「働きがいのある会社」ベストカンパニー受賞!株式会社ヴィスの"7つの取り組み
株式会社ヴィスは、2021年版「働きがいのある会社」ランキング中規模部門ベストカンパニーを受賞しました。2019年から2020年にかけて実施してきた、下記の7つの取り組みが評価されています。
ITツールの導入とテレワークへのチャレンジ
『Microsoft365』の導入とともに、業務のデジタル化を進める取り組みです。どこにいてもオフィスにいるときと同等のパフォーマンスを発揮できる環境や、チャットツールを使用した効率的なコミュニケーションを実現しました。
あらかじめデジタル化を進めていた結果、新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワーク導入を比較的スムーズに行えた点も、メリットといえます。
デザイナーズオフィスビル『The Place』の建設
当社では、2010年に自社独自の目標としてNEXT10(2020年までに達成する目標)を掲げました。目標には『ヴィスビル』の建設も含まれており、デザイナーズオフィスビル『The Place』の建設を実現。培ってきた設計・デザインのノウハウをもとに、2020年1月に着工し、2021年1月に完工しました。
コワーキングスペースやルーフトップなどを設け、多様な働き方に対応しているのが特徴です。『The Place』の名には、「これからの働き方をデザインする" 場"を提供する」との想いを込めています。
東京証券取引所マザーズ上場
NEXT10で掲げた目標の中には、東京証券取引所マザーズ上場も含まれていました。社内で現場の声を取り入れながら規定の整備を実行し、業務フローの見直しを行ったことにより、無事2020年3月22日に上場を果たしています。
『VIS PRIDE』の作成
企業としての在り方を示す指針として、従来の「クレド」や「フィロソフィー」に加えて、新しい時代に合った共通認識を作成しました。
『VIS PRIDE(ヴィスプライド)』と名付けた行動指針には、業界や仕事に対する責任感、これまでの経営で培ってきた文化を言語化しています。
営業体制の変更
従来の担当者がひとりで一貫して対応する手法は、お客様に安心感を覚えていただける一方、業務量の増加にともない、継続が困難となりつつありました。
お客様のニーズへ対応できるよう、思い切って営業体制の見直しを行い、現在はセールスとプロジェクトマネジメントを分業しています。分業化によってそれぞれのプロフェッショナルが担当することとなり、業務効率化と品質の維持が叶いました。
新入社員研修の改革
以前まで、ヴィスでは新入社員の研修期間は1か月とし、その後は各チームで経験を積みながら学んでいくスタイルを採用していました。前述の営業体制の変更にともない、研修制度の見直しも行った結果、現在は研修期間を1年間へと延長しています。 体系的に業務スキルを学べる環境を構築したことで、新入社員の不安やストレス軽減にもつながりました。
エンゲージメントサーベイを活用した面談の実施
定期的にメンバーとチームマネージャーの面談を行ってきましたが、話す内容や進め方に各チームでバラつきが生じていることが課題でした。
2020年からは解決策として、事前に実施したエンゲージメント調査の結果をもとにミーティングを実施する手法へ変更しています。「被面談者の心理状態を把握したうえでミーティングできるため、具体的な不安や悩みを共有できる」と、面談担当者から好評です。
取り組みの多くは現在も積極的に実施しており、成果として2023年度版の「働きがいのある会社」認定を受けるまでに至りました。 弊社が「働きがいのある会社」認定を受けた件に関する詳細は、下記のページで詳しく紹介しています。
改めて考える「働きがい」の意味
ヴィスは2017~2019年まで「働きがいのある会社」としてランクインしていたものの、2020年はランク外になってしまいました。しかし、ITツールを用いた業務改善や規定の整備、業務フローの変更など、抜本的に組織体系を変更することで、2022年に再び「働きがいのある会社」と評価を受けたのです。
では改めて、「働きがい」とは何なのでしょうか。社員に働きがいをもって働いてもらう事の重要性とは、どのようなことなのでしょうか。
「働きがい」とは“労働そのものの楽しさ”
働きがいを感じるポイントは人それぞれですが、一般的に働きがいとは、労働そのものに対して「楽しい」「もっと成長したい」と意欲的になれることです。働きがいのある会社を目指すには、職場環境や労働条件などの整備も重要ですが、表面的な施策のみでは不十分といえます。
なぜなら環境づくりだけではなく、社員一人ひとりが労働そのものに楽しさを見出せるような取り組みが必要だからです。
米国の臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグは、働きがいはふたつの要因から成り立つと論じています。提唱された「ハーズバーグの二要因理論」によると、働きがいは「動機付け要因」と「衛生要因」から生まれるものと説明されています。
・動機付け要因:達成感、裁量範囲の広がりなど
・衛生要因:労働環境、管理方法、待遇など
社員が働く環境において、動機付け要因はモチベーションを、衛生要因は満足度を左右します。働きがいを実現するためには一方だけではなく、動機付け要因と衛生要因どちらも実現することが大切です。
まず衛生要因を整えて社員の不満を解消したのち、動機付け要因の課題解決に向けて取り組むのが効果的です。
市場の変化や「働き方改革」によって重要度が増している
昨今は人材不足が深刻化しており、求職者側が働く企業を選ぶ傾向へ変化しています。生産性を向上させるためには、既存社員および今後獲得する人材に対して、いかに自社が働きがいのある企業かを証明することが重要です。
また、「働き方改革」の推進により、社員が安心して働ける労働環境づくりが目指されていることからも、「働きがい」の重要性が高まっています。
加えて、SDGsが掲げる目標のひとつ「働きがいも経済成長も」では、「働きがいのある人間らしい仕事を増やす」ことが達成目標に掲げられています。社員の働きがいを向上させる動きは、世界的にも注目されているのです。
「働きがい」を高めるために企業が行うべきこととは
「働きがいのある会社」ランキングを発表しているGreat Place to Work®は、働きがいを構成する主な要素として下記の5つを挙げています。
・信用:ビジョンが共有されており、経営層や企業が社員から信用されている
・公正:経営層から公平、公正、中立に接してもらえていると社員が実感できる
・尊敬:社員が経営層から尊重されていると実感できる
・誇り:社員が会社や仕事、チームに誇りをもっている
・連帯感:職場に連帯感や親密さがあると感じられる
上記はいずれも、社員にとって会社や経営層が誠実であるか、配慮した施策や環境づくりを行っているかを評価しています。経営層が積極的にサポートしたり、課題解決に取り組んだりすることで、自然に信用や誇り、連帯感につながるコミュニティ形成につながります。
上記で取り上げた5つの要素を満たすために、企業が推進すべき施策を4つ紹介します。
働きがいを高める目的と理由を共有する
まず実施する取り組みは、なぜ働きがいを高めようとしているのか目的と理由を全社に共有することです。目的や理由が不明瞭なまま改革を行っても、社員の中で不満や不安が生まれるケースがあります。
期待したい効果を得るためには、全社が同じビジョンをもち、方向性を統一することが重要です。最初に働きがいを高める目的や理由を提示し、社員の理解と協力を得ましょう。
現場の状況を把握する
全社へ取り組みに対する宣言を行った後は、現状の把握と課題の洗い出しを行います。現場の状況を正確に把握できるよう、関係者に対する聞き取りのほか、組織サーベイや業務可視化ツールを使用した定量化も効果的です。
次は明確となった課題に対して、どのような改革が必要かを検討します。課題の数や状況によっては、事前に優先順位をつけることも必要です。再現性を確認するために、課題の重要度に加えてコスト面も視野に入れた順位付けをします。
成長・やりがいを実感できる仕組みを作る
社員一人ひとりが自身の成長ややりがいを感じられるような仕組みづくりや制度設計が不可欠です。明確な基準を設けて、数値や評価で成長を実感できるようにすることがおすすめです。ワークエンゲージメントの高まりも期待できます。
ワークエンゲージメントとは、仕事に対して社員がポジティブになれている心理状態のことです。ワークエンゲージメントを高めると、社員本人はもちろん、企業側にとっても生産性の向上が見込めます。
より具体的な施策のポイントや、ワークエンゲージメントを高めるメリットについては、下記のページで解説しています。
ワークエンゲージメントを高めるには何が必要?大事な要素や取り組みを紹介
会社への信頼感・帰属意識をもてるようにする
職場環境や制度の見直しは、企業側の一方的な内容とならないよう注意する必要があります。「会社が私たちのことを考えてくれている」と社員に実感してもらえる取り組みを実施し、信頼感や帰属意識をもってもらうことを重視しましょう。
どのような取り組みにより、どのような成果が表れているのかを積極的に発信するなど、会社の行動を目に見える形でアプローチすることもおすすめです。
まとめ
近年は求職者にとって売り手市場といえる状況が続いていることから、給料などの待遇面に加えて働きがいを重視する人材が増えつつあります。 優秀な人材を確保したり離職を防いだりするためには、企業側も社員が働きがいを感じられる職場環境の提供が不可欠です。 社員がステップアップできる環境を整えることで、結果的に企業全体の成長につながります。