「4 Your Life」を実現するオフィス。住む、働くを超えた快適な空間に。

東急不動産株式会社が開発した、職住一体型の賃貸住宅『BPRレジデンス大阪本町Q』。2階にあるコワーキングラウンジは、『4 Your Life(フォー・ユア・ライフ)』をコンセプトに、株式会社ヴィスが内装の設計・デザインを担当しました。今回は、東急不動産の近藤大さんに、ヴィスと推進したプロジェクトについて、忌憚ないご意見を伺いました。

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新しいチャレンジで、ワクワクしたプロジェクト。

提供場所:4YL「株式会社SYNTH サテライト本町

──どのような課題がありましたか?

東急不動産の中で、賃貸住宅の企画や開発が私の仕事です。当社の方針は「より良いものをお客様に提供する」ということ。高級路線で、高付加価値の物件の開発が、常に課題としてあります。今回、ヴィスさんにお願いしたのは『BPRレジデンス大阪本町Q』におけるコワーキングラウンジの内装デザインですが、実は2階区分の構想段階から携わっていただきました。

最初、入居者への付加価値をつけたいと考えていました。そこで、課題解決に向けて社内でワークショップなどを開催しながら、社外のアイデアを募るため、数社にお声掛けしました。そのうちの1社がヴィスさんでしたね。

──当社に魅力を感じた点はどこでしょうか?

実際にヴィスさんが手がけられたオフィスビル『The Place』を拝見し、デザイン性はもちろん、仕事が捗りそうな心配りが随所に見られ『はたらく人々を幸せに。』という理念が具現化されていると感じました。

当社としては「コワーキングラウンジ付きの賃貸住宅」の開発は過去に事例がなく、新鮮でしたね。初の試みなので、右も左もわからない状態の中、綿密なマーケット調査や競合他社との差別化など、いわゆる内装デザインの提案だけに留まらない一歩踏み込んだ内容に衝撃を受けたことを覚えています。

──プロジェクトを推進した感想を教えてください。

ヴィスさんには、賃貸住宅を開発している2階区画の構想段階から参画していただきました。それが2021年の春頃で、提案日は6月24日ですね。複数のチームでプロジェクトを推進していたのですが、きめ細やかな仕事とともに、冗談も言い合えるようなカジュアルなコミュニケーションもはかれたので「こうして欲しい」という要望を言いやすい環境でした。

振り返ると、最高のチームで楽しいプロジェクトでしたね。相談の段階では、ヴィスさんにコワーキングラウンジのデザインから運営までをすべておまかせしたいと考えていたのですが、運営に強みを持つ株式会社SYNTHさんが参入してくださり、さらに付加価値の高い賃貸住宅を開発することができたと思います。

厳しい制限条件を、ポジティブな魅力に変えて、逆転へ。

──提案したコンセプトは、いかがでしたか?

当社が開発した、快適な「住む場所(1st Place)」へヴィスさんが、快適に「はたらく」ことができる場を実現するために「サードプレイス(3rd Place)」を作る。そのふたつの要素をミックスして、『4 Your Life(フォー・ユア・ライフ)』というコンセプトを提案してもらいました。コロナ禍によりオンラインミーティングが加速度的に広まる中、既存の働く場所(2nd Place)という概念を超えた、新たな居場所として「サードプレイス」を兼ね備えた物件は、時代が求めている答えのひとつだと思います。

──入居者の方の評判や、反応はどうでしょうか?

ときどき様子を見に行くのですが、コワーキングラウンジで常に複数名が働いているのを見かけるので、「コンセプト通りに、使ってもらっているな」と、嬉しい気持ちになりますね。入居者の状況は、「一気に増加した」というより、徐々に増えているイメージです。まだ、「コワーキングラウンジ付き賃貸」で検索をする方が少ないからでしょう。賃貸住宅を探している中で「楽しく働ける場所があれば、より便利だよね」と、入居を決めているように感じますね。

ただ、実際に見学に来たり、パンフレットを見たりして、「コンセプトに共感して決めました」というケースも多くなってきたと聞いています。入居者の属性は、会社員がメインです。個人で借りている方もいれば、法人契約のお部屋もあります。法人で借りるということは、一般企業にとっても「はたらきやすい、職住一体型」というスタイルが、社員にとってメリットがあると感じているからではないでしょうか。時代のニーズに合っていると実感します。

──コワーキングラウンジで、気に入っているところは?

全部ですね(笑)。デザインはもちろんですが、好ましいと感じたのが、きめ細やかな配慮。たとえば、ラウンジの個室が部屋番号ではなく、ハーブの名前になっていたり、柔らかな光を産み出す間接照明であったり、もっと細かいところではコンセントの配置にも気を使っていただき、機能美に溢れています。

中でも、一番好きなのは当社のイメージカラーが使われている、ライトグリーンの通路ですね。ゲートの雰囲気を醸成し、美しい出来栄えです。この箇所、実は「天井が低め」という厳しい制限がありました。そこをネガティブなことと捉えず、「奥行き」として捉えることで逆に持ち味にして、ポテンシャルを引き出す手腕は本当に素晴らしいし、感動的でしたね。

──今回のプロジェクトはいかがでしたか?

高評価ですね。かかった費用を当たり前以上に感じるほど完璧に仕上げてくださっていると思います。そのおかげもあり、家賃を高めに設定しても入居者に満足していただける高付加価値の物件になり、当社としても初挑戦で良い成功事例になったと確信しています。そして何より、一緒にプロジェクトを推進していて、楽しかったですね。綿密にコミュニケーションを図りながら、こちらの要望に対して、素早く柔軟に対応してもらいました。

想像を超越した提案に、新鮮な驚き。

──内装デザイン以外のクリエイティブはいかがでしたか?

正直、「こんなところまで提案していただけるのか!」と驚きました。先述した通り、初回の提案段階で『4 Your Life(フォー・ユア・ライフ)』のコンセプトを提示していただくとともに、それに沿った『4YL』のロゴ、さらにパンフレットやプロモーションの仕方、サイトや販促物での「魅せ方」も盛り込まれた提案というのは、これまで経験したことがありません。

我々不動産屋がパンフレットなどを制作すると、どうしても間取りなどの物件情報だけを詰め込んだ「不動産っぽい」制作物になってしまいます。ヴィスさんの提案には使用者目線が取り入れられていたり、間取り以外の魅せ方だったりというクリエイティブ要素がふんだんに散りばめられており「こんな宣伝の方法や、新しい表現があったんだ」という、気付きと発見をもらいましたね。

──どのような企業に、ヴィスが合いそうでしょうか?

今回、2階区分をお任せしたのですが、空間の使い方や魅せ方が絶妙。働きがいのあるオフィスを求めていたり、悩んでいたりする企業に、オススメしたいですね。あとは何と言っても熱意と柔軟性。「こんなオフィスにしたい」という想いを、デザインで解決するのがヴィスさんの真骨頂なので、妥協したくない、こだわりの強い企業ほど、向いているのではないでしょうか。あとは個人的見解ですが、厳しい条件でもプラスにしてくれるのが、独自の持ち味だと思うので、オフィス以外の空間デザインにも挑戦されてみてはいかがかなあと感じています。

【さいごに】

「最高のチーム」と、高い評価をしていただき、大変恐縮するとともに、ヴィスとしてもメンバー全員が、やり甲斐と楽しさを感じられるプロジェクトでした。『4 Your Life(フォー・ユア・ライフ)』というコンセプトには、「働くに特化された環境で得るステータス」「自由にくつろげる」「周囲を気にせず集中できる」「利用することが楽しみになる」という想いも込められています。

お忙しい中でインタビューを受けていただいた東急不動産の近藤様、本当にありがとうございました。

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