ワーケーションの導入で負担が増える?デメリットを抑える方法を紹介

ワーケーションとは、「ワーク+バケーション」を組み合わせた造語です。リゾート地などで休暇を楽しみつつ働ける、新しい働き方です。 労働者のストレス軽減や想像力が高まるなどの理由から、テレワークの普及とともに導入する企業が増えてきました。「働き方改革の一環として導入を検討している」企業もあるでしょう。 しかし、ワーケーションにはいくつかデメリットがあり、安易に導入すると失敗する可能性があります。今回は、ワーケーションの効果を確実に得られるよう、ワーケーションのデメリットと効果、ワーケーション導入を成功させるためのコツについて解説します。

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ワーケーション導入時のデメリット   

ワーケーションは、これまでと仕事の進め方が異なるため、社内ルールの整備や研修なども必要になるでしょう。こうした設備や制度を用意するのに、コストもかかります。

ここでは、ワーケーションの導入に関する3つのデメリットを解説します。  

勤怠管理が困難になる

ワーケーションのデメリットのひとつが、勤怠管理が困難になることです。社員がオフィスに出社する働き方であれば、社員が会社に来ているかどうかを確認するだけで簡単に勤怠管理ができます。

労働時間中に真面目に働いているか、残業しすぎていないかなども容易にチェックできるでしょう。しかし、ワーケーションでは社員が遠く離れた場所にいるため、労働時間中に本当に働いているのかどうかが正確に把握しづらくなります。

一方で、社員が通常の労働時間を超えて働いてしまい、「バケーション」が前提であるワーケーションの効果が薄まることもあるでしょう。

そのため、新たな勤怠システムを導入するなど、社員の労働時間を正確に管理するための仕組み作りをしなくてはなりません。

バケーションを楽しめるように、フレックスタイム制を導入するなどして労働時間を柔軟に調整する必要もあります。こうした設備や環境を整えるために、多くの時間とコストがかかるでしょう。

適正な人事評価が難しくなる

適正な人事評価が難しくなることも、ワーケーションのデメリットです。社員が目の届く範囲に居れば、業務に対する姿勢や進め方、工数などの業務プロセスがすぐに把握できます。

しかし、ワーケーションでは社員が遠隔地で業務にあたるため、勤務態度や業務プロセスを直接見ることができません。

その結果、仕事に対する姿勢や頑張りなど、成果物以外の部分が見えづらくなり、成果が出るまでのプロセスが評価しにくくなるのです。

「正当に評価してもらえない」という不満が溜まると、社員の離職につながることもあるでしょう。

そのため、ワーケーションにおける人事評価基準を決めなくてはなりませんが、新たな評価基準を策定するにも非常に手間がかかります。

情報漏洩リスクが高まる

ワーケーションには、情報漏洩のリスクが高まるというデメリットもあります。オフィスであれば、勤怠管理システムを導入する、PCの持ち出しを禁止するなど、企業主導でセキュリティ対策が施すことが可能です。

しかし、社員がオフィス以外の場所で仕事をするワーケーションでは、セキュリティ対策が社員任せになります。社員の以下のような行動により、情報が漏洩することもあるかもしれません。

・他者の出入りが容易な場所で機密情報を閲覧する

・PCやUSBメモリなどを紛失する

・フリーWi-Fiに接続してウイルスに感染する

そのため、ウイルス対策ソフトの提供やセキュリティ対策の研修を行うなど、社員のセキュリティに対する意識を高める必要があります。

一方でワーケーションの導入で得られる効果も大きい

ワーケーションには勤怠管理がしづらい、セキュリティ面でのリスクが高まるなど、企業にとって見逃せないデメリットがあります。

その一方で、導入が成功した場合に得られる効果が大きいというメリットもあるのです。ワーケーション導入の成功によってどんな効果が得られるのか、解説していきます。

ワークワイフバランスの実現につながる

ワーケーション導入が成功したときに得られる効果のひとつが、ワークライフバランスの実現です。ワーケーションを導入すると、有給が取りやすくなったりリフレッシュしやすくなったりと、プライベートを充実させやすくなります。

有休取得率アップを見込める

ワーケーションを導入すると、社員がある程度自身の裁量で働けるようになります。また、オフィスで働いているときとは違い、必要以上に周囲に気を使うこと   もありません。

これまで「周囲の目が気になって有給が取りづらい」と考えていた人でも、有給を申請しやすくなるでしょう。その結果、有給取得率がアップし、ワークライフバランスが整いやすくなります。

リフレッシュしやすくなる

従来の働き方では、日曜日の午後までに帰宅する、年末年始だけ帰省するなど、旅行の日程を決める際にオフィスに出勤することを考慮する必要がありました。

しかし、ワーケーション導入によって設備や環境が整うと、リゾート地や実家の近くなどの遠隔地からでも仕事ができるようになります。オフィスに出勤しなくて良いので、自由に日程を組むことが可能です。

そうしてゆったりとプライベートの時間を過ごせるようになれば、社員がリフレッシュしやすくなるでしょう。

社員満足度を向上できる

ワーケーション導入の成功で、ワークライフバランスを実現することで、社員満足度の向上にもつながります。社員満足度の向上によってどのような効果が得られるか解説します。  

社員のメンタルケアに有効である

ワーケーションによってリゾート地などで仕事ができるようになると、仕事の合間に美しい景色を見たり温泉に入ったりしてリフレッシュできます。

そうして仕事で溜まったストレスを定期的に解消できれば、メンタルの不調を抱えにくくなるでしょう。ストレスが溜まりにくい職場環境が整えば、社員満足度も向上しやすくなります。

離職率の低下を期待できる

ワーケーションを導入すると、オフィスに出社することを考えずに予定が組めるので、長期旅行や帰省が容易になります。

すると、しっかり仕事に取り組みつつバケーションも楽しめる、ワークライフバランスが整った働きやすい職場になるでしょう。そうして社員満足度が高まれば、離職率の低下にもつながります。

採用活動時のアピールポイントになる

ワーケーションの導入は、採用活動でも役立ちます。働き方が多様化する昨今、ワーケーションを導入していることは「社員の働きやすさを重視している企業」というアピールになるためです。

ワーケーションやテレワーク、裁量労働制など働き方の選択肢が多いと、求職者の目に留まりやすくなります。「より良い環境で働きたい」と考えている優秀な人材の確保・定着にも役立つでしょう。

デメリットを抑えてワーケーションの導入を成功に導くコツ

ワーケーションには社員満足度向上などのメリットがある反面、勤怠管理や人事評価が難しいなどのデメリットがあります。安易に導入すると現場が混乱し、失敗に終わる可能性があるため注意が必要です。

せっかくの取り組みが失敗で終わらないように、ワーケーションの導入を成功に導くコツを知っておきましょう。

勤怠管理体制を確立する

ワーケーション導入を成功させるには、ワーケーションや裁量労働制などの多様な働き方を前提とした勤怠管理体制を確立することが重要です。

従来の働き方に合わせた勤怠管理体制では、ワーケーションやテレワークなどの新しい働き方を管理しきれません。その結果、社員が仕事をサボりがちになったり残業続きで体を壊したりすれば、生産性が下がってしまいます。

新たな勤怠管理システムを導入する、出退勤の報告ルールを策定するなど、新しい働き方に合わせた勤怠管理体制を確立することが重要です。

本格的に導入する前にテレワークを実施し、新たなシステムやルールに慣れる期間を設けるとスムーズに進められるでしょう。

人事評価制度を整える

ワーケーション導入の際には、人事評価制度も整えておきましょう。ワーケーションを導入すると、社員が出す成果以外の部分が見えず、適正に評価しにくくなるためです。社員が「どうすれば評価されるのか」と目標を見失うこともあります。

1時間あたりの目標や工数を設定する、業務を遠隔で一元管理できるシステムを導入するなど、プロセスを評価する仕組みを考えましょう。

セキュリティ対策を強化する

セキュリティ対策の強化も、ワーケーション導入を成功させるための重要なポイントです。セキュリティ対策の甘さが原因で情報漏洩が起これば、企業の信用に関わります。

社員によってセキュリティ対策のレベルに差が出ないように、技術的・物理的の両面からセキュリティ対策を行いましょう。

・セキュリティ対策に関する研修を行う

・PCにセキュリティソフトをインストールする

・無料Wi-Fiに利用を防ぐために、ポケットWi-Fiを貸し出す

・VPNによる暗号化や多要素認証を活用する

慣れてくると「これくらい良いか」と油断しがちなので、定期的にセキュリティの状態をチェックすることも重要です。

まとめ

ワーケーションには、ワークライフバランスの実現や社員満足度の向上といったメリットがあります。その一方で、勤怠管理がしづらい、人事評価が難しいなどのデメリットもあるため、導入は慎重に検討することが大切です。

導入を決めた場合は、事前に勤怠管理体制や人事評価制度を整える、セキュリティ対策を強化するなどの準備をしておきましょう。

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