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オフィスBGMの導入は「生産性の向上」が期待できる
オフィスBGMを導入する最大のメリットは、生産性の向上が期待できることです。社員に音楽を聞いてもらうだけで、なぜ企業に生産性向上をもたらすのか、主な理由は次の3つが挙げられます。
ストレスを緩和させる
オフィスBGMが生産性を向上させる理由として、音楽の「気分誘導効果」によるストレス緩和が挙げられます。「気分誘導効果」とは、音楽が人の感情に影響することです。
ストレスを抱えている状態ではさまざまなパフォーマンスが低下し、生産性に悪影響を与えるおそれがあります。平成29年度の厚労省の調査では、仕事に強いストレスを感じている方の割合は58%でした。
出典:「労働安全衛生調査」(厚生労働省)
音楽の気分誘導効果に対する実験は、いくつも行われています。実験によって、音楽を聴くことで不安な気分が軽減され、心地よい気分(のんびりとした、のどかな気分)になることが分かっています。
オフィスの雰囲気を和らげる
オフィスBGMにより、社内全体の雰囲気が和らぎます。
とくにコミュニケーションが不十分なオフィスでは、社員の無機質な作業音だけが響いて、殺伐とした雰囲気になってしまうでしょう。静かすぎる空間では、物音が周囲にはっきりと聞こえてしまい、緊張したり萎縮したりしてストレスを抱える人も多いのです。
そこで、適度にBGMを流すことで、社員が必要以上に緊張せず働けるようになります。
また、オフィスを訪れた取引先や求職者などにも、良い印象をもってもらえます。企業イメージの向上を図るうえでも、オフィスBGMの導入は効果的です。
マスキング効果によるノイズ軽減が期待できる
オフィスBGMを流すことでマスキング効果が起こり、ノイズの軽減を期待できます。マスキング効果とは、ある音に他の音が重なることで聞こえにくくなる現象を指します。
電車内での他人の会話が、聞くつもりがなくても耳に入ってしまうように、静かな場所では小さな音も気になることがあります。静かなオフィスでも同様に、他の社員の会話やパソコン、書類に触れる音は響きやすく、ストレスの原因になってしまいます。
オフィスBGMを流し、マスキング効果で周囲の雑音を聞こえにくくすれば、さまざまな雑音による社員の集中を妨げるリスクを低減できます。
オフィスBGMを流す際に気を付ける3つのこと
オフィスBGMを導入するときは、前述した効果が期待できるよう、最適な音楽を流すことが重要です。また、トラブル発生のリスクがある利用方法は避けなくてはなりません。
オフィスBGMの適切な活用方法として、注意すべき3つのポイントを紹介します。
音量に配慮する
マスキング効果は、同程度の音同士が重なることで起こります。社員の集中を妨げないよう、オフィスBGMの音量に配慮しましょう。
社員のパフォーマンスを低下させない最適な音量は、70db程度です。85db以上になると、かえって集中力を欠くおそれがあります。
また、スピーカーの配置も重要です。近い人が煩わしさを感じないよう、位置や座席、パーテーションなどのレイアウトを調整するのもおすすめです。
聞き流しやすい音楽にする
音楽のジャンルも、社員の集中力を左右する要素のひとつです。J-POPや有名映画のテーマソングなど誰でも知っている音楽をオフィスBGMに選ぶと、曲が気になって集中しにくくなることがあります。
聞き流しやすく、ストレスに感じない適切な選曲が求められます。
著作権違反にならないかチェックする
音楽の利用方法が、著作権の侵害にあたらないかどうかも確認すべきです。社員のみを対象とする利用の場合は問題ありません。しかし、オフィスを店舗としても利用している場合や、多くの来客が見込まれる場合には、日本音楽著作権協会(JASRAC)への許諾申請が必要です。
また、無料で使用可能とされていても、すべての作品には著作権が存在します。保護期間が過ぎたものや作者が著作権を放棄したものでない限り、オフィスで無断使用すると著作権違反となるおそれがあります。
著作権フリーの曲を使用したり、テレビやラジオの放送を流したりする場合、手続きは不要です。利用方法に問題がないか、BGMを導入する前に、社内でチェックしておくことをおすすめします。
オフィスBGMは目的に合わせて選曲しよう
オフィスBGMの効果を最大化するためには、前述の注意点を念頭に置きながら、目的に合ったものを選曲することが重要です。
ここでは、目的別におすすめのBGMの種類を紹介します。
集中力を高めたいときのBGM
集中力を高めたい場合は、クラシックやジャズがおすすめです。リラックス効果も期待でき、パフォーマンスの向上が見込めるでしょう。
また、クラシックやジャズは万人受けしやすいメリットもあります。主張しすぎず、オフィスを訪れたゲストにも好印象を与える選曲です。
アイデアを出したいときのBGM
アイデアの創出を活発化させたいときは、アップテンポの曲も候補に入れてはいかがでしょうか。例えば、テクノやハウスミュージックなどが挙げられます。オフィスや会社のイメージに合った曲を見つけましょう。
そのほか、歌詞のある曲やラジオをかける方法もおすすめです。何となく耳に入ったフレーズがアイデアのきっかけになるなど、良い影響を与えてくれます。
気分転換におすすめのBGM
生産性を向上させるためには、実務時間とそのほか(ランチや始業前など)との時間でメリハリをつけることが重要です。業務中は集中力を高めてくれる音楽を流し、そのほかの時間は異なる音楽にすると、気分転換になります。
社員の気分転換を図る場合は、人気の洋楽やJ-POPなど、親しみやすい音楽がおすすめです。社員同士で音楽にちなんだ会話をしたり、関連する映画やドラマの話題で盛り上がったりと、コミュニケーションの活性化も期待できます。
オフィスBGMの導入事例
オフィスBGMは、活発で快適な職場環境を構築するために欠かせない要素です。一方で、どのように取り入れれば良いのかイメージしにくいと悩む方も多いのではないでしょうか。
最後に、これからオフィスBGMの導入を検討している方へ、おすすめの事例を紹介します。
自然音音響システム「R-LIVE」(アールライブ)
「R-LIVE」(アールライブ)は、人間の耳では聞こえないレベルの高周波を含んだ自然の原音を収録し、任意の空間で再現する自然音音響システムです。季節や時間の移ろいを、ハイレゾ音源として収録したものを使用しているため、高い臨場感が味わえます。
まるで本物の森で過ごしているかのような、心地良い自然の音に包まれるのが魅力です。楽曲のように特定のフレーズやメロディに気を取られることもなく、リラックス効果とともに集中力の向上が期待できます。
森の中にあふれる「川のせせらぎ」「小鳥のさえずり」「木々のざわめき」などには、20kh以上の超高周波が含まれています。超高周波は人間の副交感神経などに良い影響を与えることが分かっており、森林浴を心地良く感じる理由のひとつです。
オフィス内のリフレッシュスペースや応接間で使用するのはもちろん、ワークスペースや会議室にも最適です。
まとめ
職場環境は離職理由となる場合も多く、企業が注力すべきポイントのひとつです。適切なオフィスBGMの導入で、社員が集中しやすく居心地の良さを感じる環境を提供しましょう。
また、生産性は聴覚だけではなく、視覚や嗅覚などさまざまな要素に影響されます。より一層ワークスタイルやオフィスの環境を最適化するために、現状の分析から始めることもおすすめです。
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