フリーアドレスオフィスで私物を上手に管理する方法&便利な収納グッズを紹介!

フリーアドレスは自由度の高い働き方が可能ですが、私物や仕事道具の収納・管理が課題となる場合があります。本記事では、フリーアドレスで起こりやすい私物の問題と、その対処法やお役立ちアイテムについて詳しく解説します。

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業務効率改善や働きやすさ向上のため、フリーアドレスの導入を検討している経営者も多いでしょう。フリーアドレスを導入することで、部署や部門を越えた社内コミュニケーションの活性化や、新しいアイデアの創出につながるなどのメリットが得られます。 

しかし、これまで固定席を採用していた企業でフリーアドレスに変更する場合は、私物の管理に関する問題に直面することがあります。

本記事では、フリーアドレス導入時に起こり得る私物の収納・管理の問題と、その解決方法について解説します。

フリーアドレスを導入するメリットとは?


フリーアドレスは、従来のような固定席を作らず、自由に席を決められるオフィス形式のことです。フリーアドレスを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。

・社員数の増減にもスムーズに対応できる
・他部署や他チームと接する機会が増え、視野が広がる
・コミュニケーションが活発化する
・席を変えることでリフレッシュでき、生産性の向上につながる

自由度の高い働き方と相性の良いフリーアドレスによって、社内コミュニケーションの活性化や業務生産性の向上、新しい価値の創造など多くのメリットが見込めます。

フリーアドレスで起こる私物の収納・管理の問題



フリーアドレスでは、従来の固定席のように仕事道具や私物をデスクの上に置きっぱなしにすることができません。移動の際にすべて持ち運び、帰宅時にはデスクの私物を片付けて綺麗な状態にする必要があります。

また、私物の収納場所を決めなければオフィスが雑然としてしまうだけでなく、私物の盗難・紛失などセキュリティ面でのリスクも出てきます。既存ロッカーの容量に関する問題を抱えるケースもあるでしょう。

まずは、フリーアドレスでよくある4つの課題を紹介します。

席移動の際に持ち運びに手間がかかる

フリーアドレスでは、固定席のように自分のデスクに私物や仕事道具を保管できないため、仕事で使う物を都度持ち運ぶ手間がかかります。気分によって席を移動したいときも、私物をすべて持って動かなければなりません。

場合によっては、社員がストレスに感じたり、業務生産性や働きやすさの低下につながったりする可能性があります。

オフィスが雑然とする

デスクの上や引き出しの中に私物を保管できないのであれば、ほかの場所にを置いておかなければなりません。どこに私物を置いておくべきなのかを社内できちんと決めていないと、床などに置く人が増えてしまいます。

業務スペースにさまざまな私物が置かれていると、全体を見たときに物が散らかっている印象になってしまうでしょう。

また、人が移動するときに足を引っかけてしまうこともあります。転倒して怪我をしてしまったり、邪魔になったりして業務に支障が出ることもあるでしょう。

盗難や紛失などのセキュリティ面での不安がある

離席の際、書類や私物を置きっぱなしにしていると、盗難や紛失のリスクがないとも言い切れません

座席に座る人は毎日変わるため、誰かが持ち物に触っていても周囲の人は不審に感じないこともあるでしょうし、誰かが勝手に移動させたり使用したりしていても、なかなかそれに気づけません。

フリーアドレス化により、セキュリティを心配しなければいけない一面があるのは否めません。

既存のロッカーの容量が不足する

引き出しやキャビネットの中に収納していた私物すべてをロッカーに収納することになると、収納スペースが足りなくなる可能性があります。

私物や書類を収納しておくスペースがない場合、やむを得ず業務スペースに私物を持ち込む人が増えていき、やがてデスクの上や床に私物を置くようになっていくおそれがあります。

フリーアドレスのおオフィスで上手に私物収納・管理する6つの方法



フリーアドレスでよくある課題を解消するためには、以下のような対策が有用です。

・収納に関するルールを決める
・ペーパーレス化する
・文具や備品は会社側で一括管理する
・フリーアドレス対応のロッカーを導入する
・共有の収納スペースを設置する
・可動式ワゴンやバッグハンガーなど収納アイテムを活用する

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

収納に関するルールを決める

フリーアドレスの導入にあたって、私物の収納や扱いに関するルールを決めておくことが大切です。導線やスペースの使い方を明確化することで、快適に働ける環境を確立できます。

また、社員の混乱を避けてスムーズなフリーアドレスの導入・運用につながるでしょう。

具体例として、以下のようなルールが挙げられます。

・業務中は床や通路に私物を置かない
・業務に関わりのない不要なものを持ち込まない
・私物は必要最低限のものだけ持参する
・業務で使用しないものはロッカーに収納する
・帰宅時には個人用ロッカーに私物を収納する
・使用後はきれいに片付け、ウェットティッシュで拭く
・共用ロッカーでは個人の持ち物に名札などを付ける

デスクを共有するなかで、使用するすべての人が気持ちよく利用できるように、適切なルールを設定しましょう。

ペーパーレス化する

フリーアドレスでは収納スペースが足りなくなってしまうことがあるため、オフィス空間を有効活用し、スペースを確保することが重要になります。

そのためには、ペーパーレス化も有効な手段のひとつです。書類の保管に必要なスペースを削減することができます。

具体的には、以下のような方法があります。

・紙の資料をPDFなどで管理
・電子書籍を利用する
・WEB会議の導入
・システムやクラウドの利用

そのほか、稟議書を電子化すれば、上長・課長・部長・社長などに書類を回覧してもらう手間や時間を省くことができます。承認までの時間が大幅に短縮できるといった副次的なメリットが得られます。

加えて、紙の文書とデータの棲み分けを行うことは、業務管理や収納スペースの見直しを図るだけでなく、書類の「死蔵」を防止するためにも大切なことです。限られた収納スペースを効果的に活用するためには、文書管理の徹底が必要不可欠です。

文具や備品は会社側で一括管理する

オフィスで使用するハサミやテープ類、クリヤーホルダーなどの文具や備品は、社員が共有して使えるものを会社側が一括管理しましょう。社員の私物を減らすと同時にデスク周りが片付き、席移動が楽になります。

また、私物管理のコスト削減や省スペース化にもつながるでしょう。消耗品や文具は、所定の場所に保管し、誰でも使えるようにしておくと便利です。使用後に必ず元の場所に戻すようルールを設定すれば、紛失や個人の専有化を防げます。

フリーアドレス対応のロッカーを導入する

個人の私物を管理しやすいよう、パーソナルロッカーを設置しましょう。業務中に使わない私物を管理できるように、従来よりも容量の大きいものが無難です。

フリーアドレス対応のロッカーは名札を簡単に付け替えでき、使う座席の場所に合わせてロッカーも簡単に引越せるものがあります。

機密書類や重要なデータが入ったパソコンを収納したい場合は、ロックがかかるタイプが望ましいでしょう。ダイヤル式のキーレスタイプや入館証をかざして解錠するものなら、鍵の紛失の心配もありません。

共有の収納スペースを設置する

貴重品などパーソナルロッカーに収納するもの以外の、アウターやブーツなどをまとめて置く共有収納は、オフィスの整理整頓に役立ちます。仕事中には身に着けないものを収納できるよう、大人数用のロッカーやシューズボックス、クロークなどが向いています。

多くの社員が使用する書類を保管するために、専用の共有収納スペースを設けてまとめることで、セキュリティの強化にも有効です。

可動式ワゴンやバッグハンガーなど収納アイテムを利用する

フリーアドレスを導入する際は、同時に収納アイテムを取り入れるのがおすすめです。そこで、フリーアドレスで私物や書類をすっきり収納できる便利なアイテムをみていきましょう。

持ち運べる収納バッグ

社員個人のロッカーから仕事で使うパソコンや書類などを移動する際には、持ち運べる収納バッグ(モバイルバッグ)が便利です。文具や書類などをコンパクトに収納できます。

形やサイズが豊富で、移動の頻度が高い人向けの、アクティブに動ける肩がけタイプなどの種類を選べる点も特徴です。代表的な製品には、mochi・haco(もちはこ)シリーズの「mo・baco(モバコ)」や「mo・baco up(モバコ アップ)などがあります。

バッグインバッグ

バッグインバッグは、「インナーバッグ」とも呼ばれ、カバンの中身を整理するために便利なアイテムです。機能性が高く、通勤用バッグと社内で使うバッグの中身を入れ替える手間が省けます。

かわいいデザインのものからビジネスシーンに適したシンプルなタイプまで多くの種類があり、サイズやカラーも豊富です。収納したいアイテムや用途に合わせて選びましょう。

可動式ワゴン

可動式ワゴン「FreeWagon」は、キャスターが付いていて私物を入れたまま簡単に移動できる小さめのワゴンです。フリーアドレスで使用する席の横などに置いて、社員の私物一式を入れて使用します。

フリーワゴンなら上段と下段に分かれており、フックや取っ手も付いているので便利です。たとえば、上段にカバンを置いて、下段にファイルボックスを置くというような使い方も可能です。

バッグハンガー

可動式ワゴンが置けない場合やカバンを置く場所を確保したい場合には、バッグハンガーが活躍します。「かばん用フック」や「バッグホルダー」とも呼ばれ、デスクに取り付けてかばんを吊り下げるアイテムです。強力マグネットフックや360度回転式などの種類があります。

コンパクトなのでカバンの中で場所を取らない上、かばんが汚れるのを防げます。ただ、製品によって耐荷重は異なるため、パソコンや書類の多いかばんを使う場合は事前に確認しておくと安心です。

ノートパソコンオーガナイザー

ノートパソコンオーガナイザーとは、周辺機器などをノートパソコンと一緒に持ち運ぶためのアイテムです。スマホやケーブル、ペンなどをゴムバンドなどでノートパソコンに装着し、片手でまとめて持ち運べるため、仕事道具や私物の移動が楽になります。

また、卓上に置いて使用できるタイプは、デスク上で私物が散らかることを避けられるうえ、ものを取り出しやすく作業効率の向上にもつながります。ポケットの多いものやコンパクトな折りたたみタイプなど多くの種類がありますが、持ち運んでいる最中にものが落ちないものを選びましょう。

ガジェット収納ポーチ

ガジェット収納ポーチとは、充電コードやイヤホンなどデバイス周辺機器をまとめて収納できるポーチです。仕切りやポケットが多く、カメラアクセサリーやスマホ・パソコン周辺機器など身の回りの小さなアイテムの整理整頓に役立ちます。

外部にハードな素材が、内部にクッション性のある素材が使われている商品であれば、通常の収納ポーチよりも安全に、繊細なガジェットを持ち運べます。

スタンドツールポーチ

スタンドツールポーチは、持ち運びが可能な立たせる収納ツールです。ペンなどの筆記具から、電卓や付箋などの小物をまとめて収納できます。デスク上でバラバラになりやすいアイテムをまとめて収納できるうえ、ペン立てのように設置して使うことが可能です。

間口が広いと簡単に取り出せて便利です。収納力や使い勝手が良いものを選ぶと良いでしょう。

私物の収納・管理の最適化以外の問題の解決策とは?



私物の問題は、収納や管理方法を改善するだけでは解決しないことがあります。フリーアドレスを導入したものの、運用がうまくいかずに廃止することのないよう、適切な対処法を提示しますので参考にしてください。

紙で保存する書類は管理基準を決める

オフィスで扱う書類には、紙で保存する必要がある書類も存在します。フリーアドレスの私物管理や収納の問題を解消するためには、不要な書類を破棄して整理する必要がありますが、原本での保管が必要な書類などは保存場所を決めて社員に周知しましょう。

また、電子化するものや外部保存するもの、廃棄するものを明確に分けることも大切です。オフィスの書類は、管理基準を設けて「個人書類」「共有書類」「重要書類」に分け、保管場所・保管ルールを考えるとスムーズです。

個人書類は、他者との共有が不要なので、個人のロッカーでの管理が向いています。複数名で使用する共有書類は、管理担当者と保管場所、運用ルールを決めて管理するのが適切です。また、契約書等の機密文書や原本での保管が必要な重要書類については、鍵のかかる収納庫で管理するのが望ましいでしょう。

共有書類や重要書類は、定期的に運用ルールが徹底されているか確認することも必要です。

導入に向かない部署・職種はフリーアドレスにしない

社内のすべての部署や職種がフリーアドレスに向いているとは限らず、不向きな部署もあります。

例えば、経理部門や管理部門など機密情報を扱う部署では、パソコンや書類を毎日持ち運び、退席時に片付けるのは現実的ではありません。また、ペーパーレス化を進めても書類管理が中心となる可能性が高いでしょう。

他にも、コールセンター業務など固定電話を使用するチームでは、業務が成り立たなくなる可能性があります。情報系・クリエイティブ系でさまざまな機器や専門ツールを使う部署も、固定席の方が向いています。

フリーアドレス導入の目的を理解してもらう

フリーアドレスを導入する際には、オフィスを利用する社員に目的や意義をしっかり共有し、理解を促すことが大切です。

導入目的や背景が社員に浸透しないまま制度だけを進めても、収納などのルール徹底が難しくなります。また、私物の持ち運びを面倒に感じて、席を固定する社員が現れるなど、フリーアドレスの意味がなくなる可能性もあります。

加えて、導入後は継続的な運用に向けて現場からのフィードバックをもらい、改善に取り組むことも大切です。

フリーアドレス導入や社員の私物管理にお悩みなら

フリーアドレスでは、私物や仕事道具の持ち運びや収納スペースの確保など、私物管理の方法が課題となるケースが多く見られます。

私物管理に関するルールを設定するとともに、パーソナルロッカーや収納アイテムなどを必要に応じて活用することで、フリーアドレスのスムーズな導入とともに、快適なオフィスの構築につながります。

ヴィスは、空間づくりにおける知見を用いて、オフィスづくりにとどまらず、企業のニーズに合わせて「はたらく」を包括的に考慮したワークデザインを提供しています。ワークデザイン、オフィスデザイン、オフィス移転・改装・設計についてのお悩みは、お気軽にお問い合わせください。

 

まとめ

フリーアドレスを導入する際、私物が既存のロッカーに収まり切らない場合、デスクの上や引き出しなどに私物を置きがちになります。

社内全体が散らかった印象になると、企業イメージの低下につながってしまうでしょう。フリーアドレスを導入する予定であれば、私物の収納に関する対策をきちんと講じなければなりません

また、ペーパーレス化を図ることにより収納スペースは確保され、収納アイテムを上手く活用することでより働きやすい職場を作り出していくことができます。

フリーアドレスのメリット・デメリットについては下記の記事でも詳しくご紹介しているので、是非こちらもチェックしてみてください。

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