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ワンストップで任せられることと、高い提案力が決め手
──オフィス改装プロジェクトがスタートした背景を教えていただけますか。
当社は一昨年(2022年)に3社による合併を実施し、ビジョンを新たに策定しました。
・一人ひとりが主人公になる。そして、互いを尊敬し助け合いながら成長し、ミネラルで働いてよかったと言えるようになる。
というものです。そこで、このビジョンを体現するためのオフィス改装プロジェクトが立ち上がりました。
──オフィス改装前の課題はどのようなものでしたか?
改装前のオフィスは良くも悪くも「ザ・オフィス」といったレイアウトで、これといった特徴のないものでした。しかし、コロナ禍以降に在宅勤務が一般的になった結果、コミュニケーションが希薄になりつつあったのです。「出社して働きたい」と思える、ワクワク感のあるオフィスづくりはかねてから目標のひとつでした。
また、社内でアンケートをとったところ、実際に社員がさまざまな不満を抱いていることが明らかになりました。特に多かったのは「Web会議が増えた結果、会議室が足りなくなった」「リフレッシュスペースがない」「事業部をまたいだコミュニケーションがとりにくい」といった声です。
──当社に魅力を感じた点はどこでしたか?
まず、オフィス内装の企画、設計、工事、さらにその後のフォローまですべてをワンストップでできることがポイントでした。総務部が少人数である当社にとってこれは必須の条件でしたが、該当する会社は意外に少なかったのです。
数社からご提案をいただいた中でヴィスさんを選ぶ決め手となったのは、唯一ヴィスさんが2回目の打ち合わせを申し出てくれたことです。2回目の打ち合わせにはプロジェクトマネージャーだけでなく、内装デザイナーの方も来社し、オフィス全体を一緒に見てくれました。その上で、課題解決に向けた具体的なデザイン案を提案してくれたのです。
──提案内容の中で、どのような点を特に評価されたのでしょうか。
特に印象に残っているのは、「今の社長室は、窓から東京タワーが見える素晴らしい場所にあります。ここをリフレッシュルームにすれば、社員の皆さんが喜ぶと思います」というご提案と、「現在のオフィスは設計上ブラインドを閉じきっていて、ちょっと暗いですね。外光を取り込めば、見違えるように明るい職場になると思います」というご指摘です。
オフィスというと建物内部のことだけだと考えていた私たちにとって、恵まれた景色や自然光を活かすという総合的な発想はとても新鮮で、一発で心に刺さりました。
当初は「なんで2回も提案に来るの?」とやや怪訝に思っていましたが、その意図がわかったことでいつの間にかヴィスさんのメンバーに全面的な信頼を寄せていましたね。
ワークデザインサーベイにより、オフィス満足度を可視化
──ヴィスでは働く場所や働き方への満足度など、社員へのサーベイを定期的に実施して組織の課題を可視化する『WORK DESIGN PLATFORM(WDP)』を提供しています。このWDPを取り入れてくださった理由は何でしたか?
オフィスというものは一度つくって終わりではなく、時代の変化や社員の要望に合わせてマイナーチェンジし続けていくべきものです。そのためには改装前後の社員満足度はもちろん、その後の数値も継続して調査しなければなりません。
単なるエンゲージメント調査ではなく、オフィスのエリアごとの満足度調査など、緻密な調査ができるヴィスさんのサーベイは非常に魅力的でした。
WDPの詳細はこちらからご覧いただけます。
──今回のプロジェクトでは改装開始前と改装完了後にWDPを実施されました。結果をご覧になり、どのような感想をもたれましたか?
社員のリアルな満足度を知ることができ、たいへん有意義だったと考えています。例えば旧オフィスではコミュニケーションの満足度について「満足」および「やや満足」と回答した社員は50%ほどでしたが、改装後はこれが71.9%に上昇しました。「どちらでもない」と「あまり感じない」はいずれも10ポイント減となり、劇的に満足度が向上したことがわかります。
また、エリア別満足度を見ると、以前は「リフレッシュできる場所がない」「会議室が足りない」が不満の1位、2位を占めていましたが、改装後は2位に「不満がない」が入りました。これはリフレッシュルームの新設と、Web会議ブースおよび会議室の追加による効果です。なお、新たに1位となった「収納スペースに関する不満」はゾーンアドレス制に変更したことによる影響なので、じきに多くの社員が慣れていき、不満の比率が下がることも想定されています。つまり従来の課題はほぼ解消されたことになり、素晴らしい成果だと思います。
WORK DESIGN PLATFORMによるサーベイ結果(一部抜粋)
──コミュニケーションの課題は、どのように解消されましたか?
旧オフィスでは多くの社員同士が行き交う場が少ない直線的なレイアウトでしたが、新オフィスではゾーンアドレス制に変更し、回廊型のレイアウトをとることで、多くの社員の視線が自然に交わるようになりました。さらにリフレッシュルームを新設したことが、事業部を超えたコミュニケーション活性化をもたらしたのだと思います。
事実、偶発的なコミュニケーションを示す「セレンディピティ」の数値が10ポイント上昇しました。また、オフィスに対する愛着度は31.5ポイントから60.9ポイントに上昇しており、ほぼ倍増する結果になりました。
──WDPを実施して良かった点は何でしょうか。
オフィスの改善に向けて課題を正確に可視化できるところが良かったです。私たちも自社で社員アンケートをとりましたが、素人が設問を考えると、どうしても求めていたのとは違う回答が多くなり、課題を抽出するのが難しいものです。
また、オフィスができあがっても、「実際に働く社員が使えていない」「変えたことで不満に感じている」などと、新たな問題がでてきます。オフィスの改善に関することだけではなく、「社員の働きやすさ」そのものが定量的にわかるサーベイだと感じました。
エントランスのデザインで、自社製品の鉱物をアピール
──今回の改装プロジェクトで、特にこだわったポイントや、気に入っているところをお聞かせください。
以前は殺風景だったエントランスの壁に、自社製品を用いた装飾を施しました。当社の栃木鉱業所(水木鉱山)から採れる鉱物をパネル状に切断して研磨し、組み合わせたものです。
打ち合わせ時の思い付きから始まった企画ですが、実際は想像以上に大変でした。地元の石材業者さんから加工が難しい鉱物だと難色を示されたので、ヴィスさんのデザイナーと一緒に現地まで行って交渉し、ようやく実現しました。
石を磨いて変化をもたせたことで、とても綺麗に仕上がり、嬉しく思っています。ちなみに、鉱物に関する詳細の情報は壁面に表示したQRコードから閲覧でき、装飾と商品紹介を兼ねた内装となっています。
エントランス周辺ではそのほかにも、地層をイメージした縞模様の壁や、当社製品のドロマイトという成分を使ったガラスパネル、当社の事業・社員を象徴する絵画など、特色ある意匠を凝らしています。
絵画の制作はプロのアーティストに依頼しましたが、全社員が一筆ずつ色を塗っている箇所があります。みんなでつくりあげたアートということで、愛着がわきますね。
──エントランス周辺のデザインについては、社内外からどのような評価がありますか?
まず、社員からはとても好評ですね。これまであまり自社製品に馴染みのなかった事務方の社員も、自社の扱っている鉱物がどういうものか改めて学び、事業の意義を再認識してくれているようです。来社された社外の方からも「素敵なオフィスになりましたね!」と褒めていただいています。
また、新卒採用で来社した学生も興味をもってくださり、当社のビジネスや労働環境に対して良い印象をもっていただけるようになりました。
プロジェクトメンバーの粘り強いサポートに、社員一同満足
──今回の改装プロジェクト全体を振り返って、率直な感想を教えてください。
「大変すばらしかった」の一言に尽きますね。企画から完成までプロジェクトメンバーが粘り強くサポートしてくださったことが印象に残っています。
オフィス改装は進めていくうちにイレギュラーな問題が発生するものですが、そのたびに設計、デザイン、施工の各専門家が親身になって私たちの要望を聞き、解決案を提案してくださいました。その結果、理想に近い明るく開放的なオフィスができあがり、社員一同とても喜んでいます。
「地球が育んだ資源に感謝と情熱を注ぎ、最高の素材を創る」「JFEミネラルで働いてよかったと言えるようになる」といったビジョンにも一歩近づけたのではないか、と思います。
──どのような企業に、ヴィスが合いそうでしょうか?
ワンストップでオフィス改装を任せられるパートナーを探している企業に、自信をもってお勧めしたいです。特に、少人数で総務人事を回している会社にとって、プロ目線で熱心に提案してくださるヴィスさんは力強い味方になってくれるでしょう。
ヴィスさんが提案するオフィス改装は、見た目が綺麗になるだけではありません。何よりもそこで働く社員の働くスタイルや志向に寄り添ったうえで改善するものです。
例えば、当社も以前は固定席でしたが、新オフィスでは「役員は役員エリアでフリーアドレス、それ以外の社員はゾーンアドレス」という、柔軟な働き方ができる環境に変わりました。役員、社員が一丸となり、大胆な改革を成功できたのも、ヴィスさんのご協力のおかげだと思います。
【さいごに】
新たに策定された企業ビジョンを体現すべく、利便性・デザイン性ともに最善を尽くした今回のプロジェクト。インタビューを通じて、あらためて多くの社員の方に喜んでいただいていることがわかり、ともに取り組めたことを嬉しく思います。今後も引き続き社員の皆様にとって、より良いオフィス環境に向けた提案をしていきます。
お忙しい中、インタビューを受けていただいた宮部様には、心より感謝申し上げます。
WORK DESIGN PLATFORMの詳細はこちらからご覧ください。
https://vis-produce.com/download/wdp/
ヴィスへのお問い合わせは、こちらからどうぞ。