活用できます。

フレックスタイム制

「9時から18時」など、社員全員が決められた同じ勤務時間で働くのではなく、社員が自由に働く時間を決められるのが、フレックスタイム制です。

柔軟に労働時間を調整できることで、ワークライフバランスを実現しながら働けます。出社時間を調整すれば、通勤ラッシュも避けられます。

ただし、フレックスタイム制では、取引先や社員同士の打ち合わせなどのスケジュール調整が困難になるケースもあります。部署や業種によっては、フレックスタイム制の導入が難しい場合もあるでしょう。

とはいえ、社員自身が仕事量を把握し、勤務時間を決めるため、フレックスタイム制を導入することで、社員の自主性を高められます。

時短勤務

時短勤務は、育児や介護、病気療養といった社員の都合に合わせて、労働時間を短縮する働き方です。

時短勤務の導入により、育児や介護などで退職しなければならない状況を回避することができます。また、出産後もキャリアを積み重ねていけるのもメリットのひとつです。

企業側は、優秀な人材の確保や離職率の低下が期待できるため、社員と企業どちらにとっても有益な取り組みといえます。

ツールの導入

ツールの導入は、ワークスタイル変革に欠かせない要素です。仕事に役立つツールを紹介します。

コミュニケーションツール

近年、テレワークの普及でオンライン会議の頻度が増加し、コミュニケーションツールを活用する場面が多くなりました。コミュニケーションツールには、Web会議ツールやビジネスチャット、社内SNSなどがあります。

これらのツールを活用すれば、どこにいてもPCやタブレットなどを使って会議に参加できます。

たとえば、「Zoom」は比較的接続が安定しているといわれており、ストレスを感じづらく使いやすいツールです。

さらに、「Chatwork」や「Slack」などのビジネスチャットを活用することで、メールよりも簡単に取引先と迅速なコミュニケーションを図れます。

このように、コミュニケーションツールは、社内外の連絡をはじめテレワーク下でのスムーズなやり取りに必須です。

タスク管理ツール

タスク管理ツールは、チームごとにタスクを可視化し共有することができるツールです。タスク管理ツールを活用することで、スケジュールの抜け漏れやタスクの遅れにいち早く気付けるため、業務効率化に役立ちます。

ほかにも、タスク管理ツールは工数管理やカレンダー機能、チャットなどの役割も兼ねています。タスク管理ツールを共有し、業務の全体像を把握できるのもメリットのひとつです。

社内の意識改革

労働時間が長い社員が評価される、「休むことは悪」といった風土や風潮はワークスタイル変革の障壁となります。こうした社内の意識を変えるには、経営者の推進力が重要です。

社長をはじめ、経営層が「なぜ意識改革が必要なのか」「意識改革によって社員にどのようなメリットがあるのか」を社員に伝え、周知していくことが大事です。

意識改革を社内に根付かせるために、社員が団結できる環境を整え、継続的に取り組みましょう。

オフィス改革

オフィス改革とは、職場環境を整備し、働きやすいオフィス空間にすることです。どのような取り組みがあるのか紹介します。

ペーパーレス化

ペーパーレス化とは、社内文書を紙に印刷することなく、電子化して活用することです。書類を電子化することで、書類の保管スペースや印刷コストの削減につながります。

場所を問わず必要な書類を確認できるため、多様な働き方に対応可能です。ペーパーレス化の推進にともない、生産性の向上も期待できます。

フリーアドレスの導入  

フリーアドレスの導入で、個人のデスクを固定せず、好きな場所に座って働くことができます。

企業ごとにフリーアドレスの範囲を自由に決められるため、他部署の社員と交流する機会が増加し、社員同士のコミュニケーションの活性化にもつながります。また、他部署との連携強化により、業務の効率化も見込めるでしょう。

フリーアドレスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

フリーアドレスオフィスのルールとは?スムーズな運用に必要なこと

リフレッシュスペースの設置

適度な休息を取ることで、社員の生産性が向上します。ラウンジやカフェスペースなど、社員が休憩に利用できるスペースを確保しましょう。

リフレッシュスペースを設置することで、オンとオフの切り替えをスムーズに行えます。社員一人ひとりの気分転換になるだけでなく、社員同士の交流を促すことも可能です。

オフィス改革の具体的な取り組みについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。

【オフィス改革】具体的な取り組みや4つの効果を紹介!

オフィス改革では、オフィスデザインやレイアウトの変更はもちろん、社員の不安を払拭することや、各制度を社員一人ひとりに浸透させることが大切です。オフィス改革の実施にお困りの方は、豊富なノウハウを持つヴィスにお任せください。

ワークスタイル変革を進める企業の事例

実際に、ワークスタイル変革を進めている企業の事例を紹介します。

 サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は、多様な働き方を可能にする制度を策定し、離職率の低下と採用・教育コストの削減を達成しました。

ウルトラワーク制度(在宅勤務制度)や育児・介護休暇、短時間勤務制度などの利用・取得により、社員は自分らしく働くことができます。

サイボウズ株式会社では、働きやすい環境づくりの基盤となる文化を重んじています。たとえば、自分の意見をしっかり伝えられる環境や社員同士の建設的な議論が行われること、目的の共有と共感を得ることなどです。

ほかにも、情報共有クラウドやセキュリティ、ビデオ会議ツールなどの活用により、多様な働き方を実現しています。

日本生活協同組合連合会    

日本生活協同組合連合会では、働く社員にとって必要な場所を考えるため、アンケートやデータ分析を実施しました。その結果から、1階はコープミュージアムを活かしながら待合機能を一新、2階はオープンカフェとし、社内外のコミュニケーションの活性化を図りました。

3階はミーティングエリアを中心としたコワーキングエリアを設置しています。このように、フロアごとに特色をもたせてリニューアルしています。

さらに、廃材を使用したタイルを使用し、SDGsを意識した温かみのあるオフィスに導きました。

多様な働き方を実現。SDGsにも配慮した温かみのあるオフィス

まとめ

多様な働き方が進むなか、ワークスタイル変革は企業にとって重要な課題といえます。社員が働きやすい環境を整えて、企業全体の生産性の向上や価値創出を実現しましょう。

ワークスタイル変革には、「就業形態の多様化」「ツールの導入」「社内の意識改革」「オフィス改革」などへの取り組みが必要です。今回紹介した事例を参考にしながら、ワークスタイル変革を成功させましょう。