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管理職の席次は「働きやすいオフィス」の重要なポイント!
管理職と部下のデスクの距離は、オフィスレイアウトを考える上で配慮したいポイントのひとつです。どのくらいの距離を取るかによって、業務に影響を及ぼしてしまうことがあるからです。
管理職との距離が近すぎると、部下は上司の姿が目に入ることによってプレッシャーを感じ、本来の能力を発揮しにくくなる恐れがあります。常に上司に見られているかもしれないという意識が、社員によってはストレスにもなりかねません。
逆に距離を置きすぎても、必要なときに適切なコミュニケーションを取ることができず、業務に支障をきたしてしまうかもしれません。部下にとっては上司が遠く感じて声がかけにくい、管理職にとっても部下がどのように仕事をしているのか見えづらいという状況になってしまうためです。
管理職と部下との位置関係は、遠過ぎず近過ぎずの適切な距離感を維持するようなレイアウトでなければなりません。
管理職も部下も働きやすいオフィスレイアウト3選
全社員の働く環境を整えるには、管理職と部下のデスクに適切な距離が必要です。では、どのようなオフィスレイアウトを考えると良いのでしょうか。
ここでは、管理職も部下も気持ちよく働くことができるオフィスレイアウトの例をご紹介しましょう。
島型レイアウト
島型レイアウトは、一般的にオフィスで用いられることが多いレイアウトです。
対向式レイアウトとも言われ、部署やチームごとにデスクをまとめて、いくつかの島を作ります。学校でグループ学習をするときのように、デスクを向かい合わせにしたものをイメージすると分かりやすいでしょう。
このレイアウトは同じ部署やチームの距離が近く、コミュニケーションが取りやすくなることがメリットです。管理職にとっては、部下がどこにいるのか一目で分かるため、指示を出しやすく、部下にとっても質問などしやすい環境づくりができます。
背面型レイアウト
背面型レイアウトは、互いに背中を向けた状態で仕事ができるようにデスクを配置するレイアウトです。
仕事中は互いの姿が見えず視線を感じることもないため、集中して働くことができます。実際の距離は近く、振り返ればすぐに声を掛けることができることから、コミュニケーションを取る上でも問題はありません。
オフィスで働く社員の人数が多く、背面型での配置が難しい場合は、対向式にしてパーテーションを活用すると良いでしょう。
左右対向式レイアウト
左右対向式レイアウトは、列ごとに座る方向が変わるよう、デスクが互い違いになるように配置するレイアウトです。例えば、1番左の列は正面を向いて座り、右側の列は後方を向いて座るようなイメージです。
このレイアウトでは互いの視線がぶつかることがないため、部下にとっては上司から感じるストレスが少なくなります。デスク配置が一列なので、管理職にとっても部下の位置を把握しやすいでしょう。
管理職のデスクは一番先頭の位置にすると、より適切な距離を保つことができるようになります。
働きやすいオフィスレイアウトを考えるときのポイント
オフィスレイアウトによって、社員の働きやすさも大きく変わってきます。ここからは、働きやすいオフィスレイアウトを考える際のポイントについて解説しましょう。
フリーアドレスは運用が難しい
近年、フリーアドレスを導入する企業が増えつつあります。フリーアドレスは机と椅子を配置しておき、個人の席を固定せずに好きな場所で仕事ができるようにするレイアウトです。異なる部署やチームの社員ともコミュニケーションが取りやすくなるというメリットがあります。
しかし、フリーアドレスでは毎日座席が変わるため、管理職側は部下がどこにいるかを把握することが難しくなります。普段の仕事なら大きな問題はないかもしれませんが、緊急で話をしたい場合は、すぐに見つけられず不便に感じてしまうのです。
また、「フリーアドレスなのに結局同じところばかりで仕事をしている」「部下が上司に近づかない 」「スペースを確保するのが面倒」「荷物を置く場所がない」など、運用がうまくいかないケースもあります。フリーアドレスはメリットがある一方、運用にはあらゆるルールづくりや環境を整えていく必要があるのです。
フリーアドレスの良いところを活かしつつ、上記の問題を解決するためには、グループアドレスがおすすめです。
グループアドレスは部署やチームごとに島を作り、その範囲内で席を自由に決めることができます。チーム内でのコミュニケーションが取りやすく、管理職にとっても部下の場所が分かりやすい、働きやすいオフィスレイアウトといえるでしょう。
グループアドレスについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
「グループアドレスとは?フリーアドレスとの違いやメリットを解説」
パーテーションの活用で部下との距離が開くおそれも
一般的に多くの社員が働きやすいレイアウトとして挙げた「背面型レイアウト」ですが、人数が多く対面式にする場合はパーテーションの使用が推奨されています。
また、「島型レイアウト」でもパーテーションを使用することがあります。
パーテーションを使用すると、まわりの視線を気にすることなく仕事に集中できるメリットがありますが、一方で、社員の様子が把握しにくくなる側面もあります。管理職にとって部下の顔が見えないと、困ったり悩んだりしているときに気付きづらくなってしまいます。
部下のフォローやトラブルへの早期対処がしづらくなるおそれもあるため、パーテーションを使用する際はよく検討してから導入することをおすすめします。
上座に固執しすぎない
従来のオフィスレイアウトでは、管理職の位置は窓際に置くよう配慮されることが一般的でした。これは上座・下座を意識した日本の伝統的な席次マナーに影響を受けていると考えられます。
上座とは入口から一番遠い場所のことで、建物の構造上窓際になることが多いため、管理職のデスクは窓際に配置されることが多くありました。
しかし、窓際に管理職を配置すると、部下は監視されているような視線を感じ、仕事がしにくくなってしまいます。さらに、窓際は室温も照度も安定しにくい特徴があります。働く環境として適切ではないため、管理職を窓際にレイアウトするよりも、 社内MTGなどにも対応できるコミュニケーションエリアなどを配置することがおすすめです。
近年は、上座・下座にこだわらず、柔軟なデスク配置をしたオフィスも増えてきました。管理職のデスクをあえてオフィスの中心に置き、部下への視線を和らげ、どの場所からでも声をかけやすいよう配慮した形にしているオフィスもあります。
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企業にとって最適なオフィスレイアウトを実現するため、各企業の課題や理念などをヒアリングした上で、プランを提案いたします。レイアウトから家具・内装デザインにも対応していますので、自社に合ったオフィスづくりを考えたい方は一度お問い合わせください。
まとめ
オフィスレイアウトにおける管理職と部下のデスクの距離は、業務を円滑に進める上で重要なポイントです。適切な距離を保つことで部下のプレッシャーを軽減し、コミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
どのようなオフィスレイアウトが最適かは、職場の状況によって異なります。オフィスの広さや予算などによっても実現できるレイアウトは変わってくるので、まずはオフィスの課題を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。