オフィスカフェとは
オフィスカフェとは、社内に設けたカフェのような休憩ができるスペースです。おしゃれで居心地の良いテーブルやイスが設置され自由に利用できるほか、ドリンクの提供が行われることもあります。オフィスにいながら、まるでカフェのようにリラックスできる空間です。
オフィスカフェは、休憩のみならず、カジュアルなミーティングや勉強会、イベントなど多目的に活用できることも特徴です。快適に働ける環境を構築できるだけでなく、社員の交流によって生まれるメリットが多いと注目されており、オフィスカフェを設置する企業が増えています。
オフィスカフェの設置で得られる5つのメリット
オフィスカフェを設置すると、会社にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。オフィスカフェの果たす役割とあわせて見ていきましょう。
コミュニケーションが活性化する
オフィスカフェでは、ミーティングとは異なるカジュアルな交流や意見交換が可能です。社員間のコミュニケーションが活発になることは、チームの結束力を高めることにもつながります。円滑なコミュニケーションによって組織の風通しが良くなり、離職率の低下をもたらしてくれます。
また、部署を超えた交流も物理的に可能なため、業務でも他部署との連携も取りやすくなります。何気ない雑談から、既存の枠組みでは想定できなかった新たなビジネスアイディアや社内コラボレーション、あるいは新サービスが生まれることも少なくありません。
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生産性アップにつながる
オフィスの中に一息つけるスペースがあることで、気持ちや気分のオン・オフを切り替えるきっかけになります。カフェを利用してリフレッシュしたり雑談で気分転換したりしてメリハリをつけることは、集中力の維持や生産性アップにもつながります。
また、コーヒーなどでカフェインを摂取すれば、眠気覚ましにもなるでしょう。糖分のある飲み物を摂れば、疲労感の回復にも役立ちます。
オフィスカフェがあれば、気分転換のためにわざわざ外部のカフェに行かずに済み、社員の時間や金銭的な負担が少なく済むのもメリット。何より結果的に生産性のアップにつながるのは間違いないでしょう。
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社員の健康を促進できる
オフィスカフェを設置して職場環境を整えると、社員の健康維持やストレス軽減に効果的です。物理的に仕事の場から離れることができ、社員がリラックスできる空間として活用できます。
仕事が捗らないときや疲労を感じたときにカフェスペースを利用したり、社員同士でコミュニケーションを取れたりなど、適度な気分転換によるストレス軽減が期待できます。
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多目的に利用できる
オフィスカフェは社員がリフレッシュする場のほかにも、打ち合わせやイベント・セミナー会場など、さまざまな用途で活用できます。
複数人で集まって作業するのはもちろん、ひとりで集中したいときにも有効です。用途が限定されないため、オフィススペースを効率良く利用できます。夜はカフェスペースをバーにして、社員同士の交流の場として活用してみてはいかがでしょうか。
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企業ブランディングにつながる
オフィスカフェを企業イメージに合ったデザインにしたり、オフィスカフェについて外部に発信することは、企業ブランディングとしても有効です。
このときに大事なのが、ただカフェを置くだけではなく、プラスで上質なサービスを取り入れることです。
例えば、以下のサービスが例としてあげられます。
・バリスタを置いて常にクオリティーの高いコーヒーを提供する。
・ブランドのあるコーヒーメーカーのサービスを取り入れる。
・こだわりのスペシャリティなコーヒー豆を採用する。
こういった取り組みが、より豊かで潤いのある時間の提供や、ブランディングに繋がります。
近年では、オフィスカフェをアピールポイントとする企業も増加中です。社員のみならず、外部利用が可能なカフェを設置し、企業イメージの向上に取り組む企業も見られます。
また、オフィスカフェを設置していることは、働く環境を良くしようという姿勢の表れでもあります。既存社員の満足度が上がるだけでなく、採用活動にもプラスに働き、優秀な人材の確保にもつながります。
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オフィスカフェの利用方法・アイデア
オフィスカフェの設置で得られるメリットを最大限引き出すためには、社員に使ってもらうことが大切です。オフィスカフェを設置するときは、偶発的な出会いや交流につながる仕掛けを作りましょう。ここではオフィスカフェの設置時に試して欲しいアイデアを紹介します。
あらゆる目的で使えるようにする
ダイニングを設置し、作業だけでなく食事もできるスペースにするのがおすすめです。使用用途の幅が広がり、より多くの社員がさまざまな目的で使えるようになります。
簡単な調理ができるキッチンを設けるのも有効です。社員の食事の選択肢を広げられます。また、社員同士で一緒に食事を作り、同じ料理を食べることで一体感も生まれやすくなるでしょう。
人通りの多い場所に設置する
オフィスで最も人通りが多い場所にオフィスカフェを設置すると、社員が立ち寄りやすくなります。社員だけでなく、外部の人も使えるように設置するのも素敵なアイディア。社内だけでなく外部の人との偶発的な交流を図れるため、情報収集にも役立ちます。
無人マーケットを設置する
ドリンクやスナックを購入できる無人マーケットがあると、休憩の場として立ち寄りやすくなります。商品を選ぶ楽しみも得られて気分転換も図れるでしょう。
サービスを充実させる
オフィスカフェを活性化させるためには、サービスを充実させることも大切です。例えば、おいしい飲み物を提供したり、ケータリングコーナーを設置したりすることがあげられます。特別感を演出することで、多くの社員の利用を見込めます。
オフィスカフェに取り入れたいデザインのポイント
オフィスカフェは単なる休憩所とは異なり、業務から一旦離れることができ、快適で過ごしやすいことが重要です。社員が積極的に利用したいと思えるオフィスカフェを実現するには、インテリアにも工夫が必要です。ここでは、実際にカフェ空間をデザインするにあたり、工夫したいポイントを5つご紹介します。
壁の色やデザイン
業務スペースと雰囲気を変えるために重要なのが、壁の色やデザインです。
アットホームでぬくもりのある空間にするなら、ホワイトやベージュ、アイボリーなどの淡い色がおすすめです。一方、大人の洗練された空間を目指すなら、ブラウンやグレー、ダークグリーンなどの濃い色が向いています。カフェ設置の目的に応じて選択すると良いでしょう。
また、壁のデザインを変えることでも業務スペースと区別する効果が期待できます。カフェスペースにおすすめの素材は、木目調や漆喰、レンガ、タイルなど表情のある素材です。壁の一部にアクセントとして雰囲気を変えるのも良いでしょう。
床の色や素材
床の色や素材も、快適で過ごしやすいオフィスカフェづくりには重要です。
床は白~ブラウンなどの淡めの色ならやわらかい雰囲気を、ダークブラウン~黒などの暗い色ならクールでスタイリッシュな雰囲気が演出できます。
床材を変えるのも効果的です。オフィスの床材にカーペットを使用する会社も多いかと思います。カフェの雰囲気を演出するのにおすすめしたい素材として、フローリングでよく用いられる無垢材や集成材などの木材をはじめ、耐キズや耐摩耗性の高いプラスチックタイルに使用されるプラスティック、あるいはクッションフロアといったトイレや洗面台などの水回りに使われることの多い塩化ビニール素材といったものがあげられます。
木材はあたたかい雰囲気があり、プラスチックタイルやクッションフロアはデザインの自由が高いことが特徴です。目指す雰囲気や予算に応じて選択しましょう。
業務スペースとの区別のためのパーティションを置くことがスペース的に難しい場合でも、床色や素材を変えることでゾーニングを行うことができます。
オフィス家具のデザイン
テーブルやイス、ソファ、スツール、ワゴンなど、オフィスカフェに設置する家具のデザインにもこだわりましょう。レトロ風、北欧風、インダストリアル風など、コンセプトに合った家具でコーディネートすることがおしゃれに見せるポイントです。壁面や床のカラーの反対色となる家具を選択する方法もあります。
また、ニーズに応じた利用ができるよう、1人用から多人数用まで複数の席種を用意するのもおすすめです。自由な使い方ができて居心地が良ければ、オフィスカフェを活用する社員が増えるでしょう。
照明の色やデザイン
デザイン性の高い照明を取り入れることでも、業務スペースと雰囲気を変えることができます。スタンドライトやペンダントライト、ブラケットライトなどをテーブルに合わせて設置するとおしゃれな空間にまとめることができます。
照明の色は、蛍光色の照明を用いる業務スペースと区別して、電球色のような暖色系がおすすめです。暖色系はリラックスしたい場所にぴったりの色合いですので、やわらかい光で落ち着きのある空間を演出してくれます。
バイオフィリックデザイン
バイオフィリックデザインとは、人は自然と接することで幸せを感じられるという考え方に基づいて、空間に自然を感じられる設計を取り入れることをいいます。
中でもグリーンは健康や生産性に良い効果をもたらします。幸福度や創造性が15%、生産性が6%アップするという研究結果もあるほどです。バイオフィリックを意識していなくても、身近に緑があると落ち着くと感じる方も多いのではないでしょうか。
オフィスカフェにグリーンを取り入れると、よりリフレッシュできる空間へと生まれ変わります。鉢植えを置くほか、ハンギングしたり間仕切りに取り入れたりすると良いでしょう。
また、これからオフィスカフェ用のスペース確保をお考えなら、自然光の採光についても意識してみることをおすすめします。
オフィスカフェを設置したい、自社に合った空間デザインを考えたい方はヴィスへご相談ください。ヴィスはオフィスデザインをワンストップで提案し、企業ブランディングの構築をサポートしています。
オフィスカフェに最適な空間プランニングも、レイアウトから家具・内装デザインまで対応可能です。デザイナーズオフィスによる企業価値向上にも取り組んでいます。
オフィスカフェを導入している企業事例3選
働きやすい職場はオフィスカフェも充実しています。ここではオフィスカフェの導入事例を紹介します。
【シンポ-情報システム株式会社】働きやすい場所を選択できるコワーキングスペース
シンポー情報システム社は、情報システムの企画、コンサルテーション、構築、運用・保守・アウトソーシング、改善などを行っている企業です。
働きやすい職場環境を目指して社員一人ひとりが働く場所を自ら選択できるように、コワーキングスペースを設置しました。
機能性とデザイン性を兼ね備えたコワーキングスペースの入口付近に、カフェ・パントリースペースを設置し、社員同士がコミュニケーションを取りやすい空間を実現しています。
集中スペースやオンラインブースも設置し、業務、コミュニケーション、休憩を社員が自身の状況に合わせて選択できるようにしています。
【大鵬薬品工業株式会社】スペース全体をカフェラウンジに
大鵬薬品工業社は、医療用医薬品やヘルスケア商品など、人々の健康をサポートする商品の研究開発・製造・販売を行っている企業です。
新社屋の6階のスペース全体をカフェラウンジとしてデザインし、人が集まりやすい場所を目指しました。目線より下に家具を配置することで、広々とした空間を演出しています。動かしやすい家具を多く使用しているため、柔軟にレイアウト変更できるのもポイントです。
ひとつの空間に「ラウンジ」「キッチン」「カフェ」を設置しているため、社員一人ひとりが目的に合わせて利用できます。
【株式会社トライエッティング】集まって食事ができるカフェスペース
トライエッティング社は、データテクノロジーを活用した最先端の破壊的ソリューションの技術研究開発を行い、基幹システムの知能化やAI搭載型SaaSの提供を通じて、産業システムの知能化に取り組む企業です。
人とのつながりやコミュニケーションを大切にするために、社員が集まって食事できるカフェスペースを設置しています。ソファセットや小上がりエリアなどのコミュニケーションスペースを動線上に配置するなど、人が集まりやすい工夫が施されているのも特徴です。
まとめ
オフィスカフェは社員の働く環境の向上のみならず、組織活性化や生産性アップ効果も期待できます。
また、企業ブランディングのツールとしても有効です。自社のイメージに応じたおしゃれなカフェを設置し、企業価値の向上を図りましょう。