オフィスに休憩室を設置する重要性とは
事務所衛生基準規則では、休憩の設備を設けるように努めなければならないとされています。とはいえ義務ではないため、必ず休憩室を設置する必要はありません。
とはいえ、休憩室の有無は社員の働きやすさに大きく影響します。休憩室があれば、オンとオフを明確に切り替えられるため、メリハリをつけて仕事に取り組めます。
休憩室でリフレッシュできることで、疲労が蓄積しにくくなり、心身の不調の予防や改善も図れます。
オフィスに休憩室を作るメリット
休憩室は、仕事の合間や休憩時間などに社員にリラックスしてもらうためのスペースです。「事務所衛生基準規則」では、オフィスには休憩室を設置するよう努めなければならないと定められています。
休憩室は社員が休息をとれるだけでなく、企業側にもさまざまなメリットがあります。オフィスに休憩室があることはどのようなメリットがあるのでしょうか。
社内のコミュニケーションが活性化する
休憩室は部署の垣根を越えて社員がコミュニケーションをとれる場所のひとつです。仕事の話から雑談までさまざまな話題で交流することで、社員同士のコミュニケーションが活性化します。
休憩室があることで、部署間での情報交換も容易になり、仕事への理解も深まるでしょう。また、仕事上のアドバイスをもらえたり、何気ない会話から仕事に活かせるアイディアが生まれたりすることで、社員がよりクリエイティブに働くことにつながります。
リフレッシュ効果で業務効率が向上する
仕事が忙しいときや、良いアイディアが思い浮かばないとき、休憩室で休息をとることで心も体もリフレッシュできます。
一時的に仕事から離れられる環境があることで良い気分転換になるため、休憩後の業務効率の向上も期待できます。もし個室の休憩室があれば、社員は休憩時間を好きなように過ごせるため、よりパフォーマンスを発揮しやすくなるでしょう。
また、休憩室で気分転換をすることは、新しいアイディアが生まれることにもつながります。
社員の満足度が向上して離職防止につながる
休憩室の環境を充実させることは、社員の仕事へのモチベーションを保つことにもつながります。
仕事へのモチベーションを保ちやすい環境は、「働きやすい職場」として離職率を低下させる効果が期待できるでしょう。
優秀な人材の流出を防ぐ方法としても、休憩室は大きな役割をはたしているのです。
企業のブランディングにつながる
休憩室を設けることは社員だけでなく外部に対しても良い印象を与えられます。ホスピタリティが充実していることは、社員を大事にしている会社であり、働きやすい環境を整えていることをアピールできるからです。
たかが休憩室と思う方も多いかもしれませんが、働きやすい会社を求めている就活生や求職者は少なくありません。社員のことを考えて作られた休憩室の存在は、会社の魅力として十分にアピールできる要素になるでしょう。
オフィスに休憩室を作る際のポイント
最近は休息をとる場所としてだけでなく、リラクゼーションルームやカフェを設けた空間にするなど、さまざまな企業が工夫をこらしています。
「休憩室」として部屋を設置する以外にも、リフレッシュできるエリアやスペースを作ることができます。大切なのは、オフィスという空間全体を考え、社員の拠り所となる居場所をつくることです。
コロナ禍によってリモートワークが浸透し、オフィスで働くことの価値が大きく変わりつつあります。多様な働き方に対応するためには「オフィスでありながらオフィスではない空間」を作ることを意識しましょう。
では、社員にとって快適で企業にとってもプラスになる休憩室とは、どのような空間なのでしょうか。オフィスに休憩室を設置する際のポイントについて解説していきます。
「オフ」できる空間作りをする
リフレッシュ効果を高めるために、休憩室を作る際は仕事と休息のメリハリがつくような空間を作ることが重要です。
自然を感じられるインテリアを取り入れる
植物や自然などを感じられる「バイオフィリックデザイン」のインテリアを取り入れてみましょう。
バイオフィリックとは自然や生き物などを意味する「バイオ」と愛好を意味する「フィリア」をかけ合わせた造語です。人間は本能的に自然を好むといった考え方がもとになっており、観葉植物から癒しを感じる人は多くいます。
本物の観葉植物の管理が難しい場合は、フェイクグリーンを使用することもおすすめです。フェイクグリーンなら、ヴィスの大阪オフィスのように壁一面に敷き詰めて森の中のようにすることもひとつのアイデア。また、緑色のカーペットを敷くだけでも、雰囲気は変わります。
窓に面したレイアウトにする
デスクワークがメインの社員は、外の景色を見る機会があまりな場合も多くあります。窓に面している場所に休憩室を設置すれば、休憩時に外の景色を眺めることで疲れを軽減する効果が期待できます。自然の光も浴びられると、リフレッシュの時間が生まれる空間になるでしょう。
カフェスペースを設置する
休憩スペースにドリンクサーバーやお菓子などを設置して、社員が自由に使えるようにしておくと、社員の満足度向上も期待できます。
ゆっくりコーヒーを飲んだり、デザートとしてお菓子を食べたりできるため、お昼休みの休憩だけでなく、小休止をとりたいときにも便利です。
またカフェスペースは、部署を超えたコミュニケーションのきっかけが生まれる場所としても有効です。普段はあまり話をする機会のない同僚と話す機会がもてるようになり、職場の雰囲気も良くなることが期待できます。
1人で利用できるスペースを設ける
コミュニケーションを活性化させるだけでなく、ひとりでゆっくりと休めるスペースも必要です。誰でもたまには、ひとりで休憩をとりたくなることがあります。
ある程度の広さを確保していれば、休憩室内に複数人で談話できるスペースとひとりのスペースの両方を設けられるでしょう。距離が離れていれば、ほかの社員のことを気にせず落ち着ける時間を過ごせます。
社員の意見も取り入れる
休憩室は社員に使ってもらうことが前提のスペースであるため、社員の意見や要望を取り入れることが重要です。
同じ会社で働く社員といっても、性別や年齢によって休憩室に求めるものは異なります。なるべく多くの社員にヒアリングをし、意見や要望を休憩室作りに反映させると、よりホスピタリティの高い休憩室になるでしょう。
用途に柔軟性をもたせる
休憩室は社員のリフレッシュできるスペースとしてだけでなく、幅広い用途に活用できるようにしましょう。
たとえば、カフェスペースを設置して打ち合わせや来客対応に使用したり、レイアウトを自由に変えられる仕様にして繁忙期にワークスペースとして活用したりなどです。スペースに余裕がある場合は、社内イベントを行う際の会場にしても便利でしょう。
企業ブランディングを意識する
休憩室のデザインを決める際は、企業ブランディングを意識することも重要です。なぜなら休憩室は、企業イメージを伝える場所としても有効だからです。
内装や家具のデザインなど、オフィスのあらゆる場所に企業のオリジナリティを出すことで、休憩室を訪れる社内外の人々に対して企業イメージを効果的にアプローチできるでしょう。
オフィスに設置した休憩室の事例
実際にオフィス内に設置した休憩室の事例をふたつ紹介していきます。
【ヤフー株式会社】「田舎に帰ろう」をコンセプトにしたリフレッシュスペース
ヤフー株式会社の名古屋オフィスでは、以前まで倉庫として使用していた場所を休憩室に作り変えました。
「田舎に帰ろう」をコンセプトにしており、全体的に緑色を基調としたデザインです。自然豊かな田舎にいるような感覚でリフレッシュできます。スツールには本物の切り株を使用しており、自然の温かみが感じられます。
ソファは幅が広く二段になっており、座って休憩するだけでなく、寝転んで休憩することもできます。
ひとりでリフレッシュしたいときや、複数人で談話したいときに休憩をとれる場所です。
【株式会社フライトホールディングス】コワーキングスペース兼リフレッシュスペース
オフィスの増床改装を行った際に、コワーキングスペース兼リフレッシュスペースを設置した事例です。広いスペースの中に、仕事をする場所と休憩をする場所が設けられています。
休憩用のスペースにはひとり用のスペースとボックス席があります。ひとり用の方は窓に向かって座るようになっているため、外の景色を眺めながらリフレッシュできます。ボックス席の方は3〜4人で談話しながら休憩を楽しめます。
テーブルとホワイトボードが設置されているところもありミーティングを実施することも可能です。コワーキングスペースとして使用する場合には好きな場所を選んで使えます。
オフィスデザインに迷ったらヴィスがおすすめ
休憩室のデザインに悩んだら、ヴィスにご相談ください。ヴィスはそれぞれの企業や社員の働き方に合わせたプランやデザインをご提案いたします。
レイアウトから、企業イメージを取り入れたインテリアや家具の設置まで、トータルでデザインできるため、理想の休憩スペース を作りあげます。
また、ヴィスは休憩スペースのデザインだけでなく、オフィスの新設や移転、引越もお手伝いしています。移転コンサルティングと物件検索で理想のオフィスを簡単に探すことができ、ワークプレイス可視化レポートの「wit」で、いつでも最適な不動産情報が得られるでしょう。通常の業務に支障をきたすことなくオフィス移転を成功に導きます。
オフィスデザインに関するお悩みやお困りごとがあれば、ヴィスまでお気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は休憩室がオフィスに与えるメリットや休憩室を作る際のポイントなどについて解説しました。
社員の休息の場として設置を努めるよう定められている休憩室ですが、近年は社員のエンゲージメント向上や企業ブランディングのために、リラクゼーションルームやカフェスペースなどを設置する企業が増えています。
オフィスをリニューアルする際は、オンオフを切り替えることで得られる効果をもとに、休憩室の設置を検討してみてはいかがでしょうか。