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2019.8.21

CULTURE

オフィスはブランディング。「マクアケ」らしい、ワクワクするデザインを実現

新しいチャレンジを応援するクラウドファンディングサイト「Makuake」を運営するマクアケ様。2018年11月に初めてオフィス移転をされました。オフィスへの考え方や、今回のご移転について、社長と担当者の皆さまにインタビューしました。

ベンチャー企業特有のオフィス移転での悩みや注意する点、プロジェクトの進行方法などを伺いました

「ワクワク」を感じられる空間を作りたかった

Y.K(インタビュアー):
オフィス移転・デザインをされた理由やきっかけ、狙いなどを教えて下さい。

中山社長:
移転のきっかけは、成長に伴ってサイバーエージェントに間借りしていたオフィスが手狭になり、共同で使っていた会議室も常に不足していたことです。事業計画上、オフィスの拡張や会議室の確保は不可欠だったのが移転に踏み切った一番の理由です。

今回の移転をきっかけに、サイバーエージェントとは差別化して、どうしたら来社されたクラウドファンディングの実行者の方にマクアケ独自の新しいことへのワクワク、クリエイティビティを感じてもらえるかを考え、視覚的にイメージできる空間を作りたいと思っていました。

Y.K:
実際、ヴィスからのオフィスデザインの提案はいかがでしたか。

中山社長:
自社だけでは会議室をまっすぐ並べるのではなく斜めに配置する発想には至らなかったです(笑)

ヴィスさんから「Buzz in the Box」というコンセプトを提案して頂いたんですが、勇気をもって提案してきてくださったなと(笑)他社の心臓であるオフィスのキャッチコピーとなるものを提案するのはとても勇気がいることだと思います。会社にとっての一番の軸となるところを提案してくれたことにはとても感謝しています。提案によって「こういうのマクアケっぽい」「マクアケらしさとは何か」という部分に気付かされた点はあったと思います。

Y.K:
ヴィスのPM(プロジェクトマネージャー)側からコンセプトを提案するにあたって注意したことなどはありますか?

Y.M(担当PM):
「ワクワク」というキーワードはヴィスのプロジェクトメンバーの中でも大事にしていて、マクアケ様の像を形どって、最終的に「Buzz in the Box」というワードになって出てきました。

「Buzz in the Box」・・・「バズる」×「Jack in the box(ビックリ箱)」
新しいプロダクトでびっくりさせたい、話題を巻き起こしたい(バズらせたい)というマクアケ様のテーマを研究してたどり着いたコンセプト


このコンセプトが出てきたことで、レイアウトやデザインに落とし込みやすくなったのと同時にプロジェクトにも軸ができたと思います。

オフィスデザインはブランディング予算

Y.K:
移転プロジェクトを進行していく上で重要な予算についてですが、予算に悩む経営者の方も少なくないと思っています。広報予算や採用予算の一部として考えるといったことはありましたか?

中山社長:
幸いにもリファラルで多くの社員を採用できているので、今まで採用費があまりかかっていなかったんです。なので、採用予算はそこまで移転予算には含んではいなかったですね。

単純に事業計画上の増員計画、必要スペースは決まっていて、必要な予算を数社に聞きました。その中で、やはりこだわりたい部分はあったので、平均よりは少し多めの予算を考えていました。

それでも、マクアケはまだまだ完成形ではないので、100%を今のオフィスに出し切ることは現段階は難しい。今のマクアケのポジションとして無理のない予算の立て方をしたかったんです。

もしかしたら、他のベンチャー企業さんはオフィスを投資としてとらえて、無理な予算でオフィスデザインをすることもあるかもしれません。しかしマクアケでは、経営の中の一つのキャッシュフローとして移転に必要な経費+ブランディングとして算出した形となります。

Y.K:
実際にご提案した内容は頂いた予算内だったんですか?

Y.M(PM):
・・・超えていましたね(笑)

中山社長:
そういうもんだろうなと(笑)もともとバッファを考えていて、大幅に超えていたらお断りしていたと思うんですけど、人たらし提案というか(笑)そこは許容範囲でした。

オフィスは投資だが、社員の気の緩みには注意

Y.K:
ベンチャー企業の社長様へ、オフィス移転というプロジェクトに関して伝えたいことはありますか。

中山社長:
業績を上げること・会社の成長を軸足として考えた中でのデザインにしたのですが、全く違う事業であっても本質は同様で、会社の成長とブランドを軸足にすれば、その意思決定は絶対に正しいと思います。

ただ、あまり無理して投資するものではないと思っています。他の会社がこんなにかっこいいオフィスを作っているからとか、ここまで作り上げなきゃいけないからという理由で、無理な意思決定をするべきではないと思います。

たしかにオフィスが効果的なことはよくありますが、あくまで会社の一部なので、それぞれ会社のタイミングで投資のしどころを間違えないことが重要だと思います。

また、ベンチャー企業にフォーカスしていくと、移転に際してのコミュニケーションを間違えると、自分たちの会社はここまで大きくなったんだ、という心の緩みが出ることには気を付けないといけないと思います。まだまだチャレンジャーだという自覚をもって、当たり前のように成長できると思わせないようにしなければと思います。

Y.K:
やはり中山社長もその点に関してはかなり注意されていたのでしょうか?

中山社長:
オフィス移転は会社にとって明るいイベントですが、そこで気が緩んでしまうリスクもあることに気を付けた方がいいと思います。場所が変わっただけで、まだまだ挑戦者だという気持ちを忘れてはいけないよと丁寧にコミュニケーションを取りました。

Y.K:
最後に、今後も成長に伴いまたオフィス移転をする可能性もあるかと思います。次回はどんなデザインを取り入れたいですか?

中山社長:
先入観を持たずに、必要だと思う形をオフィスに取り入れていきたいです。個人的には、サウナや内階段を作ったり銅像を置いたりなど、夢はふくらみますね。

Y.K:
中山社長、ありがとうございました!

ご移転プロジェクトメンバーへのインタビュー

実際にオフィス移転のプロジェクトを進行していく中で、移転プロジェクト担当者が抱えるタスクの内容や、注意しておきたい点なども伺いました。

【移転プロジェクトメンバー】
山田様:インフラ、ハード系
能城様:企業文化、デザイン、コンセプト
坂本様:全体の方向性

今回は山田様、能城様にお話しを伺いました。

Y.K:
プロジェクトの体制はどのような形だったのでしょうか?

山田様:
僕がインフラ、ハード系、能城は企業文化や社長のコンセプトを具現化するようなところ、坂本は会社の人繰りや全体の方向性でした。完全に役割を分けることで、「この件だったら能城さんだね」などと担当が明確で決めやすかったですね。

あとはヴィスさん含めslack(チャットツール)でやり取りしていたので、対応もすぐに決められました。

Y.M(PM):
slackを使うことでスマホでもすぐに確認できるので、現場で急遽確認しなきゃいけないことでもスピーディーな対応ができたと思います。

Y.K:
プロジェクト期間はどのくらいあったんですか?

S.Y(PM):
7月後半に移転のお話を頂いて、8月盆明けに提案、11月末のご移転でしたね。

能城様:
元々10月末移転予定だったけど、厳しいとわかってどんどん後ろ倒しになっていった感じですね。

Y.M(PM):
着工が10月中旬ぐらいでしたね。

山田様:
着工してからはすごく早かったですね。毎週新オフィスの工事現場に来る度に出来上がってきていたので、面白いなと思いましたしずっとワクワクしてました。

Y.K:
普段の業務の中に移転プロジェクトが入ってくると、やはりタスクが多くなるかと思いますが、いかがでしたか?

山田様:
そこまで負荷がなかった・・・こともないですけど(笑)僕はネットワークや機器関係を担当していたのですが、わりとスムーズに決められました。基本的に任せてもらっていて、あまり他の人に相談する必要もなかったのも良かったと思います。そこはマクアケの良いところかなと。

Y.M(PM):
山田様がネットワーク関係にかなり詳しかったので、スムーズにやり取りできたと思います。

大きい面積を占める場所から決定する

Y.K:
オフィス移転の計画をする上で、ここは押さえておいた方がいいというポイントありますか?

山田様:
インフラ関係は先に先に決めた方がいいですね。これを早い段階で決めないと後ろがドンドン押してしまうので。セキュリティ関係も最終どうしようかは悩んでしまいましたね。

Y.K:
できる限り計画の前段階で必要な数は把握した方が後々スムーズだということですね。

山田様:
電話なんかもそうですね。前のオフィスに外線電話が3つしかなく、広くなるのでどうしようかと。それを決めないと配線が決まらないので、計画は苦労しました。

能城様:
必要な会議室数は決めでしかないので、いかに決裁者と決め打ちしていくかは大事ですかね。大きい面積を占めるものは他に制約がかかってしまうので、早めに決めてしまった上で、その制約の中で悩む方が動きやすいのかなと思います。大事な部分を決めないで進めて後からどんでん返しが起きてしまうと、プロジェクト全体の士気も下がってきてしまうのかなと思うので。

決裁者との意思疎通・意思決定はスムーズに

Y.K:
今回の移転プロジェクトで大変だったのはどのような点ですか?

能城様:
プロジェクトが進行していく中で想定していた席数よりどんどん増えていったことですかね。

毎週のように必要席数が変わり、この週で壁の位置を決めなければいけないなど、いろいろな期限が迫ってきて、意思決定をいかにスピーディーにするかが大変でした。ハラハラしました(笑)

Y.K:
意思決定する上では、やはり社長(決裁者)とのコミュニケーションが重要になってくるかと思いますが、どのようにコミュニケーションを取っていましたか?ズレなどはなかったですか?

能城様:
slackで移転プロジェクトのチャンネルを作って、緊急度の高いものを共有していました。今回のプロジェクトは、初期の定例会は社長も参加していたんです。そこで全体の方向性や概要の部分の打合せはできていたので、後々の詳細決定はそこまでブレがなくスムーズでした。

Y.K:
決裁者をうまく巻き込む方がプロジェクト自体はうまくいきますよね。

能城様:
そうですね。代表は巻き込むか、もしくは意思決定を任せてもらうのどちらかにした方が良いと思います。

Y.K:
社員の皆様からも意見はあったのでしょうか。

能城様:
ちらほらあったんですけど、元々自分たちのオフィスを持っていなかったので、「こうしたい、ああしたい」よりも「どうなるんですか」などの期待の声が多かったですね。そのかわり、次は難易度が上がりそうですね。今回がとても素敵なオフィスになって一回経験してしまっているので。

Y.M(PM):
ありがとうございます!!(笑)

Y.K:
やはりこういったお言葉を頂けると嬉しいですね。

「マクアケ」のイメージを裏切らない、ワクワクするデザイン

Y.K:
最後に、オフィス移転プロジェクトを通しての感想をお聞かせください。

能城様:
オフィスが出来上がっていく様子が一番楽しかったですね。それだけでもすごくワクワクしたんですけど、完成後にプロダクトを置いたときには、仮に将来マクアケ実店舗ができたらこんな雰囲気になるんだろうなという未来も見えました

山田様:
来社した方にとっても違和感がないだろうなという感じはしますね。「マクアケってこうだろう」というイメージの期待を裏切らないし、上回っている感じが良かったです。

能城様:
エントランスののぞき窓やフリースペースに作った製品棚でワイワイしている社員の姿が見えたり、メディアの記者会見、ファンミーティング、誕生会など、想定以上の使い方をしているのでデザインの力はすごいなと感じました。
あとはヴィスさんのオフィスに行かせてもらったのがとても良かったですね。

山田様:
僕らは提案が終わってマテリアル決めのタイミングで行きましたが、もっと前もってオフィスを見た方が絶対良いと思いますね!

ヴィスさんのオフィスはプロの考えたプロの場所だから、アイデアがたくさん詰まっていてすごいなと思いました。いろいろなエリアがあるので、先に行っていれば、このエリアも取り入れたいね等アイデアも出て来ていたと思いますし!先に行っていれば、、、(笑)

Y.K:
ありがとうございます!できるだけ提案前にオフィス見学いただけるようにします(笑)

さいごに

ベンチャー企業の移転後のリスクとして「社員の気の緩み」というキーワードが印象的でした。

新しく、きれいなオフィスになるとどうしても浮足立ってしまうもの。どのようにしたら成長に貪欲な気持ちを忘れずにオフィス移転できるか、私たちも改めて考えさせられたインタビューでした。

発展途上だということをオフィス空間を通して伝える以外にも、企業のリーダーはメンバーにあらかじめ言葉で伝える必要があるのかもしれません。

マクアケ様はプロジェクトメンバーでの役割分担がはっきりしていて、決裁までがスピーディーだったのもオフィス移転プロジェクトがスムーズに遂行できた理由の一つだと感じました。

今後のマクアケ様の更なる成長をオフィスデザイン面からバックアップしていきたいという強い思いを新たにした瞬間でした。皆さま、誠にありがとうございました。