大阪で理想のオフィスを実現するには?最新オフィスデザイン事例と成功のポイントを徹底解説

大阪のオフィスデザイン事例と成功のポイントを紹介。働き方に合った空間づくりのヒントが得られます。

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働き方の多様化が進む中、企業のオフィスに求められる役割も大きく変化しています。特に大阪では、地域性やビジネス環境の特性を活かしたオフィスデザインが注目を集めており、単なる「働く場所」から「企業価値を体現する空間」へと進化しています。
本記事では、「大阪のオフィスデザイン事例」をテーマに、最新のトレンドや注目の事例、成功のためのポイントを体系的にご紹介します。これから大阪でオフィスの移転や改装を検討している企業の総務担当者や経営層の方々にとって、実践的なヒントとなる内容を盛り込んでいます。
また、記事内では実際の事例をもとに、どのような工夫が成果につながったのかを具体的に解説。ぜひ最後までご覧いただき、理想のオフィスづくりにお役立てください。

1. 大阪におけるオフィスデザインの特徴と注目の背景

1.1. 大阪のビジネス環境とオフィス需要の変化

近年、大阪ではスタートアップ企業の増加や関西圏におけるビジネス拠点の再編が進んでおり、オフィスの在り方に対するニーズが大きく変化しています。特に、コロナ禍を経てテレワークと出社のハイブリッド型勤務が定着したことで、従来の固定席中心のレイアウトから、柔軟性を重視した空間設計への関心が高まっています。

また、大阪は東京に比べて賃料が比較的安定していることから、企業がオフィスの「質」にこだわる傾向が強く、ブランディングや社員満足度向上を目的としたデザイン投資が活発です。

1.2. 地域性が反映されたデザイン傾向とは

大阪のオフィスデザインには、地域性が色濃く反映されています。例えば、関西ならではの「人との距離感の近さ」や「コミュニケーションの活発さ」を意識したレイアウトが多く見られます。オープンな打ち合わせスペースや、社員同士が自然に交流できるラウンジエリアの設置など、働く人の心理的な距離を縮める工夫が随所に施されています。

さらに、地元企業の文化や歴史を空間に取り入れるケースも増えており、企業のアイデンティティを体現する場としてのオフィスが注目されています。

1.3. 大阪で人気のオフィスエリアとその特徴

大阪市内では、梅田・本町・淀屋橋・心斎橋といったエリアがオフィス立地として特に人気です。梅田は交通アクセスの良さと大型ビルの集積が魅力で、大手企業や外資系企業の拠点が多く存在します。一方、本町や淀屋橋は歴史あるビジネス街として、落ち着いた雰囲気と利便性を兼ね備えており、リノベーション物件も豊富です。

心斎橋周辺では、クリエイティブ系企業やITベンチャーが多く、デザイン性の高いオフィスが集まる傾向があります。こうしたエリアごとの特性を踏まえたオフィス設計が、企業のブランディングや採用力強化にもつながっています。

2. オフィスデザインの最新トレンド

2.1. フリーアドレスやABWの導入状況

大阪の企業でも、フリーアドレスやABW(Activity Based Working)といった柔軟な働き方を支えるオフィス設計が広がりを見せています。従来の固定席から脱却し、業務内容に応じて最適な場所を選べる環境を整えることで、社員の生産性や満足度の向上を図る動きが加速しています。

特にABWは、集中作業・打ち合わせ・リラックスなど、活動ごとに空間を使い分ける考え方であり、限られた面積でも多様な働き方を実現できる点が評価されています。大阪のオフィスでは、こうした設計思想を取り入れた事例が増えており、働き方改革の一環として注目されています。

参考記事:
フリーアドレスとは?メリット・デメリットから失敗を防ぐ方法、事例まで紹介

2.2. サステナブルな素材・設計の活用

環境配慮型のオフィスデザインも、大阪の企業において重要なテーマとなっています。再生素材の使用や、エネルギー効率の高い照明・空調設備の導入など、サステナビリティを意識した設計が求められるようになりました。

また、木材や自然素材を活用した内装は、社員の心理的な安心感を高める効果もあり、ウェルビーイングの観点からも支持されています。こうした取り組みは、企業の社会的責任(CSR)やESG経営の一環としても位置づけられ、ブランディングにも寄与しています。

2.3. 働き方改革に対応した空間設計

働き方改革の推進により、オフィスは「働く場」から「働き方を支える場」へと変化しています。大阪では、テレワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークに対応するため、オンライン会議に適した個室ブースや、集中できる静音エリアの設置が進んでいます。

また、社員同士の偶発的なコミュニケーションを促す「バッファスペース」や「カジュアルミーティングエリア」なども注目されており、業務効率だけでなく、社内のつながりを重視した設計が求められています。

参考記事:
良好な人間関係が構築できる職場環境とは?改善する方法も解説

2.4. おしゃれで機能的なレイアウト事例

大阪のオフィスデザインでは、「おしゃれさ」と「機能性」の両立が重要視されています。例えば、企業のブランドカラーを内装に取り入れたり、照明や家具の選定にこだわることで、来訪者や社員に強い印象を与える空間づくりが行われています。

一方で、見た目だけでなく、動線設計や収納スペースの工夫など、日常業務の効率を高める要素も欠かせません。こうしたバランスの取れたレイアウトは、社員の定着率や採用力にも影響を与えるため、設計段階から戦略的に考える必要があります。

参考記事:
働きやすい職場環境とは?働きやすい職場の特徴と職場づくりに成功した事例

3. 大阪で参考になるオフィスデザイン事例

大阪でオフィスデザインを検討する際、実際の事例を参考にすることで、自社に合った空間づくりのヒントが得られます。ここでは、実際に大阪でオフィスを構築・改装した企業の事例を8社紹介します。それぞれの企業が抱えていた課題と、それに対するデザインの工夫を通じて、オフィスがどのように企業価値を高める場となっているかを見ていきましょう。

3.1. NAX JAPAN株式会社

オフィスが手狭になったことがきっかけでスタートした移転プロジェクト。人が集まると窮屈さを感じる環境であることや窓から差し込む日光による室温上昇が業務に支障をきたすこともあり、快適性でも課題がありました。新オフィスのデザインテーマはスリランカ出身の建築家 Geoffrey Bawa の有名な作品「熱帯建築」。都市の閉鎖的な景観の中でも、自然と文化が共鳴し、心地よく働けるオフィス空間を設計しました。

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NAX JAPAN株式会社

3.2. センス・トラスト株式会社

「日本を代表する会社にする」という強い志を具現化すべくスタートしたプロジェクト。関西最後の一等地「グラングリーン大阪」にオフィスを構えることで、ブランディング強化やモチベーション向上、人材確保につなげていくことも見据え、唯一無二の空間を目指しました。ワークスペースとロビーの間には、働く姿そのものを魅せる演出として「KAKKOTSUKE ZONE(カッコツケゾーン)」を配置。アクティブに働く様子が自然と視線に入り、空間全体にエネルギーを与えています。

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センス・トラスト株式会社

3.3. 株式会社アジャイルウェア

コロナ禍により在宅勤務がメインとなり、コミュニケーションが希薄になったこともあり移転を決意。物件選定からこだわり、西日本で初めてWELL認証を取得したビルを選定しました。「ウェルビーイングを促進するオフィス」というゴールを目指し、社内でワークショップを実施。社員の方がより自由に、自分らしく、そして健康的に働ける環境となるようなカルチャープレイスを構築しました。

本オフィスは、第38回日経ニューオフィス賞 近畿ニューオフィス奨励賞を受賞しました。

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株式会社アジャイルウェア

3.4. 株式会社ミラタップ

コンセプトは『“はたらく”も楽しく、美しく。』。ミラタップ様の企業理念『くらしを楽しく、美しく。』に由来しています。働く空間にくらしの要素を取り入れるため、台所や居間など、家の間取りに基づいてゾーニング。さらにはキッチン、バスタブなど各所に自社製品を設置することで、ショールーム的役割をもたせながら、社員の方の製品に対する愛着や誇りを高めてもらえる空間として、仕事へのやりがいやブランドエンゲージメント向上につながる効果も狙っています。

本オフィスは、第38回日経ニューオフィス賞 近畿ニューオフィス奨励賞、日本空間デザイン賞2025 Longlistを受賞しました。

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株式会社ミラタップ

3.5. 京阪電気鉄道株式会社

「日常業務の効率性」「異常時対応の迅速性」「BCP機能の強化」を目的として、点在していた各部署を集約。 京阪電車の長所である”人と人とのつながりやあたたかさ”、”歴史を繋いできた鉄道に対する誇り”、”垣根を超えた活発な議論”に再注目し、かつ将来へ向けて新しい価値を生み出すことができるようなオフィス構築に取り組みました。 

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京阪電気鉄道株式会社

3.6. JFE商事株式会社

従来のオフィスは、グループ全体の機能最大化を目指し、各社が集結していましたが、各社ごとに間仕切りがあり専用空間の確保が優先されていたため、コミュニケーションが十分に取れないという課題がありました。WORK DESIGN PLATFORMによる分析をもとに、席数、会議室、収納の最適化を図り、コミュニケーションスペースを確保。また、グループ間の間仕切りを撤廃し、全体を回遊できる設計とすることで、偶発的な出会いやつながりが生まれ、エンゲージメントの向上に寄与しました。

本オフィスは、第37回日経ニューオフィス賞 近畿ニューオフィス奨励賞を受賞しました。

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JFE商事株式会社

3.7. 株式会社SNK

『RUSH』のコンセプトのもと、これからの世界に“RUSH”をかける本拠地となるオフィスを構築。多くのファンや海外の方も訪れる世界のSNK本社として、常に新しさを感じていただけるよう、すべての会議室にゲームのメインキャラクターをあしらい、それぞれのキャラクターが引き立つよう世界観がデザインされています。ブランディングを第一に考えた、今後もクオリティの高いエンタテインメントを世界へ発信し続けるオフィスです。

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株式会社SNK

3.8. 扶桑化学工業株式会社

帰属意識醸成のため、コーポレートカラーであるグリーンと白を基調に温かみと信頼感を演出。さらに自社事業への誇りをもてるよう、エリアごとに果実酸をモチーフとした天井塗装が施されています。固定席をベースに眺望の良い窓側に集中スペースを多く配置しており、その日の気分や仕事内容に応じてはたらく場所を選択できます。中央にはパントリーとリフレッシュエリアを設置しており、メンバーが集まり交流がしやすいレイアウトです。

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扶桑化学工業株式会社

4. オフィスデザインを成功に導くポイント

大阪でオフィスデザインを検討する際、単に見た目の美しさや流行を追うだけでは、長期的な満足度や業務効率にはつながりません。ここでは、実際のプロジェクトで成果を上げている企業の共通点から、オフィスデザインを成功に導くための重要なポイントを整理してご紹介します。

4.1. 目的に応じたゾーニングと動線設計

オフィス設計において最も重要なのは、「何のためにその空間をつくるのか」という目的の明確化です。例えば、集中作業を重視する部署には静音性の高いエリアを、チームワークを重視する部署にはオープンなレイアウトを設けるなど、業務内容に応じたゾーニングが求められます。

また、社員の動線を意識した設計も重要です。執務エリアから会議室、休憩スペースまでの移動がスムーズであることは、業務効率だけでなくストレス軽減にもつながります。

4.2. 社内コミュニケーションを促進する工夫

オフィスは単なる作業場ではなく、社員同士の交流を促す場でもあります。大阪の企業では、ラウンジスペースやカフェ風の打ち合わせエリアを設けることで、偶発的なコミュニケーションを生み出す工夫がされています。

また、部署間の壁を取り払ったレイアウトや、フリーアドレスの導入によって、社員同士の接点が増え、情報共有やチームワークの向上につながる事例も多く見られます。

4.3. 施工会社・内装会社の選び方と注意点

オフィスデザインの成否は、施工会社や内装会社の選定にも大きく左右されます。大阪には多くの施工会社がありますが、オフィスデザインに特化した実績を持つ企業を選ぶことで、設計段階から運用までスムーズに進めることができます。

選定時には、以下の点を確認すると安心です。

・過去の施工事例:自社と似た業種・規模の事例があるか
・コミュニケーション力:要望を的確に汲み取ってくれるか
・スケジュール管理:納期に対する信頼性があるか
・アフターサポート:施工後のメンテナンス体制が整っているか

 

4.4. コストとスケジュール管理のコツ

オフィスデザインには、設計費・施工費・家具費・移転費など、さまざまなコストが発生します。予算内で最大限の効果を得るためには、初期段階でのコスト配分の検討が不可欠です。

また、スケジュール管理も重要です。特に移転を伴う場合は、業務への影響を最小限に抑えるため、施工期間や引っ越し日程を綿密に計画する必要があります。大阪では、年度末や繁忙期に施工が集中する傾向があるため、早めの準備が成功の鍵となります。

5. まとめ

大阪でオフィスデザインを検討する際には、地域性や企業文化を踏まえた空間づくりが重要です。フリーアドレスやABWの導入、サステナブルな素材の活用、社内コミュニケーションを促進する設計など、トレンドを押さえつつも、自社の課題や目的に合ったデザインを選ぶことが成功の鍵となります。

また、施工会社の選定やコスト・スケジュール管理も、プロジェクトの成否を左右する重要な要素です。事例紹介で取り上げた8社のように、課題を明確にし、それに対する具体的な解決策を空間に落とし込むことで、社員の満足度や業務効率の向上につながります。

オフィスは、企業の価値を体現する「顔」であり、働く人々のモチベーションを左右する場でもあります。ぜひ本記事を参考に、自社にとって最適なオフィスデザインを実現してください。

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