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サードプレイスオフィスとは「社員が居心地よく働ける第3の場所」
サードプレイスオフィスとは、ファーストプレイスである自宅やセカンドプレイスであるオフィスとは異なる、第3の場所のことです。
企業が用意する「社員が居心地よく働ける第3の場所」という意味で使われています。近年、サードプレイスオフィスを導入する企業が増え、注目を集めています。
ここでは、なぜサードプレイスオフィスが注目されるようになったのか、どのような種類があるかを解説します。
サードプレイスオフィスが注目されている背景
サードプレイスオフィスが注目されるようになった背景は、働き方改革や新型コロナウイルス感染症の影響によるオフィスのあり方、働き方の変化です。
とくにコロナ禍では、多くの企業がオフィスへの出社を停止してテレワークを推奨するなど、従来とは働き方が大きく変わりました。
しかし、「自粛生活でストレスが溜まる」「自宅では仕事に集中できない」などの理由で、自宅でもオフィスでもない居場所を求める声が増えたことから、サードプレイスオフィスを導入する企業が出てきたのです。
サードプレイスオフィスの主な4つのタイプ
サードプレイスオフィスは、主に4つのタイプに分かれます。サードプレイスオフィスの導入を検討する際、自社に合うタイプを選べるように、各タイプの特徴を理解しておきましょう。
シェアオフィス
シェアオフィスとは、複数の企業・個人でひとつのワークスペースを共有するオフィスのことをいいます。個室はなく、利用するたびに場所が変わるフリーアドレスが基本です。
インターネット環境やデスク、イスなど、仕事で必要なものが最低限そろえられているので、新たに用意する必要がありません。また、複数の企業や個人が利用しているため、社外の人と交流しやすいというメリットがあります。
サテライトオフィス
サテライトオフィスとは、本拠地となる既存のオフィスとは別に、既存のオフィスと同様の設備を備えた拠点を設けることをいいます。
本拠地が都内にあるならサテライトオフィスは千葉に作るなど、地方分散の目的で本拠地と離れた場所に設けるのが一般的です。
本拠地のオフィスよりも小規模であることが多く、社員の居住地の近くに設けて通勤時間の短縮を図るなど、利便性を重視して設置されるという特徴があります。
ワーケーション
ワーケーションとは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語です。リゾート地や観光地、帰省先など、休暇で訪れることが多い場所で仕事をすることを指します。
休暇の合間に仕事する「休暇型」と勤務前後に休暇を楽しむ「業務型」がありますが、いずれにしても休日に気軽に観光したり、実家に帰ったりできるのが魅力です。
社内に設置したサードプレイス
既存のオフィス内にカフェや娯楽施設などを設け、サードプレイスとする企業も存在します。社外にサードプレイスを設けるよりも手軽に準備でき、管理の手間もかかりにくいのが魅力です。
自然と社員が集まる魅力的な場所を作ることで、他部署の社員との交流が増える、いつもとは違う環境で自分のペースで仕事を進められるようになるなどのメリットもあります。
サードプレイスオフィスの導入がおすすめな企業の特徴
サードプレイスオフィスは、どのようなときに導入すると効果的なのでしょうか。サードプレイスオフィスの導入をおすすめする企業の特徴を紹介します。
生産性を向上させたい
生産性の向上を検討しているときに、サードプレイスオフィスは役に立ちます。いつもとは違う環境に身を置くことで、仕事が行き詰ったときの気分転換やリラックスにつながり、仕事が捗りやすくなるからです。
テレワークをしている社員についても誘惑が多い自宅より、サードプレイスオフィスのほうが仕事に集中しやすいでしょう。社員が仕事に集中できれば、その分生産性の向上も期待できます。
社員の発想力を豊かにしたい
社員の発想力を豊かにしたいと考えている企業にも、サードプレイスオフィスはおすすめです。自宅や既存のオフィスではない環境に行くと新鮮さを感じます。
また、サードプレイスオフィスでは普段とは異なる人々と交流することも多いため、刺激を得て新たなアイデアが浮かびやすくなるでしょう。
社員の離職を防ぎたい
サードプレイスオフィスは、社員の離職率を下げたいときにも活躍します。通勤時にストレスを感じる人は多いものです。しかし、サードプレイスオフィスの導入によってオフィスへのアクセスが良くなり、通勤時間を短縮できれば、従来よりも快適な通勤が可能になります。
育児や介護が理由で離職を考えていた社員も、通勤時間が短くなって育児や介護と仕事を両立しやすくなれば、離職せずに済むかもしれません。
地方に住んでいて「既存のオフィスに通勤するのは難しいが、サードプレイスオフィスの立地であれば通勤できる」という人もいます。そうなると、採用ターゲットの幅が広がるため、新たな雇用創出にもつながります。
緊急時も事業を継続したい
サードプレイスオフィスは、災害などの緊急時のリスク分散にも役立ちます。
災害が起きた場合に、既存のオフィスが使えなくなることや、交通機関の遅延で社員が通勤できなくなることがあります。このような事態に陥ると事業の継続が困難になります。
本拠地から離れた場所にサードプレイスオフィスがあれば、トラブルが起きてもそちらで事業を継続できる可能性があるのです。
サードプレイスオフィスを導入する際の3つのポイント
サードプレイスオフィスを導入する際に、押さえておきたい3つのポイントがあります。
勤怠管理・評価方法を明確にする
サードプレイスオフィス導入時のポイントのひとつが、勤怠管理・評価方法を明確にすることです。
既存のオフィスと比べて勤務状況や成果が把握しづらいため、勤怠管理システムを導入するなどして管理する必要があります。定期的に上司と部下でミーティングする、成果主義の評価制度に変えるなども有効です。
コミュニケーションツールを導入する
サードプレイスオフィスを導入すると、対面でのコミュニケーションが減少し、社員の孤独感を強めることがあります。
オンライン会議ツールやチャットツール、社内SNSなどのコミュニケーションツールを導入し、こまめに連絡が取れるよう工夫しましょう。
セキュリティ対策を強化する
管理が行き届きにくいサードプレイスオフィスは、既存のオフィスよりもセキュリティ面でのリスクが大きくなるため、セキュリティ対策の強化も欠かせません。
フリーWi-Fiなどセキュリティが弱いネットワークに接続したことで、機密情報が漏れるなどのトラブルが起こる可能性があります。社員に対してセキュリティ教育を実施し、PCなどの端末にもセキュリティ対策を施しておきましょう。
サードプレイスオフィスの導入事例
サードプレイスオフィスの導入を検討するにあたり、他社の事例を見てみたいという方もいるでしょう。そこで、サードプレイスオフィスの導入事例をふたつ紹介します。
株式会社マンダム
株式会社マンダムでは東京の青山に、カウンターキッチンやベンチブースといった、さまざまな働き方ができるサードプレイスをコンセプトにしたオフィスを設けています。
さらに、エリアごとに家具を変える、天井をスケルトンにするなどして空間に変化をもたせ、社員の感性を刺激しアイデアを創造できるオフィス空間を実現しています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「サードプレイス ‐様々なはたらき方でアイデアを創造できるオフィス空間‐」
株式会社ビズリーチ
株式会社ビズリーチでは、「おいしいコーヒーに人が集まる」という仮説をもとに、社内にカフェパントリーを設置しています。
その結果、始業時には行列ができるほど人が集まり、偶発的に社員同士のコミュニケーションが発生するなどの効果が出ています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「オフィスにスペシャリティーコーヒー。本格的なバリスタがいるデザインオフィス」
まとめ
働き方改革や新型コロナウイルス感染症の影響で新しい働き方が定着しつつあるなか、社員の新たな居場所としてサードプレイスオフィスが注目を集めています。
シェアオフィスやサテライトオフィスなど、外部の施設を利用する方法もありますが、社内にサードプレイスを設けることも可能です。生産性向上や離職率低下などの効果も期待できるため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。