オフィス天井の種類は4つ。天井高が与える影響も解説

オフィスデザインを決定する際に、空間全体の雰囲気や機能性を決定する大事な要素が天井です。天井の種類や高さによってオフィスの快適性に差が出るだけでなく、仕事の効率や生産性にも影響を与える可能性があります。 今回は、オフィスで主に使用される天井の種類や天井高が重要な理由、天井高を決定する際のポイントを解説します。

この記事は約8分で読み終わります。

オフィス天井の種類

オフィスで使用される主な天井の種類は、以下の4つがあげられます。

名称

特徴

在来工法天井

さまざまな施設で広く普及している天井。比較的コストを抑えやすく、デザインの選択肢が広い。

ライン型システム天井

照明や空調設備が一直線のライン上に配置される天井。レイアウトを柔軟に変更しやすく、空間の照度を平均化しやすい。

グリッド型システム天井

格子状の下地にパネルを組み込んでつくる天井。パネルを部分的に取り外せるため、メンテナンス性に優れている。

スケルトン天井

仕上材を使用せず、建物の構造がむき出しになった天井。デザイン性が高く、空間を広く見せられる。

それぞれのメリットやデメリットを詳しく解説します。

在来工法天井

在来工法天井とは、天井の下地材(骨組み)に、クロスや岩綿吸音板などの仕上材を張ってつくる工法です。オフィスだけでなく、学校や病院、店舗などの施設で広く利用されている工法であるため、在来工法という名称で呼ばれています。

在来工法天井のメリット

広く普及している工法であることから、材料を比較的安価に調達でき、コストを抑えられる点が最大のメリットといえるでしょう。

また、照明やパーティション、空調設備の位置を自由に決められ、デザインの選択肢が広いことも特徴です。仕上材の種類も豊富ですので、クロスや塗装など、希望するデザインに合わせて自由に仕上材を選びたい場合には在来工法天井が適しています。

さらに、仕上材の種類によっては、遮音性や防火性を高められる点も大きなメリットです。

在来工法天井のデメリット

施工が簡単な一方で、天井のレイアウト変更がしにくいというデメリットには注意が必要です。天井に設置する照明やパーティション、空調設備などの移設が難しいため、計画的にレイアウトを考える必要があります。

ライン型システム天井

ライン型システム天井は、システム天井の工法の1つで「ライン天井」とも呼ばれます。システム天井とは、天井裏に設置する照明や空調設備、スピーカーなどの機器を仕上材をまとめて組み、下地や枠にはめ込むようにセットする工法です。

ライン型システム天井は、天井を見上げたときに照明や空調設備が一直線のライン上に配置されるのが特徴です。

ライン型システム天井のメリット

天井裏の設備の移動が容易であるため、柔軟にレイアウトを変更できます。仕上材や照明、空調設備などを部分的に交換することも可能で、メンテナンス性にも優れています。

また、照明が一定間隔で配置されるため、部屋全体の照度を平均化できます。見た目的にも機能的な印象を与えることから、オフィスに適した工法といえるでしょう。

比較的低価格の天井材を使用するケースが多く、施工コストを抑えやすい工法でもあります。

ライン型システム天井のデメリット

天井設備が一体化されているため大地震の揺れに弱く、天井パネルが落下する危険性が高いといわれています。後に紹介するグリッド型システム天井よりも大きなパネルが落下する可能性があり、他の部分での地震対策が必要です。

また、天井材に合う照明器具が組み込まれているため、照明の向きを調整することが難しいという点にも注意が必要です。

ほかにも、照明設備などとのつなぎ目部分から音が漏れやすく、他の天井に比べると防音性能が弱い側面があります。

グリッド型システム天井

グリッド型システム天井は、前述のライン型と同様にシステム天井の工法の1つです。「グリッド天井」ともいいます。

天井の下地材を格子状に組んで、その上に照明や空調設備、仕上材などをパネルごとにはめ込みます。

グリッド型システム天井のメリット

仕上材や照明などがパネルごとにはめ込まれているため、部分的な取り外しや交換が可能です。比較的自由にレイアウト変更ができるだけでなく、パネルを取り外せば天井裏の点検ができ、メンテナンス性にも優れています。

また、下地が格子状に組まれているため、ライン型天井よりも耐震性が高いです。

グリッド型システム天井のデメリット

ライン型天井に比べると材料費が高く、施工コストがかかるのが難点です。

また、使用できる仕上材の材質やサイズの影響により、在来工法天井に比べると防音性能が劣る場合があります。

ライン型天井よりも耐震性が高いといえますが、仕上材をビス等で固定していないため、地震の縦揺れに弱く、パネルが落下する危険性はゼロではありません。

スケルトン天井

スケルトン天井とは、仕上材などを使用せず、建物の配管やコンクリートがむき出しの状態の天井です。柱や梁などの建物構造をそのまま露出することから「躯体現し」ということもあります。

おしゃれなカフェやレストラン、ガレージなどで使用されることの多い天井ですが、近年ではオフィスで使用されるケースが増えています。

関連:スケルトン天井とは?オフィス導入のメリット・デメリット・費用相場を解説

関連:スケルトン天井のおしゃれオフィス事例7選|照明設置の注意点もあわせて解説

スケルトン天井のメリット

仕上材を使用しない分、天井に高さが出て、空間に開放感が出るのが特徴です。50cm~1mほどの天井高を確保でき、狭いオフィスでも広さを感じさせることができます。

また、おしゃれでデザイン性の高いオフィスを演出できる点もスケルトン天井の魅力です。現代的で洗練されたオフィスデザインによく使用され、カフェやレストランのようにデザイン性の高い空間を作り出せます。

スケルトン天井のデメリット

空間が広くなると空気の対流が弱まり、空調の効率が悪くなることは念頭に置くべきです。天井材がないと外気の影響を受けやすくなるため、冷暖房が効きにくく、空調の効率はさらに下がります。

また、元の天井を解体したり、配線をまとめたりする手間が発生し、施工コストが高騰しやすい点にも注意が必要です。

建物の構造や建築基準法など法律の関係によっては、スケルトン天井にできないケースもありますので、早めに施工業者に確認しましょう。

オフィス選びで「天井高」が重要な理由

床から天井までの高さを「天井高」といいます。天井高によって、同じ広さの空間が広く感じられたり狭く感じられたりすることがあり、働きやすく快適なオフィスを作るためにも、天井高は重要な要素です。

また、建物によっては床が上げ底になっていたり、梁を見せる天井のデザインになっていたりすることがあります。このような構造を確認しないまま移転を進めてしまうと、想定していたレイアウト通りにオフィス家具を設置できない可能性があるため、物件選定の時点で天井高をチェックしておくことが大切です。

ここでは、天井高が人や空間に与える影響について詳しく見ていきます。

天井高は仕事の効率に影響を与える

天井高が低いと、たとえ同じ広さの空間であったとしても、人は圧迫感を覚えます。天井からの圧迫感は無意識のうちにストレスとなりやすく、結果的に仕事の効率を低下させるおそれがあるのです。

ただし、天井高は「高い方が良い」わけではありません。なぜなら天井高が高すぎると、今度は空間が広すぎることに居心地の悪さを感じ、気持ちが落ち着かなくなってしまうからです。

天井高は低すぎても高すぎても仕事の効率に影響を与えてしまうため、バランスを取ることが大切といえるでしょう。

オフィス環境に影響を与える

天井高はオフィス環境を左右します。

例えば高い天井の場合、背の高いオフィス用収納家具を置くと、効率的に物品を収納できます。あまり使わないオフィス用品や、大きく場所を取るようなインテリアも、高い場所に収納すればオフィス内を美化できるでしょう。しかし、冷暖房が効きにくくなったり、それにかかる費用が大きくなったりする可能性があります。

低い天井の場合は、冷暖房の効率が良かったり、電気やエアコン設備などのメンテナンスがしやすかったりする一方で、置きたい家具が置けなかったり、自然光が入ってきにくくなることがあります。

社員によっては、圧迫感や、光が入ってきにくいことで、精神的に負担を感じてしまうかもしれません。

自社に合った天井高の選び方

では社員にストレスを与えない天井高とは、一体どのくらいの高さなのでしょうか。実はオフィスに適した天井高は、業務内容やオフィスの広さ、そこで働く社員の人数などによっても異なります。

ここでは、自社に適した天井高の選び方や注意点について解説していきます。

オフィスの天井高は2,500~2,800mmが平均

建築基準法ではビルの天井高は2,100mm以上と規定されていますが、一般的なオフィスの天井高は、2,500~2,800mmが多いです。

日本人の平均身長をふまえても、一般的なオフィスの天井高であればストレスを感じさせることはないでしょう。近年は、天井高3,000mmを超えるオフィスも増えてきています。

企画やアイデア出しといったクリエイティブな仕事の場合は、天井高を高くすると開放感が生まれるため、自由な発想が生まれる空間づくりにおすすめです。

オフィスの面積や人数にあわせて厳選する

同じ面積でも、オフィスで働く人数によって適切な天井高は変わってきます。少人数でアットホームな雰囲気で働いているオフィスの場合は、天井高が高すぎると落ち着きがなくなってしまうので、その場合は、一般的な高さで十分です。

OAフロアの場合は床の高さを考慮する

オフィスで多く設置されているOAフロアは、床下に配線などを収納するため、30~100mm程度の高さを必要とします。そのため、OAフロアを採用しているオフィスはすっきりした印象を与えられるものの、天井高が低くなってしまうのが現状です。

OAフロアが設置されているオフィスを選ぶ場合は、内覧する際に圧迫感がないかをしっかりと確認するようにしましょう。

オフィスづくりの目的に合わせてオフィス天井を選ぼう

オフィス天井の種類や天井高によって、空間全体の雰囲気やイメージは大きく左右されます。家具の配置やデザインを優先しがちですが、天井はレイアウト全体にも影響を与える重要な要素です。空間の快適さだけでなく、業務の効率にも関係するケースがありますので、物件選びの際には必ず天井もチェックするようにしましょう。

最適な天井の種類や天井高は、オフィスで働く人数や建物自体の構造によっても異なります。専門的な知見も必要になりますので、信頼できるデザイン会社に相談しながら進めるとよいでしょう。

こちらのページでは、さまざまなオフィスデザインやレイアウトの事例をご紹介しています。

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