インキュベーションオフィスとは
インキュベーションオフィスとは、新しく会社を設立する起業家や事業拡大を目指す経営者が、さまざまなサポートを受けられるフレキシブルオフィスです。
インキュベーションとは「孵化器」のこと。インキュベーションオフィスは若々しい企業を育て、ビジネスの拡大や発展、成功に向けて支援するのを目的としています。
なお、インキュベーションオフィスを含むフレキシブルオフィスについては、以下の記事で詳しく解説しています。コストを削減しながら新しいビジネススタイルを実現するのに役立つので、あわせてチェックしておきましょう。
「コスト削減にもつながる！フレキシブルオフィスを利用するメリットを紹介」
インキュベーションオフィスの多くは、自治体をはじめ公的機関が運営しています。実際の運営は民間企業に任せられていて、設備やサポート体制の充実度といった一定の条件を満たした場合は「認定インキュベーションオフィス」として登録されます。
インキュベーションオフィスでできること
引き続き、インキュベーションオフィスの設備や入居した事業主が受けられる支援についてみていきましょう。
インキュベーションオフィスで受けられる支援
施設や運営団体による差があるものの、一般的なインキュベーションオフィスの入居者が受けられるサポートは次の通りです。
・新規事業を創出するための相談
・経営に関する相談
・事業経営に必要なノウハウの提供
・事業計画の策定に関するアドバイス
・業務提携を行うアライアンス先の紹介
・資金調達に関する支援
・経理や税務申告を代行するサービスの紹介
・人事労務管理の悩みの相談やコンサルティング事業 など
事業や経営に関する相談、ノウハウの提供のほか、経理や税務申告、人事労務管理など幅広いサポートを受けられます。
インキュベーションオフィスの設備・機能
インキュベーションオフィスは、事業の拠点としての設備や機能をもちあわせています。
・通信やインターネット環境
・一部貸出しを含むOA機器
・個室のブース
・ミーティングスペース
・事業関連の郵便物の受け取りや転送サービス
・法人登記ができる住所 など
上記のようなオフィスに必要な空間、設備が整えられているため、入居後すぐに事業を始められます。
インキュベーションオフィスのメリット
ここではインキュベーションオフィスを利用するメリットを紹介します。一般的な賃貸オフィスにはないインキュベーションオフィスならではの特徴に注目してみてください。
起業・経営に関するサポートをしてもらえる
インキュベーションオフィスには、経営に関して豊富な知識をもつ「インキュベーションマネージャー」が常駐しています。入居するとインキュベーションマネージャーから経営ノウハウの提供や資金計画の相談、人材紹介をはじめとしたさまざまなサポートを受けられるのが魅力です。
起業から事業が軌道に乗るまで継続的に支援してもらえるので、初めての起業でも安心して事業に集中できるでしょう。
比較的安くオフィスを利用できる
インキュベーションオフィスの賃料相場は、月額数万円〜十数万円程度と低めの設定です。一般的な賃貸オフィスと比べて、リーズナブルな価格でオフィスを利用できます。また、賃料保証制度が適用される場合は、賃料を半額程度まで抑えることも可能です。
インキュベーションオフィスは事業経営に必要な最低限の設備が整っています。オフィス家具や業務に必要な機材は準備する必要があるものの、ネット回線をはじめとする設備投資費を節約可能です。賃貸オフィスを契約するより、初期費用や賃料を抑えて設備の整ったオフィスを利用できるのは大きなメリットといえます。
他の起業家と交流ができる
多くのインキュベーションオフィスには、入居者同士の交流を目的とした共有スペースが設けられています。同じような業種や業態の事業者と情報を共有すればビジネスチャンスが広がり、悩みを解決しやすいでしょう。
コミュニケーションのなかで新たなアイディアが生まれるというメリットもあり、事業の活性化が期待できます。
インキュベーションオフィスのデメリット
ここまでインキュベーショオフィスを利用するメリットを紹介してきましたが、実はデメリットもあります。利用するうえでの注意点として把握しておきましょう。
出資には条件があるケースもある
インキュベーションオフィスに入居すると経営面での支援を受けられるものの、さまざまな条件が課されることがあります。例えば、出資条件としてストックオプションの付与を求められたり、事業発展後に投資できることの確約を求められたりと、契約上の対価が求められるケースがあります。
将来的に事業が軌道に乗ったときに支障が生じる可能性は否定できません。そのため、入居前にどのような条件が課されるのか確認することが大切です。
レンタル（シェア）オフィスと比べると入居までの手続きが大変
入居までの手続きが複雑な点もインキュベーションオフィスを利用するときのデメリットといえます。一般的に、インキュベーションオフィスに入居する際は問い合わせ、事前面接、審査、契約といったステップをクリアしていく必要があります。
最低限の設備が整ったオフィスを賃貸する面では、レンタルオフィスやシェアオフィスと大きな違いはありません。しかしインキュベーションオフィスの場合、さまざまな支援を受けられる半面、事業計画の提出や面接なども求められます。また、賃料保証制度の申請にも別途手続きが必要です。
そのため起業や事業拡大に際して、まとまった時間を取れない場合は手続きの煩雑さがデメリットに感じられるでしょう。
インキュベーションオフィス以外の選択肢もある
インキュベーションオフィスはインキュベーションマネージャーの支援を受けられるうえ、最低限の設備が整ったオフィスを比較的安い賃料で借りられるのが魅力です。しかし、設備の整ったオフィスを安く借りるだけなら、コワーキングスペースやレンタルオフィス、シェアオフィスといった選択肢もあります。
同じフレキシブルオフィスを選ぶときの参考になるよう、目的別に向いているオフィス形態を紹介します。
シェアオフィス・コワーキングスペース：他の利用者と交流ができる
シェアオフィスやコワーキングスペースは、特定の個室をもたないオープンスペースのオフィスです。
比較的リーズナブルな家賃で借りられるうえ、入居者同士が自由に交流できるのが魅力です。交流により起業家同士で新たなつながりを作れます。交流からアイディアを創出できれば、ビジネスの可能性を広げるのに役立つでしょう。
「The Place」なら、コワーキング、シェアオフィス、オフィスの3つのプランを利用することが可能です。ヴィスが提供する新しいスタイルのワークスペースで、会議室やイベントスペースもあり、法人登記にも活用できるので、あらゆる働き方を実現できます。
「The Place」は、企業や人、働き方といったあらゆるものが交わる「TSUMUGI」をコンセプトとしています。多くの人が交流し、つむぎあいながら新しい価値を生み出すお手伝いをしています。
場所は、大阪メトロ心斎橋駅・四ツ橋駅のふたつの駅から徒歩3分の立地にあります。入居・内覧希望の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
レンタルオフィス：手軽に安い作業場所が得られる
レンタルオフィスは、豊富な部屋タイプから自社に適したオフィスを安い賃料で借りられます。通信環境や家具などが揃っているため、入居後すぐに事業を始められるのが特徴です。
レンタルオフィスは法人登記も可能です。初期費用を抑えたい起業家も手軽に個室の自社オフィスを手に入れられます。
バーチャルオフィス：都心の一等地にオフィスを構えられる
バーチャルオフィスは店舗や事務所としての物理的なワークスペースではなく、住所や電話番号だけを借りて開設するオフィスです。実体がない分自由度が高く、都心の一等地にある住所で法人登記ができるため、自社の信用力を底上げするのにも有効です。
商品の保管や来客対応がなく、店舗や事務所を必要としない事業に向いています。
まとめ
インキュベーションオフィスは公的機関や公的機関に委託された民間企業が運営に関わり、これから起業する方や事業拡大を目指す企業をあらゆる面で支援するオフィスです。最低限の設備が整ったオフィスを比較的安い賃料で借りられるのが特徴です。
とはいえ、オフィスにはさまざまな選択肢があります。起業時の初期費用を抑えたい場合はシェアオフィスやレンタルオフィス、バーチャルオフィスも視野に入れられるので、自分のビジネスにマッチするスタイルを探しましょう。