スケルトン天井とは?オフィス導入のメリット・デメリット・費用相場を解説

スケルトン天井は、天井パネルを付けない分、開放感を得やすいのが特徴です。また、おしゃれな空間を演出したい場合にも向いています。スケルトン天井の費用相場は1坪あたり約5万円が目安ですが、ビルの条件や工事内容によって大幅に変わる場合もあるため、事前によく調査して計画することが大切です。 本記事では、スケルトン天井のメリット・デメリットや施工費用、取り入れる際の注意点などについて解説します。店舗やオフィスにスケルトン天井を導入する上で、知っておきたい情報をまとめていますのでぜひご覧ください。

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スケルトン天井とは?

スケルトン天井とは、天井の内装や、天井内のダクトなどを隠す表層材がなく、躯体がむき出しになった天井のことです。一般的な天井は、石膏ボードなどの天井材を貼って躯体を隠しますが、スケルトン天井ではコンクリートがむき出しのまま仕上げます。

コンクリートの無骨さをインテリアとして活かす方法の他、塗装によって印象を変えることも可能です。スタジオや商業施設など、天井高が必要な場所でよく用いられていますが、シンプルで洗練された空間演出が可能なため、近年は企業オフィスに採用されるケースも増えています。

天井高が人に与える影響

天井の高さは、空間の印象だけでなく室内にいる人にも影響を与えます。天井は空間に占める面積が大きいこともあり、天井が低いと閉鎖感や圧迫感を感じやすくなります。反対に、天井が高いと広々とした印象が生まれ、その場にいる人も開放感を感じられます。

スケルトン天井にすることで、一般的な天井に比べて天井高が約80cm以上上がると言われます。オフィスの場合は、室内で働く人の創造性を刺激することができ、クリエイティブな作業がしやすいといったメリットを得られるでしょう。

ただし、天井高が高すぎると、広すぎて落ち着かない印象を与える場合もあるため、広さや用途とのバランスが大切です。

スケルトン天井のメリット

スケルトン天井の主なメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • 空間に開放感が生まれる
  • ・デザイン性が高い
  • ・空間にメリハリをつけられる

スケルトン天井は、床から天井までが高くなり、スペースに開放感が生まれます。一般的な天井よりも天井高が高いため、広々とした空間を演出することが可能です。また、社員のクリエイティビティや業務パフォーマンスの向上にもつながると考えられます。

優れたデザイン性を持つ点も、スケルトン天井のメリットの1つです。一般的なオフィスのような無機質なスペースではなく、コンクリートの風合いによっておしゃれな空間を演出しやすいでしょう。

塗装を施すことで、ナチュラルな木目調の家具やきれいめなインテリアとも相性が良くなり、洗練された印象づくりにも有効です。前項の開放感も相まって、来訪者から好印象を持たれやすい空間を演出できるでしょう。

さらに、スケルトン天井にすることで、空間にメリハリが生まれます。シンプルさゆえに壁や床のインテリアを引き立たせる効果が期待でき、オフィス全体のデザインの幅も広がることが期待できます。

スケルトン天井のデメリット

スケルトン天井にはメリットがある一方、デメリットもあります。考えられる主な項目は、以下の通りです。

  • ・施工費用がかさむ
  • ・原状回復工事の費用も高くつく場合がある
  • ・照明器具の選定や明るさの維持が難しい

スケルトン天井にするために、天井のクロスやパネルを外す施工費用がかかります。また、天井の内部に敷き詰められている配線やダクトなどがむき出しになるため、回線をまとめるか、移設が必要となる場合もあります。配線工事は専門の業者に依頼しなければならないため、コストがかさみます。

さらに、スプリンクラーなどの天井防災設備や、照明器具の撤去・移設・増設も費用がかさむ大きな要因となるため考慮しておきましょう。

施工だけでなく、オフィス退去時の原状回復費用も別途発生します。入居に伴いスケルトン天井にする場合には、オフィスを引っ越す際の原状回復にて、入居時の状態に戻さなければならず、オフィス移転時に費用がかさむ可能性があります。

また、スケルトン天井は天井が高くなる分、一般的な天井と同じ照明を設置しても暗く感じる場合があります。オフィスの明るさは、仕事の生産性や働く人の視力、健康状態にも影響するため、必要な明るさを維持できる照明器具が必要です。

照明の数を増やす、LED電球を用いるなどの工夫を取り入れましょう。

オフィスにスケルトン天井を導入する際の注意点

スケルトン天井は、デザイン性の高い空間を作るために有効な選択肢の1つですが、気をつけたいポイントもあります。ここでは、オフィスにスケルトン天井を導入する際の注意点を2つ紹介します。

天井を開けるまで中の状態がわからない

オフィスでスケルトン天井を施工することが決まったら、予算を立てて施工計画を固める必要があります。ただ、天井裏がどのような状態なのかは、外すまでわかりません。そのため、どういった工事が必要なのか、どのくらいの費用がかかるのか、といった点がわからないまま工事するかどうかを決める必要があります。

また、天井の中を見た後で配線やダクトを大幅に移設するなど、工事内容が変わる可能性もあるでしょう。工事費用は、天井の仕上げ方法やコンクリートの劣化状況などによって変わりますが、天井を開けて初めて把握できます。場合によっては塗装工事なども必要になるでしょう。

最悪の事態を想定して、すべての工事が必要になった場合の予算も把握しつつ、準備することが大切です。

スケルトン天井ができないオフィス・建物がある

オフィスがスケルトン天井を施工できるかどうか、事前に確認が必要です。建築基準法や消防法の観点により、スケルトン天井にできないオフィスや建物もあります。また、入居時の契約で禁止されている場合も施工はできません。

費用面の課題をクリアできても、内装制限があれば施工できないため、事前に管理会社やビルのオーナーに相談しておきましょう。

スケルトン天井の費用相場

スケルトン天井の費用相場は、約5万円/坪が目安ですが、工事区分やビルの条件によっては金額が大幅に上下する場合もあります。スケルトン天井を施工する際には、天井ボードを取り除くだけでなく、配線やダクトの移設、照明器具や空調設備、警報器の設置、撤去した造作物の廃棄など、さまざまな費用が発生します。

さらに、スプリンクラーがある場合には、水抜きをした上で撤去し、再設置しなければならず、別途費用がかかります。天井を取り外す範囲や躯体のコンクリート状態も工事費用に大きく影響するため、相場費用は1つの目安として把握しておくのが望ましいでしょう。

スケルトン天井 まとめ

スケルトン天井は、天井を取り外すことでスタイリッシュな空間を演出しやすいインテリアデザインです。見た目の印象だけでなく、開放感が得られることで、オフィスで働く社員も快適に過ごせる、といったメリットが見込めます。

ただ、スケルトン天井を施工する費用がかかる上、天井が高くなる分、照明器具の選定や明かりの確保に工夫が必要になります。また、スケルトン天井の施工費用は、天井ボード下のコンクリートや配線、ダクトなどの状況によって変わるため、計画的に準備することが重要です。

株式会社ヴィスでは、オフィスデザインやレイアウト変更の実績が豊富です。空間デザインからオフィス家具の選定、移転コンサルティングまで用途やコンセプトに合わせてご提案いたします。スケルトン天井を使用したオフィス事例を下記よりご覧いただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。

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