海外のオフィストレンドを取り入れた企業事例を紹介

海外のオフィスのようにおしゃれなオフィスは、社員のモチベーションアップにつながり、企業イメージの向上に役立ちます。しかし、自社に取り入れるにあたり、なかなかイメージしづらい企業担当者も多いのではないでしょうか。そこで今回は、日本と海外のオフィスの違いを明らかにしながら、海外のオフィストレンドや日本での導入事例を紹介します。

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【日本と海外を比較】オフィスに対する考え方の違い

海外のオフィスデザインを取り入れる前に、まず日本と海外のオフィスの違いを知っておくことが大切です。違いを把握しておくことで自社のオフィスと相性が良いか精査できます。

ここでは、日本と海外のオフィスに対する考え方を踏まえ、レイアウトや環境に表れている違いを紹介します。

日本は「全体の和」を重んじる

日本人は「全体の和」を重んじる文化であるため、組織への所属意識が強いのが特徴。オフィスレイアウトにも考え方が反映されており、フロア内で部署ごとに机を向かい合わせで配置する島型が一般的です。

島型レイアウトのメリットはスペースの効率が良くなる点だけでなく、部署内の対面コミュニケーションが活性化するといったメリットも見逃せません。

海外は「個人主義」の考え方

海外では個人主義の考え方が文化として成立しており、能力の評価も個人単位でなされます。組織よりも個人が重視される風潮であるため、オフィスでは個人の仕事のしやすさを優先したレイアウトが主流です。

そのため、集中力をアップさせるために個人のスペースをパーティションで区切っていたり、別途休憩スペースが設けられていたりなど、オン・オフの切り替えが重視されています。

コミュニケーションについては、チャットやメッセンジャーなどのツールを活用しており、日本のように対面でのコミュニケーションは、それほど重視されません。

海外のオフィスのトレンドは「フレキシブルワーク」と「働きやすさの重視」

日本でも働き方改革が進み、多様な働き方が受け入れられ始めています。オフィスにおいても、フリーアドレスの導入やテレワークの対応など、主に効率化という観点から改革が進められるようになりました。

対して、海外のオフィスでは、個人が自由に働ける「フレキシブルワーク」と「働きやすさの重視」が引き続きトレンドです。働きやすい場の提供だけでなく、環境や制度作りも日本に比べて一歩進んでいます。

ABW/フリーアドレス

海外ではオフィス内外を問わず、あらゆる場所で働くABW(Activity Based Working)や、オフィス内に固有の自席を持たないフリーアドレスの採用が一般的です。働く場所や環境の選択肢が増えることで個人が働きやすい環境を実現でき、より良い成果を出せるようになると考えられているからです。個人も環境を自発的に選ぶことがトレンドになっています。

ABWやフリーアドレスは日本でも導入され始めており、多くの場合スペースの効率化やコスト削減が主な目的です。海外では、ABWやフリーアドレスを個人の快適性や生産性を高める目的で導入している点に大きな違いがあります。

ワーカーとワークプレイスに関するデータの活用

いつでもどこでも働けるフレキシブルワークの考え方が広まっていく中で、企業が社員の行動データを収集し、どのように有効活用するかも注目されるようになりました。根底にあるのは、仕事そのものよりも、働く人間にフォーカスした考え方です。

例えば、個人の行動やコミュニケーションスタイル、身体データなどを取得してウェルビーイングを高めたり、最適な働き方を提案したりするサービスを提供している企業もあります。

今後IoTやAIなどの活用により、データを活用した働き方へのアプローチはますます盛んになるでしょう。

遊びや癒しの空間づくり

海外では、業務効率を上げるためにオン・オフの切り替えが重視されています。そのため、オフィス機能に遊びや癒しの空間を設けることに積極的な点も特徴です。オフィスは長時間を過ごす場所であることから、オフィスの付加価値を高めることで、働きやすさや社員のエンゲージメントを追求する企業が増えています。

リフレッシュに有効なコーヒーカウンターやバーはもちろん、卓球台といった軽い運動ができる設備が代表的な例といえるでしょう。さらに進んで、ヨガクラスやネイルサービス、マッサージなどが受けられるスペースを設けているオフィスも見られます。オフィスに行くことが楽しくなるような工夫が施されているのです。

働きやすさを重視した独自のルール・制度

働きやすさを実現するには、オフィス設備などのハード面のみではなく、環境や制度などのソフト面も重要です。

海外では、疲労回復や仕事の効率アップのためにパワーナップ(短時間の昼寝)を導入しているオフィスが増えており、専用のスペースを設ける企業も多いです。

また、海外では自由に在宅勤務を選べる仕組みもいち早く導入されています。日本でも徐々に導入され始めているものの、フルタイムでの在宅勤務が普及している海外のほうが自由度が高いといえるでしょう。

家族の事情による急な在宅勤務への対応や子ども同伴での出勤が認められるなど、家庭を重視した働き方も浸透しています。

海外のアイデアを取り入れたオフィス事例

海外の働き方やオフィスに対するフレキシブルな考え方は日本にも普及してきています。意識すべきなのは、ただ海外の真似をするのではなく、優先順位を考えながら、海外の考え方も取り入れてモデルケースを生み出していくことです。

ここからは、海外の事例を取り入れたオフィス改装事例を3つご紹介します。

【パクテラ・テクノロジー・ジャパン株式会社】ABWを取り入れた、ヒトと技術をつなぐフラッグシップオフィス

パクテラ・テクノロジー・ジャパン株式会社のオフィスは、多様な働き方とコミュニケーション促進を目的としたデザインです。エントランスからの空間にカフェコーナー、オープンミーティングスペース、展示スペースを配置し、コミュニケーションやコラボレーションが自然に生まれる導線を作りました。

また、さまざまな用途で利用可能な可動式什器を取り入れたセミナールームや、用途に応じて選べるデザインの異なる会議室など、ABWを取り入れた設計であることも特徴。いずれも外光と開放感にこだわったレイアウトで、アイデアの創出をサポートしています。

【みそら税理士法人】自然の中にいるような開放感と居心地の良さを感じられるcafé office

みそら税理士法人のオフィスは、効果的にグリーンを配したデザインで、開放感と居心地の良さを感じられるカフェのような空間になりました。

エントランスのカウンター奥は、ドリンクスペースと柔らかな光が照らすソファ+テーブルのスペースです。視線が集まる場所への観葉植物の配置により、フォーマルさを持ち合わせながらも、自然の中にいるように落ち着ける空間となっています。業務の合間にほっと一息つけ、リフレッシュできるでしょう。

ワークスペースに続くガラス壁とグリーンカラーの床の会議室も、フロアの開放感に寄与しています。

【株式会社イクシング】グリーンウォールがあるクリエイティブラウンジ

株式会社イクシングのオフィスは白い塗装壁と木目を基調とし、ガラス製の間仕切りを採用して、開放感と暖かさを感じられる空間を演出しています。

最大の特徴は、オフィス正面に配したモニター付きのグリーンウォールのあるラウンジです。モニターを使ったプレゼンテーションやミーティングを行ったり、シアタースペースとしても活用したりできるフレキシブルな空間に。

グリーンウォールはワークスペースに癒し効果をプラスするだけでなく、空間を広々と見せる効果もあります。

まとめ

海外のオフィスデザインは、個人の働きやすさを重視しています。自社オフィスに海外のアイデアを取り入れることで、社員にとってより良い環境を整えることにもつながるでしょう。

海外のような洗練されたオフィスへの改装をお考えでしたら、オフィスデザインの実績豊富なヴィスにご相談を。課題解決を含めたコンサルティングもお手伝いします。