「育児」と「仕事」を両立する不安と葛藤。ヴィスで実現する「はたらく人々を幸せに。」とは

近年、働き方改革の推進を背景に、「育児と仕事の両立」もひとつのテーマとなっています。しかし、依然としてライフイベントによる継続就業の課題はあるようです。中でも、女性は出産や育児を機に、退職を考えたり、退職を推奨されたりするケースは少なくありません。 「出産や子育てをしながら、ワークライフバランスも大切にした仕事がしたい」「だれもがイキイキ働ける世の中を作りたい」そんな風に考えている方もいるでしょう。希望する人すべてが理想の働き方を実現できる社会にするには、どうすればいいのでしょうか。今回は、そんなテーマをもとに、働きやすさの実現に取り組む株式会社ヴィスの辻川さんへインタビューしました。小学生の娘さんと1歳になる息子さんを子育てしながらはたらき、現在はCHO(Chief Happiness Officer)としても活躍されています。

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「育児」と「仕事」を両立するうえでの課題

属人化していると業務が停滞しやすい  

産休・育休などを取得した際や子の体調不良等で急なお休みがあった際に、その方が担当していた仕事が属人化していて、業務が停滞してしまうケースは多いです。特に中小企業や部署立ち上げ期などでは、課題になるのではないでしょうか。

実際、私が育休から復帰した際も、新入社員教育を一人で担当していました。3日間のオリエンテーションだったのですが、急なお休みがあった場合に代えがきかず、周りからのサポートを受けようにも復帰したばかりで仕組みも整っていなかったため、自分以外では対応出来ない状態でした。

私でなくても業務ができる、誰でもサポートに入れる状態にするために、まず最初に取り組んだのは、仕組みづくりです。属人化している部分をみつけては、業務フローを確立し、きちんと情報をアウトプットしました。土台を整えておけば、お互い困った時にも助け合えるなと感じています。

子育てしながらでもキャリアアップできる環境

同じワーママの友達と話していると、「時短勤務で働いたり、部署変更をしたりすると、キャリアアップがしたくてもできない」といった話を聞くことがあります。

自分の理想の働き方を実現しても、なかなか評価が上がらなかったり、成果が出なかったり、と悩む方も多いでしょう。

ヴィスでは、柔軟な働き方を推奨した上で、その後のキャリアアップに支障が出ないよう、評価基準にも柔軟に配慮しています。そのため、異動した先でキャリアアップを実現しているメンバーも多くいます。子育てをしているとどうしても急なお休みを頂くことが多い中でも、しっかりと業務内容をみて評価をしてくれるのはありがたいことだと感じます。

求められるのは、「子育て」が受け入れられる安心感

子育ては、家族や周囲のサポートがとても大事です。初めての経験だらけの子育てを、孤育て(=一人での子育て)にならないよう、周りも協力をして環境を整えることが必要だと考えています。

その点、ヴィスには、子育てを経験していないメンバーも含めて、みんなで子育て社員をサポートする文化があるなと思います。

普段からパパ社員が子どものお迎えにいってきたという会話があったり、出産や復帰する人の背中を押すような雰囲気もあったりと、子育てが特別なことではなく当然のように受け入れられている環境です。

私自身としては、今年で娘が小学校3年生になるのですが、小学校でコロナが蔓延してしまい、仕事中に急遽の迎えが必要になったことがありました。その際も、すぐにテレワーク勤務に切り替えることができ、柔軟に対応をしてもらったんです。

普段から休日に同僚と家族ぐるみで遊んでいる人も多く、お互いに顔を合わせていることもあり、子どもの急病なども自分事のように心配してくれて、急な休みなども理解が得やすい点も有難いです。

また、妊娠中にも働きやすいと感じる場面がありました。妊娠をすると、定期検診で平日昼間にも病院へ行く必要があるので、意外と頻繁にお休みを取る必要があるんですね。ヴィスでは勤務時間の前後2時間であれば時短勤務をすぐとれるので、助かりました。

育休産休という制度面が整っている以外に、労務チームのサポートが手厚く、産休前にはきちんと面談して沢山フォローしてもらいました。

育休から復職する際にも、生活スタイルにあった働き方を相談できました。実際に、プロジェクトマネージャーからマーケティング部、またクリエイターデザイナーからアシスタントチームなど、柔軟な異動も認められています。

育休前と復帰後では、生活時間や一日の流れが変化するため、従来の働き方では難しいことも多いです。自分に合ったキャリアを相談でき、ワークライフバランスも実現できる点がとてもありがたいと思いました。

働く人すべての「働きやすさ」を実現していくには

あらゆる人の「幸せ」を尊重し、多くの選択肢をつくること

固定観念や文化を変え、もっと手の届きやすいサービスを目指していくべきだと考えています。

さまざまな会社を見ている中で、独身だから、結婚しているからという属性ではなく、どんな人でも該当し、幸せになれるような施策を進めていけると良いなと感じています。

もちろん制度があるだけじゃなく、カルチャーとして根付いていくために発信していくこと、制度を使ってもらうこと、そういうアプローチも必要ですね。

全社的に「働きやすさ」を追求すること

当事者だけではなく、全社的に「働きやすさ」に向き合っていくことも重要と感じます。

ヴィスでは、多くの企業に働く提案をしていますが、自社でも積極的に働き方改善に取り組んでいます。

例えば、東京オフィスでは、働き方の変化に柔軟に対応できる、「アジャイルオフィス」を採用しています。時代の変化や状況に合わせて、柔軟にレイアウトを変更することができるワークスタイルです。

このように、常に体制もアップデートしていく文化があるのが良いところですね。

その中でも、2021年9月から始まった全社的な動きが、『はたワクプロジェクト』という働き方の改善委員会です。『ワク』には、「わくわく」と「ワークライフバランス」のふたつの意味があります。ヴィスのパーパスである「はたらく人々を幸せに。」に則り、会社と社員がwin-winの関係であるために、働く私たち自身が幸せになろうという思いが込められています。

有志の10人で、半年ほどかけてどのような働き方にするべきか検討をしました。その結果、実際に2022年4月から在宅勤務、時差出勤、時間有給が新たに制度として導入されています。

■在宅勤務
コロナ禍になり、感染防止対策の一環として取り入れていましたが、今期からは移動時間短縮軽減を目的として引き続き取り入れていきます。

■時差出勤
コロナ禍になり、感染防止対策の一環として取り入れていましたが、働き方の多様化で採用効率・ワークライフバランス向上を目指すためにテレワーク時も可能になりました。

■時間有給
今までは午前休・午後休という区分での有給でしたが、時間制限のある私用(区役所・子供の迎え・病院・CSR個人活動)を全メンバーが平等に対応できるようにするため、1時間単位の有給が取得できるようになりました。

自分のできることで、「働きやすさ」を考えること

自分のできる業務、責任のなかで、あらゆる人の「働きやすさ」を考えることも大切です。

私自身は、CHO(Chief Happiness Officer)として、より制度を充実させていけたらと考えています。コロナ感染予防という目的だけでなく、より働きやすさを追求したワーキンググループの役割を引き継いでやっていくのが狙いです。

また、離職率を下げて、定着率を上げるオンボーディング施策にも現在取り組んでいます。その一環として、メンター制度や会社のカルチャーの浸透をしていく必要性を感じています。

メンター制度に関しては、私自身やりがいを感じる施策でもあります。新入社員一人ひとりのタイプを見極めて、2年目のどの社員と合いそうかを考えてマッチングさせることが私の仕事になります。メンター・メンティで良い関係を築いてほしいとの思いで試行錯誤しているので、「この先輩と話せてよかった」などというフィードバックをもらえると、とてもやりがいを感じます。

会社の働きやすさ向上や、一人ひとりの思い描くキャリアの実現の施策に、もちろん正解はないでしょう。社員の声や色んな立場の方の悩みを積極的にキャッチアップし、CHOとして、今後も尽力していければと思っています。