フリーアドレスの座席管理システムとは?座席状況を見える化しよう

座席の使用状況や予約の管理が難しいフリーアドレスの運用には、座席管理システムの利用が効率的です。座席管理システムのメリット、おすすめのシステムなどを紹介します。

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フリーアドレスを導入したものの、座席の使用状況の把握や予約管理が難しく、運用に手間がかかることもしばしば。フリーアドレスの座席管理には、座席管理システムの活用が有用です。座席管理システムは、座席の状況を見える化するだけでなく、出退勤管理やゲストの入退室管理、各種レポートの分析など多機能なシステムが多く登場しています。

本記事では、座席管理システムの基本機能や選び方のポイントなどを紹介するので、参考にしてみてください。

座席管理システム・アプリとは

座席管理システムとは、座席の使用状況や社員の所在地を見える化し、座席管理を効率化するシステムのことです。多くのシステムではアプリを経由して座席の予約ができる機能を搭載しています。

座席の使用状況をシステム上で社員と共有できるため、フリーアドレスで起こりがちだった「使いたいときに空席がない」「社員がどこの席に座っているのかわからずコミュニケーションが取れない」といった課題を解決できます。

座席管理システムの種類

座席管理システムの種類は、搭載されている機能によって以下の2つに分けられます。

座席管理特化型

その名の通り、座席管理に特化しているシンプルなシステムです。座席使用状況の確認や座席の予約・抽選(システムがランダムに席を選んでくれる抽選機能)、チェックイン・チェックアウト管理などの機能が搭載されています。フロアレイアウトが表示され、どの席を誰が利用しているのか視覚的に把握できるシステムが一般的です。

多機能型

座席管理以外にもさまざま機能が利用できるタイプです。代表的な機能としては、以下があげられます。

  • 社員間のスケジュール調整
  • 社員検索・ステータス表示
  • 座席利用履歴の分析
  • タイムカード・出退勤記録の管理

このように、多様な機能を備えている座席管理システムでは、社員の働き方支援や座席利用データを活用した業務効率化が期待できます。

座席管理システムの機能一覧

前章で紹介した通り、座席管理システムにはさまざまな機能が搭載されています。ここでは、一般的な座席管理システムの機能と内容を紹介します。

チェックイン

座席の使用開始・終了をシステム上で共有できる機能です。社員がカードやスマホなどを座席上の装置にタッチする、または座席上のQRコードをアプリで読み込むなどの操作で利用を開始します。

予約された座席が一定時間経っても利用開始されない場合に、自動でキャンセルする機能が搭載されているものもあります。

ホテリング機能(座席・会議室予約)

ホテリングとは、座席管理システム上で座席や会議室を予約する機能です。アプリやタブレットを使用し、自宅や外出先からでもスペースを予約できます。

フロアレイアウト上から特定の席を選択するだけでなく、条件を指定して空席を検索する機能を備えているシステムもあります。

ユーザー検索・ステータス管理

社員がどこの座席を利用しているのか検索できる機能です。フロアレイアウトに名前やアイコンが表示され、所在地を視覚的に把握できるシステムが一般的です。

また、来客中・ミーティング中・外出中など、社員のステータスがわかる機能を搭載したシステムもあります。

出社率・座席利用率など利用履歴の分析

社員の出社率や座席利用率、会議室の利用率といったデータを集計し、ダッシュボードで確認できる機能です。時間帯別や日付別、社員別などのセグメントで利用状況を分析でき、オフィス環境の最適化に活用できます。

カレンダー連携

Googleカレンダーなど外部のカレンダーシステムと自動で連携できるシステムも多く展開されています。座席管理システム上で座席や会議室を予約すると、自動でスケジュールに反映され、社内共有の手間が省けます。

座席管理システムを選ぶポイント

サービスによってさまざまな機能を備えている座席管理システム。何を重視して選定すればいいのかを明確化するために、自社に合った座席管理システムを選ぶためのポイントを解説します。

導入目的に見合った機能を選ぶ

自社が何を目的に座席管理システムを導入したいのか、システムによってどのような課題を解決したいのか、導入目的に合った機能を選ぶ視点が大切です。

座席管理システムは座席管理に特化したものと、働き方支援や業務効率化を目的としたものに大別できます。後者の場合、製品によって搭載機能が大きく異なるため、機能の精査が必要です。

多機能なシステムを導入しても、目的に見合っていなければ機能を存分に使い切れないこともしばしば。「この機能は自社にとって本当に必要か?」という視点で、目的と照らし合わせて選別しましょう。

自社のフリーアドレス制度に合っているか

フリーアドレス制度を導入している企業には、自社独自の運用ルールがあります。例えば、1人の社員が特定の席を独占しないようにランダム制の席予約を導入したり、管理職には固定の席を用意したりなどの運用ルールが考えられます。さらに、現状に合わせてルールが複数回、変更になることもあるでしょう。

座席管理システムを導入する場合、このような自社の制度やルールに合わせた運用が大切です。席の抽選が可能か、特定の席を常時予約状態にできるかなど、ルールに合った機能を備えているか確認しましょう。

従業員目線での使いやすさを考慮する

実際にシステムを使う社員の声が反映された、現場の状況に合ったシステムであることも重要です。どんなに多機能なシステムであっても、使い勝手が悪かったり、予約に手間がかかったりするシステムでは、かえって業務効率を悪化させる可能性があります。

多くのサービスでは、1ヶ月程度の無料トライアル期間やショールームを設けており、サービスの利用体験が可能です。システムを本格導入する前に、トライアルを利用して自社に合っているかどうか確認するのがおすすめです。

他システムとの連携を確認する

座席管理システムによって業務効率の向上を図りたいのであれば、外部システムと連携できるものがおすすめです。例えば、GoogleカレンダーなどのスケジュールツールやOffice製品など、通常業務で使用するインフラシステムとの連携は必ず確認しましょう。

連携が可能なシステムを選びたい場合、クラウド型のサービスを選んだ方がシステムの拡張性が高く、多様な外部システムとの連携が可能なケースが多く見受けられます。

サポート体制の充実度を確認する

システムを運用し始めると、思わぬ部分でつまづいたり、予期せぬトラブルが発生したりすることも。トラブル発生時に担当者とすぐ連絡がつき、解決に当たってくれるサポート体制があるかどうかもよく確認しましょう。

担当者と早急に連絡を取るためには、電話だけでなくメールやチャットなど、複数の連絡手段があると安心です。中には24時間体制で問い合わせを受け付けているサービスもあるので、自社に合ったサポート体制のサービスを選びましょう。

おすすめの座席管理システム

ここでは、おすすめの座席管理システムと、それぞれのサービス内容や利用料金などを詳しく紹介します。

Colorkrew Biz (カラクルビズ)

Colorkrew Biz(カラクルビズ)は、社員検索や会議室予約、スケジュール調整などの機能を備えた多機能型の座席管理システムです。

座席や会議室のQRコードを読み取るだけでチェックインし、レイアウト上から各社員の所在場所を検索できるため、社員がどこにいるかを視覚的に確認できます。また、Office365のOutlookとの連携や備品・郵便物管理、ロッカーの使用状況管理などの機能を備えており、企業で発生する「名もなき仕事」を多角的に減らしてくれるツールです。

主な機能

座席予約、チェックイン、社員検索、会議室予約、スケジュール調整、外部スケジューラーとの連携、備品管理、郵便物管理、ロッカー管理、社内決済

料金

月額40,000円~(スタンダードプラン)、初期費用無料

トライアル

30日間無料(フル機能)

 

WorkstyleOS

WorkstyleOSは、座席予約や会議室予約、受付・入退館管理を主な機能とする多機能型の座席管理システムです。

Webブラウザやスマホアプリなどあらゆるデバイスから予約が可能で、空予約の自動キャンセルといったファシリテーション機能も豊富です。レイアウト上から座席の使用状況や社員の所在地を確認できるほか、ゲストがiPad上にQRコードをかざすだけで入館受付が完了するなど、使い勝手の良さも見逃せません。

主な機能

座席予約、リモートワーカーも含めたチェックイン管理、社員検索、会議室予約、空予約の自動キャンセル、ゲストの入退館管理、データの可視化・分析

料金

機能と人数に合わせて算出(要問い合わせ)

トライアル

30日間無料

 

beacapp HERE|株式会社ビーキャップ

beacapp HEREは、レイアウト上のビーコンとスマホアプリで社員の位置をリアルタイムに把握できる多機能型のシステムです。信号を発信する端末を社内に設置し、アプリをインストールしたスマホを自動で検知して位置情報を把握するため、チェックイン操作が不要というのが最大の特徴です。

オプション機能を使えば蓄積されたデータを分析し、日付単位・部署単位などで社員の行動を詳細に可視化できます。

主な機能

座席予約、自動チェックイン管理、会議室・個室予約、空きスペース検索、データの可視化・分析、

料金

月額33,000円~(ライトプラン)、初期費用110,000円~

トライアル

2ヶ月間(月額0円、初期費用220,000円)

 

workhub|株式会社ビットキー

workhubは、座席予約やゲストの入退出管理など、オフィスの「手続き・認証」をDXする総合プラットフォームです。小型のデバイスを後付けで設置して空間を管理するため、大規模な工事を伴わず、低コストでオフィスをアップデートできます。

非常に多機能なサービスですが、デバイスを後付けすることでシステムを提供しているため、必要な機能をセレクトして導入できる点も魅力です。オフィスだけでなく、コワーキングスペースや店舗、データセンターなどでも導入されています。

主な機能

座席予約、自動チェックイン、社員検索、会議室予約、エリア・スポット別の入退館管理、入退室ログの取得、顔認証解錠、データの可視化・分析、外部システムとの連携、スマートロッカー運用

料金

要問い合わせ

トライアル

なし(ショールームでの体験が可能)

 

せきなび|株式会社アスマーク

せきなびは、簡単な操作で座席の使用状況を管理できる管理特化型のシステムです。デバイスの設置などが必要なく、レイアウト上のアイコンを移動したり、ステータスを変更したりすることで座席状況を管理するため、操作が非常にシンプルで比較的導入コストが低いサービスといえます。

また、専任のカスタマーサクセス担当がつき、レイアウト作成やカスタマイズを無料サポートしてくれます。

主な機能

座席予約、チェックイン管理、社員検索、使用履歴記録、プロフィール管理、Googleカレンダー連携

料金

月額200円/1ユーザー~、初期費用:オプションにより変動

トライアル

30日間無料

 

YourDesk|サイオステクノロジー株式会社

YourDeskは、座席の管理・予約、社員の行動記録に特化した管理特化型のシステムです。QRコードを使って簡単にチェックインし、レイアウト上から出社・外出・在宅勤務中の社員を視覚的に把握できます。

座席は特定の席をホテリングするだけでなく、条件をもとにランダムで座席を選択する機能や、ソーシャルディスタンスを確保する機能を備えています。

 

主な機能

座席予約、社員検索、プロフィール管理、スケジュール連携、チャットツール連携

料金

月額30,000円~、初期費用150,000円

トライアル

30日間無料

 

座席管理システムで効率的な働き方を実現しよう

座席管理システムを導入してフリーアドレス管理を効率化すると、座席管理にかかる手間やコストの削減が期待できます。座席を使用する社員にとっても「使いたいときに席が空いていない」といった事態を回避でき、社内全体の業務効率化にもつながるでしょう。導入を検討する際は、自社が解決したい課題を明確にし、目的に見合ったサービスを選定するよう心がけてください。

企業の「はたらく」を包括的にサポートするヴィスでは、座席管理システムの導入を含めたワークデザインをご提案。目的や課題に合った最適なシステム選定もご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

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