【フリーアドレスの座席管理システム6選】機能・料金の比較&選び方

座席の使用状況や予約の管理が難しいフリーアドレスの運用には、座席管理システムの利用が効率的です。座席管理システムのメリット、おすすめのサービスを紹介します。

この記事は約11分で読み終わります。

 

フリーアドレスを導入したものの、座席の使用状況の把握や予約管理が難しく、運用がうまくいかないことは珍しくありません。

そこで活用を検討したいのが、「座席管理システム」です。座席管理システムは、座席の状況を見える化するだけでなく、出退勤管理やゲストの入退室管理、各種レポートの分析など多機能なシステムが多く登場しています。

本記事では、座席管理システムの基本機能や選び方のポイントなどを紹介するので、参考にしてみてください。

座席管理システム・アプリとは

座席管理システムとは、座席の使用状況や社員の所在地を見える化し、座席管理を効率化するシステムのことです。

また、多くの座席管理システムはスマホアプリに対応しています。スマホを使って手軽にチェックインしたり、社員の在籍状況をスマホやパソコン上で確認したりすることが可能です。

使い勝手が良いだけでなく、業務の効率性が向上するため、フリーアドレスを導入している企業に多く採用されています。

フリーアドレスで座席管理システムを導入するメリット

座席管理システムの最大のメリットは「誰がどこに座っているかわからない」というフリーアドレスの課題を解決できる点にあります。

座席管理システムを通して社員が座席にチェックインすると、システム内の図面上で視覚的に位置を把握できます。話したい社員を探し回る手間がなくなり、業務の効率化につながります。

また、出社とリモートワークを選択できる「ハイブリッドワーク」を導入している企業では、社員の出社状況が可視化されるというメリットもあります。直接話せる状況か、メッセージを送るべきかすぐに把握でき、コミュニケーションの促進が期待できます。

システム上で座席利用状況のデータが取得できれば、オフィス改善に活かすことも可能です。よく使われる座席・使われない座席を把握でき、より使い勝手の良いオフィスへと改善したり、利用率をもとに座席数を削減して別な用途に活かしたり、オフィス全体の効率化にもつなげられます。

座席管理システムのタイプ

座席管理システムの種類は、搭載されている機能によって「座席管理特化型」「多機能型」の2つに分けられます。

座席管理特化型

座席管理特化型は、その名の通り、座席管理に特化しているシンプルなシステムです。座席使用状況の確認や座席の予約、システムがランダムに席を選んでくれる抽選機能、チェックイン・チェックアウト管理などの機能が搭載されています。フロアレイアウトが表示され、どの席を誰が利用しているのか視覚的に把握できるシステムが一般的です。

多機能型

座席管理以外にもさまざま機能が利用できるタイプです。代表的な機能としては、以下があげられます。

・社員間のスケジュール調整
・社員検索・ステータス表示
・座席利用履歴の分析
・タイムカード・出退勤記録の管理

このように、多様な機能を備えている座席管理システムでは、社員の働き方支援や座席利用データを活用した業務効率化が期待できます。

座席管理システムの機能一覧

前章で紹介した通り、座席管理システムにはさまざまな機能が搭載されています。ここでは、一般的な座席管理システムの機能と内容を紹介します。

チェックイン

座席の使用開始・終了をシステム上で共有できる機能です。社員がカードやスマホなどを座席上の装置にタッチする、または座席上のQRコードをアプリで読み込むなどの操作で利用を開始します。

予約された座席が一定時間経っても利用開始されない場合に、自動でキャンセルする機能が搭載されているものもあります。

ホテリング機能(座席・会議室予約)

ホテリングとは、座席管理システム上で座席や会議室を予約する機能です。アプリやタブレットを使用し、自宅や外出先からでもスペースを予約できます。

フロアレイアウト上から特定の席を選択するだけでなく、条件を指定して空席を検索する機能を備えているシステムもあります。

ユーザー検索・ステータス管理

社員がどこの座席を利用しているのか検索できる機能です。フロアレイアウトに名前やアイコンが表示され、所在地を視覚的に把握できるシステムが一般的です。

また、来客中・ミーティング中・外出中など、社員のステータスがわかる機能を搭載したシステムもあります。

出社率・座席利用率など利用履歴の分析

社員の出社率や座席利用率、会議室の利用率といったデータを集計し、ダッシュボードで確認できる機能です。時間帯別や日付別、社員別などのセグメントで利用状況を分析でき、オフィス環境の最適化に活用できます。

カレンダー連携

Googleカレンダーなど外部のカレンダーシステムと自動で連携できるシステムも多く展開されています。座席管理システム上で座席や会議室を予約すると、自動でスケジュールに反映され、社内共有の手間が省けます。

座席管理システムを選ぶポイント

サービスによってさまざまな機能を備えている座席管理システム。何を重視して選定すればいいのかを明確化するために、自社に合った座席管理システムを選ぶためのポイントを解説します。

導入目的に見合った機能を絞り込む

自社が何を目的に座席管理システムを導入したいのか、システムによってどのような課題を解決したいのか、導入目的に合った機能を選ぶ視点が大切です。

座席管理システムは座席管理に特化したものと、働き方支援や業務効率化を目的としたものに大別できます。後者の場合、製品によって搭載機能が大きく異なるため、機能の精査が必要です。

多機能なシステムを導入しても、目的に見合っていなければ機能を存分に使い切れないこともあります。「この機能は自社にとって本当に必要か?」という視点で、目的と照らし合わせて選別しましょう。

自社の運用ルールに合わせる

フリーアドレス制度を導入している企業には、自社独自の運用ルールがあります。たとえば、1人の社員が特定の席を独占しないようにランダム制の席予約を導入したり、管理職には固定の席を用意したりなどの運用ルールが考えられます。さらに、現状に合わせてルールが複数回、変更になることもあるでしょう。

座席管理システムを導入するときは、自社の制度やルールに合わせた運用が大切です。席の抽選が可能か、特定の席を常時予約状態にできるかなど、ルールに合った機能を備えているか確認しましょう。

従業員目線での使いやすさを考慮する

実際にシステムを使う社員の声が反映された、現場の状況に合ったシステムであることも重要です。多彩な用途で使える多機能システムであっても、使い勝手が悪かったり、予約に手間がかかったりするシステムでは、かえって業務効率を悪化させる可能性があります。

多くのサービスでは、1ヶ月程度の無料トライアル期間やショールームを設けており、サービスの利用体験が可能です。システムを本格導入する前に、トライアルを利用して自社に合っているかどうか確認するのがおすすめです。

他システムとの連携を確認する

座席管理システムによって業務効率の向上を図りたいのであれば、外部システムと連携できるものがおすすめです。たとえば、スケジュール管理ツールやOffice製品など、通常業務で使用するインフラシステムとの連携は必ず確認しましょう。

連携が可能なシステムを選びたい場合、クラウド型のサービスを選んだ方がシステムの拡張性が高く、多様な外部システムとの連携が可能なケースが多く見受けられます。

サポート体制の充実度を確認する

システムを運用し始めると、思わぬ部分でつまづいたり、予期せぬトラブルが発生したりすることも。トラブル発生時に担当者とすぐ連絡がつき、解決に当たってくれるサポート体制があるかどうかもよく確認しましょう。

担当者と早急に連絡を取るためには、電話だけでなくメールやチャットなど、複数の連絡手段があると安心です。なかには24時間体制で問い合わせを受け付けているサービスもあるので、充実したサポート体制のサービスがおすすめです。

【機能・料金を比較】フリーアドレスにおすすめの座席管理システム6選

ここでは、フリーアドレスを導入する企業におすすめの座席管理システムと、それぞれのサービス内容や利用料金などを詳しく紹介します。

 

サービス名

特徴/代表的な機能

月額料金

せきなび

・操作がシンプルな管理特化型システム
・専任のカスタマーサポートがつき、無料サポートしてくれる

月額300円/1ユーザー~

YourDesk

・座席管理(ホテリング)や社員の行動管理をメイン機能とする管理特化型システム
・画面レイアウトがシンプルで、直感的に操作しやすい

月額200円/1ユーザー~

Colorkrew Biz (カラクルビズ)

・社員検索や会議室予約、スケジュール調整などの機能を備えた多機能型システム
・備品管理やロッカー管理も可能で、オフィス管理の手間を削減できる

月額40,000円~

Acall(旧WorkstyleOS)

・座席予約や会議室予約、受付・入退館管理を主な機能とする多機能型システム
・空予約の自動キャンセルといったファシリテーション機能も豊富

要問い合わせ

beacapp HERE

・社員の位置をリアルタイムに把握できる多機能型のシステム
・ビーコンがスマホを自動検知するため、チェックイン操作が不要

月額33,000円~

workhub

・小型デバイスを後付けして空間を管理する多機能型のシステム
・必要な機能をセレクトでき、低コストで導入しやすい

要問い合わせ

【座席管理特化型】せきなび

せきなびは、簡単な操作で座席の使用状況を管理できる管理特化型のシステムです。デバイスの設置などが必要なく、レイアウト上のアイコンを移動したり、ステータスを変更したりすることで座席状況を管理するため、操作が非常にシンプルで比較的導入コストが低いサービスといえます。

また、専任のカスタマーサクセス担当がつき、レイアウト作成やカスタマイズを無料サポートしてくれます。

主な機能

座席予約、チェックイン管理・社員検索・使用履歴記録・プロフィール管理・Googleカレンダー連携

料金

月額300円/1ユーザー~
初期費用:
150,000円

トライアル

30日間無料

せきなび

【座席管理特化型】YourDesk

YourDeskは、座席管理(ホテリング)や社員の行動管理をメイン機能とする管理特化型システムです。画面上から社員の出社・リモートワーク・休暇・出張といったステータスを確認でき、特定社員の状況を検索することもできます。画面レイアウトがシンプルで、直感的に操作しやすい点も魅力です。

スマホやQRコードを利用したチェックイン、社員証での簡単ログインなど、自社に合ったログイン機能を選択でき、さらなる利便性向上が期待できるでしょう。

主な機能

社員の行動記録・使用履歴記録・社員検索・座席抽選・フロア利用率管理・IPアドレス制限・Googleカレンダー/Outlookカレンダー/Teamsカレンダー連携

料金

月額200円/1ユーザー~
初期費用:オプションにより変動

トライアル

1ヶ月無料


YourDesk

【多機能型】Colorkrew Biz (カラクルビズ)

Colorkrew Biz(カラクルビズ)は、社員検索や会議室予約、スケジュール調整などの機能を備えた多機能型の座席管理システムです。

座席や会議室のQRコードを読み取るだけでチェックインし、レイアウト上から各社員の所在場所を検索できるため、社員がどこにいるかを視覚的に確認できます。また、Office365のOutlookとの連携や備品・郵便物管理、ロッカーの使用状況管理などの機能を備えており、企業で発生する「名もなき仕事」を多角的に減らしてくれるツールです。

主な機能

座席予約・チェックイン・社員検索・会議室予約・スケジュール調整・外部スケジューラーとの連携・備品管理・郵便物管理・ロッカー管理・社内決済

料金

月額40,000円~(スタンダードプラン)
初期費用無料

トライアル

30日間無料(フル機能)


Colorkrew Biz

【多機能型】Acall(旧WorkstyleOS)

Acallは、座席予約や会議室予約、受付・入退館管理を主な機能とする多機能型の座席管理システムです。

Webブラウザやスマホアプリなどあらゆるデバイスから予約が可能で、空予約の自動キャンセルといったファシリテーション機能も豊富です。レイアウト上から座席の使用状況や社員の所在地を確認できるほか、ゲストがiPad上にQRコードをかざすだけで入館受付が完了するなど、使い勝手の良さも見逃せません。

主な機能

座席予約・リモートワーカーも含めたチェックイン管理・社員検索・会議室予約・空予約の自動キャンセル・ゲストの入退館管理・データの可視化/分析

料金

機能と人数に合わせて算出(要問い合わせ)

トライアル

30日間無料


Acall (旧 WorkstyleOS)

【多機能型】beacapp HERE

beacapp HEREは、レイアウト図面上のビーコンとスマホアプリで社員の位置をリアルタイムに把握できる多機能型のシステムです。信号を発信する端末を社内に設置し、アプリをインストールしたスマホを自動で検知して位置情報を把握するため、チェックイン操作が不要というのが最大の特徴です。

オプション機能を使えば蓄積されたデータを分析し、日付単位・部署単位などで社員の行動を詳細に可視化できます。

主な機能

座席予約・自動チェックイン管理・会議室/個室予約・空きスペース検索・データの可視化/分析

料金

月額33,000円~(ライトプラン)、初期費用110,000円~

トライアル

2ヶ月間(月額0円、初期費用220,000円)


Beacapp Here

【多機能型】workhub

workhubは、座席予約やゲストの入退出管理など、オフィスの「手続き・認証」をDXする総合プラットフォームです。小型のデバイスを後付けで設置して空間を管理するため、大規模な工事を伴わず、低コストでオフィスをアップデートできます。

非常に多機能なサービスですが、デバイスを後付けすることでシステムを提供しているため、必要な機能をセレクトして導入できる点も魅力です。オフィスだけでなく、コワーキングスペースや店舗、データセンターなどでも導入されています。

主な機能

座席予約・自動チェックイン・社員検索・会議室予約・エリア/スポット別の入退館管理・入退室ログの取得・顔認証解錠・データの可視化/分析・外部システムとの連携・スマートロッカー運用

料金

要問い合わせ

トライアル

なし(ショールームでの体験が可能)


workhub

座席管理システムでフリーアドレスの効率的化を!

座席管理システムを導入してフリーアドレス管理を効率化すると、座席管理にかかる手間やコストの削減が期待できます。座席を使用する社員にとっても「使いたいときに席が空いていない」といった事態を回避でき、社内全体の業務効率化にもつながるでしょう。導入を検討する際は、自社が解決したい課題を明確にし、目的に見合ったサービスを選定するよう心がけてください。

ヴィスは、空間づくりにおける知見を用いて、オフィスづくりにとどまらず、企業のニーズに合わせて「はたらく」を包括的に考慮したワークデザインを提供しています。ワークデザイン、オフィスデザイン、オフィス移転・改装・設計についてのお悩みは、お気軽にお問い合わせください。